2020年11月の記事一覧
いきいき子育て①
~我が子の幼い頃の弾む笑顔は、親の一生の宝物~
埼玉県では、教育に対する関心と理解を一層深める機会として、毎年11月1日を「彩の国教育の日」、11月1日から7日までを「彩の国教育週間」と定めています。そこで、この飯中ブログの場を通して、保護者の皆様と教育や子育てについて一緒に考えていきたいと思い、筆を執りました。ご意見、ご感想は、iichuu.kyomubu@gmail.comまで。
さて、子供は、生まれてから3歳までの間に一生の親孝行をする、という名言があります。赤ん坊の笑顔は可愛い。保護者の皆様も、当時その笑顔を見るだけで、仕事の疲れやストレスもすべて忘れてしまったという方は、少なくないでしょう。多くの親は帰宅して、赤ん坊の笑顔を見れば、その無防備で純白の心からの笑顔を見れば、ほっと心が和むものです。そのときの赤ん坊は親に生きるエネルギーを与えているわけで、その意味で、子は無意識のうちに親孝行をしているのですね。あるいは2,3歳の頃、幼子は親の帰宅を待っていたかのように玄関に飛んできます。そして親の胸に飛びつき、身体を押しつけてくる。外でどんなに辛いことがあっても、ぐりぐり身体を押しつけてくる、やわらかい幼子を胸に抱くだけで、「がんばらなくちゃ」と思うのは、経験者なら誰にも身に覚えがあることです。ここでも幼子は親孝行をしていることになりますね。
つまり、幼い子はそこにいるだけで、笑顔を見せるだけで、親孝行をしているということです。ですから中学生になって生意気になったり、高校生になって親とろくに口もきかなくなっても嘆いてはいけないのです。我々は先に余りある幸福をもらっているのですから。実際には2,3歳というよりも、小学校の低学年くらいまでですかね?自分の家の他にも世界があることを知り、それまでは親や祖父母だけが幼子にとってのすべてだったものが、親の手を握りしめなくても、友人あるいは一人で、外の世界に探検に乗り出していく。特に中学にでも入ろうものなら、こちらはまだ時には子どもの手を握ったり、抱きしめたくなるのでしょうが、子の方が嫌がって、悲しいことに親を“うざったい存在”と見るようにもなります。それが子を持つ親が等しく待ちかまえている宿命なのです。しかし、だからといって勉強も、部活動も、友人関係も、進路も、スマートフォンの使い方もすべて自分の意志で勝手に決めなさいというのは、親としての思慮が浅く、無責任だと思います。付かず離れず、どのように子育てを考え、実際に接していけばよいのかこれから一緒に考えていきましょう。(11月2日 校長)