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2017年3月の記事一覧

収蔵資料の紹介を追加しました

郷土資料館のホームページでは、簡単な解説文を付して収蔵資料の一部を紹介しています。
本日、須釜遺跡1号再葬墓出土土器昭和5~13年頃の総武鉄道株式会社電車時刻表昭和11年東武線電車時刻表の3点を追加しました。
須釜遺跡の再葬墓出土土器は、当館常設展示室に展示中。ほか2点の時刻表については、現在、宮代町郷土資料館で開催中の巡回展「埼玉県東部地区の交通」展に貸出し、展示されています。同展は5月7日(日)まで開催しています。
ホームページはもとより、ぜひご来館いただき、実物もご覧いただければ幸いです。

渋谷区立松濤美術館「今様」展のお知らせ

小淵山観音院所蔵の円空仏のうち、夜叉明神像(やしゃみょうじんぞう)、護法大善神像(ごほうだいぜんしんぞう)が4月5日から開催される渋谷区立松濤(しょうとう)美術館の「今様(いまよう)」展に出展されます。

今回の展示会では、日本の歴史的な美術・工芸の伝統が、現代のアーティストの表現方法にどのような影響を与えたかが焦点となります。
現代作家の棚田康司(たなだこうじ)氏は、一木造(いちぼくづくり)の技法で少年や少女の肖像を製作する彫刻家です。円空の木の使い方に刺激を受けた製作をされています。今回の展示会では、特に円空を強く意識した棚田氏の作品と円空仏が共に展示される予定です。

渋谷区立松濤美術館は、建築家の白井晟一(しらい せいいち)氏が設計し、美術館の建物自体が美術品ともいわれています。この機会にぜひお出かけください。

渋谷区立松濤美術館「今様」展
会場 渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-14 TEL:03-3465-9421)
会期 平成29年4月5日(水)〜5月21日(日) 
 *休館日 4月10日(月)、17日(月)、24日(月)、5月8日(月)、15日(月) 
入館料 一般500円、大学生400円、 高校生・60歳以上250円、小中学生100円
今様展(渋谷区立松濤美術館サイト)
 
*4月24日(月)~5月8日(月)は円空仏祭(準備)のため展示されません。円空仏祭期間中(5月3日~7日)は小淵山観音院で公開されます。ご注意ください。



夜叉明神像(像高28.8㎝)


護法大善神像(像高29.1㎝)

県指定文化財が公開されました

埼玉県指定有形文化財の「板石塔婆」が、西親野井の大王寺別院で公開されました。
この板石塔婆は、南北朝時代に製作されたものと推定されており、表面には大日如来や倶利伽羅不動が刻まれた優品です。
板石塔婆の公開は、毎年1回、3月28日に限られますので、機会がありましたら、ぜひ現地でご覧になってみてはいかがでしょうか。

公開の様子

公開された板石塔婆

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春季展示のポスターが出来ました

平成29年4月8日(土)~7月9日(日)まで開催する、春季展示のポスターが出来上がりました。

今回の展示は、主に平成28年度に寄贈された資料を展示する収蔵品展「かすかべの宝もの」展(14回目)です。
平成28年度は、市指定文化財「北条氏政の感状」をはじめ、市域の旧家から江戸時代の古文書(こもんじょ)などを含む資料群が多数寄贈されました。
まだまだ、江戸時代の古い文献が市内にあるかもしれません。そんな願いをこめて、「あなたの家にも眠っていませんか?-意外に身近な郷土資料」というタイトルをつけました。思い当たるモノがお宅にありましたら、ぜひご一報ください。
ただいま、絶賛展示準備中です。お楽しみに。

粕壁局消印のある郵便物『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその5

市内の旧家に残された粕壁郵便局の明治28年3月の消印がある郵便はがきです。
左上には「常陸 平潟 三月十七日」の引受印、右下が「武蔵 粕壁 三月十九日」の到着印となっています。「常陸 平潟」は、現在の茨城県北茨城市で、平潟(ひらかた)郵便局は現在も健在です。
このころはまだ鉄道や自動車が無かったので、郵便物は徒歩や馬車を使って配達されました。それでも茨城県から埼玉県は中1日で郵便物が届きました。
鉄道が開通すると、郵便は馬車から鉄道での輸送にうつりかわり、東武鉄道でも明治32(1899)年の北千住-久喜間開通とともに、車内で仕分けなども行う鉄道郵便車が登場しました。

