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2025年3月の記事一覧

校長室のひとりごと「ローマ字」

 今日は学年末保護者会を兼ねた今年度最後の土曜授業です。多くの保護者の皆さんの参観をお待ちしています。

 先日、ローマ字の表記について見直しを検討してきた文化審議会が今期の審議を大筋でまとめたという報道がなされました。報道の意味も理解できず、そもそも「ローマ字って何?」と問われても回答できそうもありません。そこでローマ字について調べてみました。

 初めてのローマ字は16世紀後半、室町時代だと言われています。キリスト教宣教師が外国人達に日本語を教えるために、アルファベットを使い日本語の発音を記したのが始まりだそうです。我々日本人が英語を覚えようと、カタカナでフリガナを振るようなものですかね。その後、鎖国でローマ字文化は衰退しますが19世紀に入りアメリカ人宣教師ヘボン氏がこれまでのローマ字をもとに「和英語林集成」という言わばローマ字辞典のようなものを作りました。これが「ヘボン式ローマ字」で、現在でも一般的に使われているローマ字です。

 ローマ字には「ヘボン式」意外にも「日本式」や「訓令式」などいくつか種類があるようですが、実際に使う我々一般人には馴染みもありません。そこで、今回の報道は「ヘボン式」を基本に見直そうということのようです。

 あまり「馴染みがないローマ字」と思いながらも、今PCのキーボードで文字を綴っているのはローマ字入力(PC独特のローマ字)だったりします。難しいですね。

校長室のひとりごと「江戸しぐさ」

 皆さん「江戸しぐさ」ってご存じですか。人口が増え栄えてきた江戸時代の江戸の街で、商人のリーダーたちが「平和でみんなが暮らしやすいように」と作り上げてきたルールのようなマナーのことを「江戸しぐさ」と呼んでいます。「江戸しぐさ」が記された文献は残っておらず諸説ありますが、もともと江戸時代には「繁盛しぐさ」と呼ばれていたそうですが昭和になってから「江戸しぐさ」と命名されたそうです。では具体的にどんなマナーかと言えば、例えば「傘かしげ」、雨の日に傘を差した人同士がすれ違う際に、傘のしずくで相手を濡らさないように傘を互いの外側に傾けるマナーです。「こぶし浮かせ」、これは複数の人が一緒に座るとき一人でも多くの人が座れるように、一人一人が腰を浮かせてこぶし一つ分詰めるというマナーです。次は「肩引き」、江戸の街には多くの路地があり、そんな狭い路地で人とすれ違うときに互いに右肩を引きぶつからないようにすれ違うというマナーです。「江戸しぐさ」はこのほかにもたくさんありますが、そのどれも大勢が生活し、多くの人が行き交う江戸の街で、人々が互いに気遣い、思いやり、生活しやすくするための「江戸しぐさ」、「ちょいとごめんなすって!」なんて威勢良い江戸の暮らしぶりが浮かんできますね。

 江戸の街を生活しやすくするためのマナー「江戸しぐさ」、仮に「江戸の街」を「学校」に置き換えたなら、互いを気遣い思いやりあふれる「粋」な学校になるかもしれませんね。

 

校長室のひとりごと「なりたい職業」

「中高生のなりたい職業」なるランキングが様々な調査機関から発表されています。人を育てる教員という仕事柄、数ある調査の中でも気になるランキングです。先日発表されたランキングを紹介します。

    【男子】  【女子】

 1位 会社員    会社員

 2位 公務員    マンガ家

 3位 YouTuber          公務員

 4位 ゲーム    パティシエ

    クリエイター

 5位 ITエンジニア 薬剤師

 6位 野球選手   看護師

 7位 建築家    料理人

    教員     保育士

 昔は男子も女子も教員が上位の常連でしたが、なんとも残念です。確かに近年、全国的に教員採用試験の倍率が低下を続けています。メディアによる「ブラック教員」などの報道が影響しているのでしょうか。こんなにやりがいのある職業はないと思いながら38年が過ぎようとしています。

  

校長室のひとりごと「後世にまで」

 昨日、第78回卒業式が行われ、無事に91名の3年生が卒業していきました。本校では校舎配置の都合上、1、2年生は校舎の3階、3年生は校舎の2階に教室が配置されています。いつも元気で、笑い声に溢れていた3年生だっただけに、2階は閑散とし、空になった教室を見ると、3年生の卒業を実感し寂しい気持ちになります。

 また今年も、もうすぐ校庭の満開の季節がやってきます。そして4月、新年度になれば新入生が入学し、また新しい生活、79年目の川間中の始まりです。今日からしばらくは1年生70人、2年生84人と154人での生活が続きますが、1、2年生力を合わせて頑張っていこうと思います。

  昨日の「校長式辞」内でも少し触れましたが、14年前の昨日3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生しました。震源に近い宮城県などでは震度7を、東京や野田でも震度5強という広い範囲が被害を受け、多くの命が奪われてしまいました。当時、野田市では昨日同様に午前中卒業式を行いました。発生当時には生徒達は皆下校していましたが、市内の小学校では保護者への引き渡し下校を行ったことを思い出します。今の中学1年生は東日本大震災後に生まれた世代、被災者や語り部だけではなく、当時を知っている者として、後世にも語り継がなくてはならない出来事だと考えています。

校長室のひとりごと「旅立ちの日」

 今日は本校にとって大切な日、そして特別なお祝いの日「卒業式」です。生徒達は小学校でも卒業式は経験していますが、校区があるので6年生は卒業しても同じメンバーがそのまま中学校に入学してきます。しかし中学校の卒業は、みな受験を通して別々の学校に進学するため、中にはもう会うことがない級友も出てきたりと、小学校とは少し違った雰囲気が中学校の卒業式にはあります。

 中学校の卒業式には「4つのお祝い」があります。一つ目のお祝いは「中学校の課程を修了した」というお祝いです。二つ目は「義務教育を終え自分で選んだステージに進む」という門出のお祝いです。三つ目は「9カ年間に渡る教育を受けさせる義務を果たした」という保護者へのお祝いです。そして四つ目は15歳と言えば昔の元服大人の仲間入りですから「15年間の子育てご苦労様でした」という保護者や家族に対するお祝いです。この4つのお祝いを広く披露するのが中学校の卒業式です。三つ目、四つ目は保護者、家族へのお祝いですが、卒業証書には一つもそのことは書かれていません。卒業生本人が家族の代表として、壇上で卒業証書を受け取ることの意味をしっかりと噛みしめ、立派に堂々と卒業生には式に参加してほしいと願っています。

 昭和22年の創立以来、1万人を超える先輩達から脈々と受け継いだ歴史と伝統を、今度は1.2年生達に託す時が来たわけです。卒業しても、いつまでも後輩達の憧れの先輩でいてほしいと思います。