学校の様子

校長室より【9月20日】 深いぞ3年生!考える道徳授業

 本校には今年度、千葉県の「長期研修生」として國學院大学を中心に、全国を飛び回って道徳の授業を研究しているH教諭が在籍しています。教員の研究は、より良い実践のための研究です。H教諭も、研究してきたことを実践し、さらにそれを研究に繋げるために、本校の様々な学級で担任に代わり道徳の授業を行なっています!

 本日は3年生の3学級で、学校生活における「きまり」について、考えを深める授業を行いました。自分の考えを可視化するために、今日はピンクとブルーの紙を2つ折りにしたカードをそれぞれが持って、何度も子どもたちは自分の考えをわかりやすく表現します。

 今日の題材となる文章は、雨上がり、ぬかるんだ校庭に「今日は遊べません」を示す赤いボードが出ているが、友達は「いいじゃないか」と遊びに出てしまう。主人公は友達につられることなく「きまりじゃないか」とつぶやく。校内放送がかかり、「今日は遊べません」と注意され、友達は戻ってくる・・・というようなお話です。

 H教諭は、「今日は◯◯について考えましょう」とは言いません。文章を読んだ後、「不思議だな?や話し合いたいことはありますか?」と子ども達に投げかけます。すると子どもたちは、自分たちで今日の課題について出し合っていくので、教諭は子どもの意見を丁寧に認めながら、子どもたちと意見を交換しながら今日の課題について焦点化していきます。授業の初めから驚かされたのは、子どもたちが、文章の状況をよく捉え、自分なりの「はて?」をしっかりと言語化しているところです。「赤いボードもダメのサインで、放送もダメと言っている。同じダメなのに、放送だと決まりを守っちゃうのはどうして?」のような、それを考えたら大人でも面白いだろうなあと思うような意見が、子どもたちの間からすぐに出てくるところです!子どもの意見全ては取り上げられないので、H教諭は、「不思議だなと思えることを、自分で作れる人は、とても素晴らしい!」と意見を言った子どもたちをしっかり誉め、認めた後、今日の課題に進んでいきます。

 道徳は、「主人公の行動」という、自分ではない自分から切り離した事象について考えるので、子どもたちはリラックスして自分の考えを言ったり友だちと対話したりできるのですね。

 授業は進行して、教諭は「きまりを守らなくても先生が怒らなかったらどうかな?」「きまりがなかったらどうかな?」と子どもたちに問うていきます。

 授業も終末になり、教諭が「きまりはあった方がいい? ない方がいい?」という問いをしました。子どもたちは自分の意見を、カードの色を使いながら、絶対あった方がいい!あり寄りのないも少し!と意思表示をしました。あった方がいいという意見がかなり優勢です!しかし、その中で、キッパリとカードで「ない方がよい」と表示をした子がいました。意思を持った表情がとてもすてきだったので、意見が聞きたくなり、教諭に指名してもらいました。すると、その子が「自分の経験ですが、バレエの合宿があった時、先生から言われたきまりがたったひとつ、『バレエに集中する』でした。それさえわかっていれば、人には、自分できまりを作り、自分で守る力があると、その時私は思いました。そして、他人に決められたきまりのない合宿は、とても快適でした。」と発表したのです!いやあ、おおぐろの森小学校の子ども、すごい!!そして、そういう発言を引き出す本校教諭すごい!!