「郵便制度の始まり」『新編 図録 春日部の歴史』166ページ


粕壁局消印のある郵便物

郷土資料館「体験ワークショップ」が開催されました

平成29年3月19日(日)、郷土資料館で「体験ワークショップ」が開催されました。ワークショップは、小学生までを対象とした、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。
参加した子どもたちは、紙芝居を見たり、蓄音機でレコードを聴いたり、昔のおもちゃ「からくり屏風」を作り、自分達で作ったおもちゃで遊び、大変喜んでいました。
体験ワークショップは、平成29年度にも開催する予定です。申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。どうぞ、お気軽にご参加ください。
ワークショップの様子
ワークショップの様子

一ノ割香取神社鰐口『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその4

『新編武蔵風土記稿』に、一ノ割香取神社に伝えられた「鰐口(わにぐち)」の図が掲載されています。
「鰐口」とは、神社仏閣の正面の軒先に掛けられているもので、お参りの際に「鰐口」の前にぶら下がる太い網を用いて打ち鳴らします。
この「鰐口」は現存しませんが、以下のような銘文が記されています。

「享徳三年本願末太郎 新方壮(荘)一被目香取大明神鰐口」

享徳(きょうとく)3年(1454)に奉納された「鰐口」で、室町時代から「新方荘(にいかたしょう)」という地名が使われていたことや、「一被目」は「一ノ割」を表し、一ノ割香取神社がこの当時には存在していたことがわかります。

「神社と信仰」 『新編 図録 春日部の歴史』 70ページ

一ノ割香取神社鰐口

小淵山観音院所有の円空仏が撮影されました

3月7日、埼玉県立歴史と民俗の博物館において、埼玉県の指定文化財になっている小淵山観音院所有の円空仏7体を対象に、テレビ用の撮影が行われました。

それぞれの円空仏について時間をかけじっくりと撮影され、また様々な角度から照明をあてることにより、いつもとは違う円空仏の表情がおさめられました。

円空仏が動画で撮影されることは非常にまれですので、貴重な映像が残されたといえます。
放映については下記のとおりです。ぜひご覧ください。

番組名 『にっぽん!歴史鑑定』円空〜微笑する円空の謎

放送局 BS-TBS

放送日時 2017 年3 月27 日(月)22 時00 分~22 時54 分放送

司会 田辺誠一

番組概要 全国を行脚して仏像を作り続けた円空の生涯と仏像に秘められた思いをご紹介します。
撮影風景

なお小淵山観音院の円空仏は、今年も5月の円空仏祭で里帰りし公開されます。円空仏祭は、5月3日(水・祝)~7日(日)10時~17時に行われます。

上沖小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成29年3月7日に上沖小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
少し前の"おもちゃ"や学用品・家庭で使われていた道具・農具を見ながら、生活の変化を理解していました。
郷土資料館では、3月19日(日)まで「くらしのうつりかわり―懐かしの暮らしと道具展」を開催しており、昔の懐かしい道具や写真を展示しています。ぜひ遊びに来てください。
上沖小見学の様子
上沖小見学の様子

鉛筆 歴史文化講演会を開催しました。

平成29年3月5日(日)、視聴覚ホールにおいて、歴史文化講演会を開催しました。
今回は、長く埼玉県の民俗学担当の学芸員を務めてこられた、飯塚好(いいづかみよし)先生をお招きして、「埼葛地方の祭りと行事」と題してご講演いただきました。
会場の様子
ご講演では、市内の行なわれる、オビシャ(ユミイリ)、百万遍(ナイダー)、天王様、大杉様、虫追い、宮薙(ミヤナギ)、獅子頭に関わる祭礼(獅子舞など)など、伝統的な年中行事について紹介され、それぞれの行事の意味づけや地域的な特徴についてお話しいただきました。

個人的に印象に残ったのは、三頭立ての獅子舞における獅子の呼称に注目されたことです。牡獅子のうち一頭を「太夫(たゆう)」と呼んでいるものは、祈祷の性格が強い獅子舞とのことで、市内で行なわれる三頭立て獅子舞には、それぞれ「太夫獅子」が登場するので、西金野井、銚子口、赤沼、東中野地区の獅子舞は祈祷の性格が強いのではないか、と推察されておられました。長年、三頭立ての獅子舞の調査研究を積み重ねてこられた飯塚先生ならではのご指摘だったと思います。
飯塚好先生

ご講演のあとには、受講者の方より、農業の経験がないので新鮮だったとの感想や、春日部市内の小学校で行なわれている地域の伝統芸能を継承する取り組みは他の地域では行なわれているのか、など活発な質疑応答となりました。