ブログ

2023年8月の記事一覧

はじめてのおしごと~学芸員編~を開催しました

 夏休みも終盤を迎えた8月20日(日)には南一丁目にありますララガーデン春日部で、昨年に引き続き「はじめてのおしごと」で小学生の皆さんに『学芸員はどこで、どのような仕事をしているのか?』を紹介しました。この夏休み期間中には全13種の職業体験の講座が用意いただき、そのひとこまで日頃の学芸員の役割を案内しました。

事業案内

学芸員紹介

 当日は変わらずの酷暑の中、小学生1年生から5年生、23人が参加いただき、導入では学芸員はどこで何をしているのか、そして、歴史だけでなく、その領域は動植物や科学、運輸鉄道、宇宙と幅広く、資料の収集・保存・公開・普及啓発に取組んでいることを講義、その後は土器作りにチャレンジ。冒頭では4,800年前の実物の土器にも触れてもらい、はじめての経験で歓声があがりました。

学芸員のおしごと紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 土器作りでは高さ8~10㎝ほどの思い思いの形を制作。縄目や貝殻などで模様も入れて完成。自宅に持ち帰って乾燥と家庭用オーブンによる焼成を行っていただきます。

 帰り際には、「縄文土器づくりが難しかったけど楽しかった!」、「縄文人ってすごい知恵をもっているんだね!」、「資料館で本物の土器を観察してみるよ!」と、うれしい感想をいただきました。

 

 郷土春日部の昔むかしに少しでも興味をもっていただければと、引き続き、様々な事業に取組んでまいります。

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

令和5年8月20日(日)の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館体験ワークショップ「ストロー弓矢を作ろう」を開催しました。

体験ワークショップは、①蓄音機の上演、②春日部に伝わる伝説の紙芝居の上演、③おもちゃ作りの3本立てです!

作るおもちゃの種類によって、所要時間は40分から1時間程度となっています。

 

蓄音機の上演(午前)

蓄音機の上演(午後)

今日のワークショップは夏休みということもあってか、通常よりもたくさんの子どもたちが集まってくれました!

ワークショップで使用している蓄音機は100年ほど前に使われていたもので、今や貴重な一品。みなさん耳を傾けて、懐かしく珍しい音色を楽しんでいました!

 

紙芝居朗読

本日の紙芝居は西金野井に伝わる伝説「江戸川を流れてきた獅子」です。みんな静かにしっかりと聞いてくれましたね♪

 

おもちゃ制作風景(午前)

おもちゃ制作風景(午後)

おもちゃは「ストロー弓矢」を作りました。ストロー弓矢は今年の新作おもちゃです!

ご家庭にある材料で簡単に作れます!今回は頑丈に作るために、弓の部分に分厚いラップの芯を使いましたが、ご家庭ではキッチンペーパーやトイレットペーパーの芯で代用可能です。

郷土資料館の企画展示室で土器をたくさん並べているので、ちょっと縄文時代や弥生時代を意識して“狩り体験”♪

おもちゃ遊び風景

よーく狙って・・・ドヒュンッ!

かなり勢いよく飛びます!

 

缶バッジづくり

最後におまけの缶バッジづくり体験!

これが結構人気です♪毎回異なる絵柄をしているのでリピーターの子も喜んでくれます。

 

本日も暑い中お越しくださりありがとうございました!

次回の体験ワークショップは10月に開催予定です。詳しくは広報誌等でご覧ください。

お待ちしています!

 

体験講座みて!さわって!dokidoki音楽づくりを開催しました

8月12日(土)、春日部市郷土資料館恒例の体験講座「みて!さわって!dokidoki音楽づくり」を開催しました。

 

この講座は、国立歴史民俗博物館の中村耕作先生と國學院大學栃木短期大学の早川冨美子先生のご協力により、毎年夏休みに、郷土資料館で開催しており、今年で3回目になります。

縄文土器を観察し、文様のパターンやイメージなどをみたりさわったりしながら、縄文時代にも存在した自然素材を使って音で表し、グループで音楽を作る講座です。

中村先生と土器

縄文土器と中村先生

 

当日は、縄文時代の衣装を着て講座にのぞみました。

縄文時代の衣装

縄文時代の衣装

 

はじめに、時代の長さを紙の長さで表した年表で、縄文時代がいかに長い時代かをみんなで確認しました。

年表を見ている様子

時代の長さを表した年表

 

その後、資料館の展示室で、竪穴住居模型や春日部の貝塚、縄文土器の展示を見学し、縄文時代について学びました。

展示室見学

展示室見学

 

講座会場に戻り、音楽づくりに使う自然素材を選びました。

縄文時代にもあった自然素材1

縄文時代にあった自然素材2 

用意された自然素材

 

早川先生に音の出し方や音楽の作り方をおしえてもらいました。

早川先生に音楽を教えてもらっている様子

音楽の作り方を教えてもらっている様子

 

また実際の縄文土器をみて、文様の付け方を観察し、縄文を実際に粘土につけてみました。

もようの付け方をまねしている様子

縄文を粘土につけいている様子

 

最後にグループで2回音楽を作り、発表しました。

みんなの前で発表

音楽を発表している様子

 

縄文土器をみながら、縄文時代にもあった自然素材を使って音を出してみるという、一風変わった講座でしたが、いかがだったでしょうか?

