立志式を迎えた二年生のみなさん、おめでとうございます。立志とは志を立てるということですが、志とは単なる「ふわふわとした夢」のようなものではありません。「社会」のためにという極めて強固な意志に支えられているものです。
十八世紀に活躍したスイス人の教育思想家ジャン=ジャック・ルソーは、著書『エミール』の中で、中学二年の時期(青春前期)を「第二の誕生」の時期であると指摘し、「一回目は存在するために、二回目は生きるために生まれる」と説いています。
つまり、中学二年のこの時期は、一人の人間として、全うに人生を生きる大人の出発点であります。また、将来を見通して現在を考えることができる大人としての第一歩の時期でもあります。
この立志式にあたり、改めて自分を見つめ直し、将来に向けての確かな目標と計画を立て、努力を積み重ねていってほしいと思います。そして、努力することで、自分の伸び代を広げ、自分の人生や新しい社会を切り拓く力を身に付けてほしいと願っています。
みなさんがそれぞれの夢や目標に向かって歩んでいく道程は、決して平坦なものではありません。時として、幾多の障害や困難に直面し、悩み、苦しみ、自信を失い、易きに流されそうになることがあるかもしれません。でも、みなさんには、それを乗り越えようとする強さや気高さがあります。このことを信じて、自分を奮い立たせ、自分に恥じない、誇りある生き方をしてほしいと思います。
最後に、私の好きな言葉(華道家・勅使河原蒼風著『花伝書』より)を贈ります。
求めていなければ授からない。
だからいつでも求めていなければ ならない。
ついに授からないかもしれないが、
求めていなければ授からないのだ。
みなさんが夢を求め続け、やがてその夢が叶うことを願っています。