学校長からのお話を掲載しています
平成23年度 3年生を送る会 あいさつ
みなさん、こんにちは。今日は生徒会役員のみなさんが中心となって、「3年生を送る会」を開いてくれます。忙しい中での準備、本当に御世話になりました。
3年生のみなさんは、卒業まであと2週間となりました。この1年間は、本当に早かったなと思っていることでしょう。みなさんは、学校の顔として、日常生活でのリーダーシップはもとより、部活動、委員会活動、清掃活動など核となる活動において活躍し、下級生のお手本となりました。学校がとても盛り上がりました。本当にありがとう。感謝しています。1・2年生は、3年生のみなさんの姿を見て、あこがれ、尊敬し、自分の目標として頑張ってきたことと思います。3年生のみなさんの存在の大きさを、今改めて感じていることでしょう。
さて、本日は映画「はやぶさ」を鑑賞します。2003年に飛び立ち、小惑星イトカワからサンプルの採取に成功した小惑星探査機「はやぶさ」の挑戦を描いた壮大なドラマです。「ぼくの故郷、地球は本当にきれいだった」「決してあきらめなかった」「思いが一つになるとき、奇跡は起こる」きっと胸が熱くなると思います。3年生と一緒に映画を見るのは、これが最後になります。ぜひ、楽しんでください。
ここで、中島みゆきさんが作詞・作曲した「春なのに」という歌を紹介して終わりたいと思います。
春なのに
作詞・作曲 中島みゆき
卒業だけが 理由でしょうか。
会えなくなるねと 右手を出して
さびしくなるよ それだけですか
向こうで友達 呼んでますね
流れる季節たちを ほほえみで
送りたいけれど
春なのに お別れですか
春なのに 涙がこぼれます
春なのに 春なのに
ため息また一つ
卒業しても 白い喫茶店(益子中学校
今までどおり 会えますねと
君の話は 何だったのと
聞かれるまでは 言う気でした
※記念にください ボタンを一つ
青い空に捨てます
春なのに お別れですか
春なのに 涙がこぼれます
春なのに 春なのに
ため息また一つ
※(繰り返し)
第8回 全校集会 「応援し合える関係性をもとう」
みなさん、こんにちは。インフルエンザが、県内はもちろんですが、全国で猛威を振るっています。本校でも、2月1日から14日までの2週間、延べ37人もの欠席者がいました。本日現在では、欠席者が4人となり落ち着いてきましたが、まだまだ油断はできません。引き続き、手洗い、うがい、マスク、バランスのよい食事、適度の睡眠を心がけていきましょう。
さて、皆さんはこの1年間を振り返り、友達や仲間に対してしっかりと応援することができましたか。皆さんは、どんなときに応援しましたか。例えば、部活動での各種大会のとき、陸上競技大会や駅伝競走大会のとき、あるいは運動会のとき、さらには「聖が丘祭」のステージ発表のときなど、いろいろな場面があったでしょう。そのような多くの場面で、皆さんは身を乗り出し、しっかりと応援することができたと思います。
それでは、勉強や学習ではどうでしょうか。例えば、何日も学校を休んでいる友達がいれば、その友達は勉強がわからなくなり、学習意欲も低下してしまいます。気持ちばかり焦って、学習に身が入らなくなります。そのような友達には、どのような応援をしたらよいでしょう。学習ノートを見せてあげる、昼休みに分からないところを教えてあげるなど、より積極的な応援が考えられます。皆さんの中には、すでにそのようにして応援している人がいます。すばらしいことです。
応援するということは、何か見返りを求めることではありません。また、この人と友達になれば、何か自分にとっていいことがあるかもしれない、などと思うことでもありません。応援する、応援できるということは、相手のことをリスペクト(尊敬し、敬意を払う)しているからできる行為です。自分にない何かを相手はもっている。その魅力が自分を引きつけるのです。だから応援したくなるのです。相手の役に立ちたいと思える人は、相手からも応援してもらえます。そこには競争がありませんから、純粋に応援し合えるのだと思います。
その逆の行為は困ります。例えば、勉強や部活動などでがんばれず、心が晴れないときに、友達や仲間に対してに「そんなことやって辛くないの」「わたしはもうやらないから、楽になってよかった」などのような言葉は、相手の気持ちを考えない言葉であり、相手の信頼もなくします。ましてや、応援してもらうことなどできません。また、「あなたばかり活躍している」「あなたは目立ちすぎだ」などの言葉を言う人がいれば、その人はいつまでたっても、いやな自分から抜け出せないで、もがき苦しむことになります。