参加していただいたみなさん、ありがとうございました。

昨年度のものですが、講座の様子は下の動画でもみられますのでご覧ください。

 

「オンライン土器作り教室」ただいま土器乾燥中です 

今年度も多くの皆様にご参加をいただいている「オンライン土器作り教室」の途中経過をお知らせします。

今年も参加者皆様の思い思いの個性あふれた作品が集まりました。

まず、お預かりした土器は屋内でゆっくりと乾燥させます。その後、屋外にて陰干し、天日干しになりますが、台風や急な雷雨など天候不順が続き、本日よりやっと陰干しをスタートしています。

 土器を乾燥させている様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

土器が乾燥すると一回り小さくなり、粘土も濃い茶色から白っぽい黄土色に変化していきます。

焼き上がりは現在の様子とは違った風合いになります。

どんな土器に焼き上がるのでしょうか、楽しみにお待ちください。

 

 

【令和5年夏季展示_あなのあいた壺】杉戸町豊明神社古墳の底部穿孔壺

今回の「あなのあいた壺」では、周辺の底部穿孔壺形土器として、杉戸町豊明神社古墳で発見された底部穿孔壺形土器をお借りしています。

杉戸町大塚の豊明神社では、平成6年(1994)、擁壁(ようへき)工事などの際に古墳時代前期の底部穿孔土器が採集されたことにより、神社の敷地が古墳時代前期の方形周溝墓のような墳丘墓、あるいは古墳であると指摘され、「豊明神社古墳」と呼ばれるようになりました。

豊明神社古墳の底部穿孔壺(杉戸町教育委員会提供)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器(杉戸町教育委員会所蔵・提供)

豊明神社古墳底部穿孔壺の穴(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器の穴(杉戸町教育委員会所蔵・提供)

はじめに採集された穿孔土器は、高さ28cm、底径6.6cmの首から上を失った壺で、底面に焼成前穿孔されています。

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片1(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片1(杉戸町教育委員会所蔵)

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片2(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片2(杉戸町教育委員会所蔵)

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片3(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片3(杉戸町教育委員会所蔵)

杉戸町豊明神社古墳底部穿孔壺破片4(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳出土底部穿孔土器片4(杉戸町教育委員会所蔵)

豊明神社古墳では、ほかに4点の焼成前底部穿孔がみられる底部の土器片が採集されています。権現山遺跡と同じように複数の底部穿孔土器が存在していることがわかります。

 

杉戸町豊明神社古墳遠景(杉戸町教育委員会提供)

 杉戸町豊明神社古墳(杉戸町教育委員会提供)

 豊明神社古墳は、権現山遺跡からは直線距離で北西に約6km、中川低地の自然堤防上に立地します。この自然堤防は北東から南西にのびており、古墳時代当時、現在の渡良瀬川にあたる河川が、古利根川の方向へ流れていたことにより形成された自然堤防と推定できます。

この自然堤防の上流方面には、弥生時代の須釜(すがま)遺跡(春日部市倉常)、下流方面には古墳時代前期の東上(ひがしかみ)遺跡(杉戸町本郷)があり、遅くとも古墳時代前期には自然堤防上で人々が生活していたことがわかります。

 

 

●春日部市郷土資料館 第68回企画展示

権現山遺跡発掘調査60周年記念「あなのあいた壺」権現山遺跡の底部穿孔壺と墓でつかわれた土器

会期:令和5年7月22日(土)~9月3日(日)

開館時間:午前9時から午後4時45分

休館日:毎週月曜日・祝日・8月5日(土)午後・8月6日(日)

会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)

 

(関連イベント)

<募集中>記念講演会「権現山遺跡の底部穿孔土器と葬送祭祀」

権現山遺跡出土底部穿孔土器について、古墳時代に見られる葬送祭祀がご専門の古屋氏をお招きし、ご講演いただきます。

講師:古屋紀之氏(横浜市ふるさと歴史財団埋蔵文化財センター所長)

日時:9月2日(土)14:00~16:00

場所:教育センター視聴覚ホール

対象:定員100人(申込順)

費用:無料

申し込み:受付中です!電話(048-763-2455)、直接、電子申請のいずれか

 

<参加自由>ミュージアムトーク

企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。

日時:8月19日(土)、9月3日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)

場所:郷土資料館企画展示室

費用:無料

申し込み:不要です!時間までに、企画展示室へお越しください。