いよいよ学年・学級の集大成の時期を迎えます。皆さんには、ぜひ、友達や仲間に対し「応援し合える関係性」をもってほしいと思います。単純に応援したくなるような関係性がいいと思います。そのためにも「応援しているから、頑張ってください(がんばってね)」の気持ちを実践していきましょう。
『立志記念文集』に寄せて 「求め続けていこう」
立志式を迎えた二年生のみなさん、おめでとうございます。立志とは志を立てるということですが、志とは単なる「ふわふわとした夢」のようなものではありません。「社会」のためにという極めて強固な意志に支えられているものです。
十八世紀に活躍したスイス人の教育思想家ジャン=ジャック・ルソーは、著書『エミール』の中で、中学二年の時期(青春前期)を「第二の誕生」の時期であると指摘し、「一回目は存在するために、二回目は生きるために生まれる」と説いています。
つまり、中学二年のこの時期は、一人の人間として、全うに人生を生きる大人の出発点であります。また、将来を見通して現在を考えることができる大人としての第一歩の時期でもあります。
この立志式にあたり、改めて自分を見つめ直し、将来に向けての確かな目標と計画を立て、努力を積み重ねていってほしいと思います。そして、努力することで、自分の伸び代を広げ、自分の人生や新しい社会を切り拓く力を身に付けてほしいと願っています。
みなさんがそれぞれの夢や目標に向かって歩んでいく道程は、決して平坦なものではありません。時として、幾多の障害や困難に直面し、悩み、苦しみ、自信を失い、易きに流されそうになることがあるかもしれません。でも、みなさんには、それを乗り越えようとする強さや気高さがあります。このことを信じて、自分を奮い立たせ、自分に恥じない、誇りある生き方をしてほしいと思います。
最後に、私の好きな言葉(華道家・勅使河原蒼風著『花伝書』より)を贈ります。
求めていなければ授からない。
だからいつでも求めていなければ ならない。
ついに授からないかもしれないが、
求めていなければ授からないのだ。
みなさんが夢を求め続け、やがてその夢が叶うことを願っています。
平成24年度益子中学校入学説明会 あいさつ
保護者の皆様、そして児童のみなさん、こんにちは。本日はお忙しい中、入学説明会に御出席をいただき、ありがとうございます。寒さも一段と厳しくなり、インフルエンザがはやってきていますので、くれぐれも気を付けていただきたいと思います。
さて、児童のみなさんは、この時期になると、「中学生に早くなりたい」という気持ちが高まってくるのではないかと思います。でも、不安もあるでしょう。今日は、みなさんのそのような希望や期待、そして不安に、少しでも応えられるような一日にしたいと思います。
益子中には、校訓があります。「聖心」という校訓です。今日の資料の表紙をみてください。表紙に下の方に、校訓について書かれています。3行目のところですが、「聖心」とは、「優れた人を目指し、日々努力する心」ですと、書いてあります。生徒も先生も、このような心を忘れず、心の支えとして生活していますので、生徒たちの頑張り、活躍がとても光っています。
その頑張り、活躍を支えている3つのことについてお話します。
一つ目は、よい行いができることです。挨拶がよくできます。掃除もまじめに取り組みます。学級や学校のためにしっかり仕事を行います。
益子中では、何事も自ら行動しようとする生徒を目指しています。
二つ目は、丈夫な体をつくることです。体育の時間は全力で活動します。放課後の体力つくりや部活動にも真剣に取り組んでいます。ただ、部活動については、自分の体力や特性などを考えて入部してほしいと思います。そして、途中でやめることのないよう、自分の決めた部活を続けてください。
益子中では、自ら体力を高めようとする生徒を目指しています。
三つ目は、学習に力を入れていることです。授業中は集中して取り組んでいます。家庭学習(自主学習)も習慣化しています。分からないところは、教科の先生によく質問しています。
益子中では、自ら学習に取り組もうとする生徒を目指しています。
これらの三つのことができるよう、先生方は常に生徒とのコミュニケーションを大切にしています。お陰様で、私のところ(校長室)にも、多くの生徒さんが来てくれます。おしゃべりにくる生徒、勉強しにくる生徒、給食を食べにくる生徒、相談しに来る生徒もいます。
学校は、生徒たちにとって「自分を高める楽しい場所」でなければならないと考えています。そのためにも、不安なことや心配なことがあったら、すぐに相談してほしいと思います。
中学時代は、自分の伸び代を広げられる時期でもあります。保護者の皆様には、お子様の伸び代がどれだけ広げられるか、ぜひ見守り、励まし、後押しをしていただきたいと思います。
立志式 式辞
厳しい冬の寒さに、じっと耐えてきた校庭の木々も、新しい芽を膨らませ、早春の息吹が感じられる季節になってまいりました。
本日は、公私御多用の中を、益子町長 大塚朋之 様、益子町議会副議長 黒子秀夫 様をはじめ、多数の御来賓の皆様の御臨席と、保護者の皆様の御列席を賜り、ここに平成二十三年度立志式が挙行できますことを大変うれしく思います。心より厚く御礼申し上げます。
立志を迎えた百三十二名の二年生の皆さん、おめでとうございます。そして、保護者の皆様、誠におめでとうございます。
さて、本日の立志式は、皆さん一人一人の成長の節目の日であります。真っ直ぐに伸びている竹には、必要なところに、規則正しく節ができているので、高く、しなやかな竹に成長できたのです。私たち人間の成長のそれぞれの節目にも、植物の節に当たる行事が準備されています。
本日の立志式はその一つで、昔から「十五にして学に志す」と言われてきたように、やがて十五歳になる皆さんが、これからの自分の生き方を学び、身に付けていくという、新しい成長の出発点となる大事な行事なのです。
教育思想家であるルソーは、『エミール』という書物の中で、十四歳のこの時期を「第二の誕生」の時期であると指摘しています。一回目の誕生は、言
までもなく存在するためです。二回目は生きるために生まれると言っています。
つまり、十四歳この時期は、一人の人間として、全うに生きる大人の出発点であり、また、将来を見通して、現在を考えることができる、大人としての第一歩の時期でもあります。
皆さんは、立志を迎えるにあたり、『立志記念文集』を発行しました。その中で、一人一人が力強く「立志の誓い」を書いてくれました。その言葉一つ一つに重みがあります。自分を見つめ直す姿、そして、将来の夢や目標を実現するために、努力しようとする決意が読み取れます。とても頼もしく感じられます。ぜひとも、自分の描いた将来像に向かって、努力を怠らず、一歩一歩しっかりと歩んでいってほしいと思います。
ここで、室町時代に能を大成した世阿弥の言葉を紹介します。「舞台で舞っている自分の他に、舞台で舞っている自分を観客席でみるもう一人の自分がいる。それは肉体を離れたもう一人の自分である。そういう二人の自分をもって能は完成する。」という言葉です。
これは、主観性と客観性を併せもち、自分の心をコントロールすることを言っているのです。そして、
自分の心をコントロールする、もう一人の自分を見つけることは、努力しないとできないことだと言っているのです。
皆さんが、それぞれの夢や目標に向かって歩んでいく道程は、決して平坦なものではありません。時として、幾多の障害や困難に直面し、悩み、自信を失い、易きに流されそうになることがあるかもしれません。そのようなときこそ、自分の心を自分でコントロールする、もう一人の自分を見つけてほしいと思います。そして、志を高くもち、自分を奮い立たせ、自分に恥じない、誇りある生き方を見いだしてほしいと思います。
何事も、自ら求めなければ、道は開けません。皆さんの夢も、自ら求めなければ、実現することはありません。だから、いつでも求めていなければならないのです。自ら求め続けた夢が実現し、皆さんの未来が希望に溢れ、すばらしいものになることを祈っております。
常に感謝の心を忘れず、先人の教えを大切にしながら、広い視野とより高い志をもって、日々努力できる人になってほしいと思います。
結びに、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様、そして御列席をいただきました保護者の皆様の本校への御支援、御協力に深く感謝申し上げ、式辞といたします。