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カテゴリ:郷土資料館

宮川小学校の皆さんが郷土資料館を見学しました

平成31年1月18日(金)、宮川小学校第3学年の皆さんが春日部市郷土資料館を見学しました。
宮川小学校学区内の花積貝塚の竪穴住居や、日光道中の宿場町の模型を見学した後、現在、社会科で学習している昔のくらしについて、資料を見学しました。その後の自由時間では、体験コーナーが人気。
とんとん相撲やブンブンゴマなど、昔のおもちゃを体験し、おじいさん・おばあさんの時代の暮らしを学習しました。

写真:体験コーナー

おばあさんにお手玉を教えてもらったという男の子もおり、わらべ歌をうたいながらお手玉を披露してくれました。また、けん玉が上手な男の子もいました。
昔のくらしの学習は、おうちの方にお話しを聞くと理解が深まるかもしれませんね。

写真:けん玉の体験
宮川小学校の皆さん、またぜひおうちの方と遊びに来てくださいね。

中野小学校の皆さんが郷土資料館を見学しました

平成31年1月17日(木)中野小学校3年生の皆さんが、春日部市郷土資料館を見学しました。

縄文時代の竪穴住居の模型の見学。
中野小学校の周りにも縄文時代の家があったことを話すと、とても驚いていました。
写真:竪穴住居の見学

千歯こきの体験では「モミがとれて、すっきりした」と感想を話してくれました。体験が終わった後、千歯こきは何する道具ですか?と聞くと「米を散らかす道具!」と元気に答えてくれる子もいました。本当は板や筵(むしろ)などを引いて集めやすくするのです。
写真:千歯こきの体験
このほか、体験できる昔のおもちゃや道具等に興味津々。スケッチやメモなどを一生懸命とっていました。展示資料のなかでは、今の遊びと直結するファミコンとゲームボーイが人気のようでした。

1月から2月にかけて、郷土資料館の社会科見学も本格的になり、資料館がにぎやかになります。

出張展示 庄和図書館 三上於菟吉と春日部展

郷土資料館の出張展示としまして、1月16日(水)から2月20日(水)まで、庄和図書館(春日部市金崎839-1 午前9時~午後7時開館)で「三上於菟吉と春日部」展を開催しております。



庄和図書館と三上於菟吉顕彰会による連続講座「三上於菟吉と春日部」が開催されましたことから、関連として展示するものです。連続講座は、第2回まで終了、第3回は2月3日(日)に、三上於菟吉顕彰会代表新井義昭先生による「『百万両秘聞』の生まれた背景」が行われます。お問合せは、庄和図書館(048-718-0200)まで。



展示内容は、於菟吉の粕壁中学校(現春日部高等学校)時代の作品や、昭和10年刊の唯一の随筆集『随筆 わが漂泊』にみえる故郷と中学校の思い出話の紹介と、『モントクリスト伯爵』のほか、意外と知られていない於菟吉の翻訳小説を中心としております。寄贈者のご厚意で、直接ご覧いただける著書もございますので、皆さまぜひご覧ください。

郷土資料館利用のご案内

●開館時間:午前9時から午後4時45分
●休館日:毎週月曜日、祝祭日(月曜日が祝祭日と重なる場合は、火曜日も休館となります) そのほか、選挙投票日、施設点検日など臨時休館日あり
●入館料:無料

●アクセス
住所:春日部市粕壁東3-2-15(春日部市教育センター内)
電話番号:(048)763-2455

春日部駅東口(東武スカイツリーライン・東武アーバンパークライン)から徒歩10分
東北自動車道岩槻ICから国道16号線春日部・野田方面、「小渕」交差点を国道4号線東京方面へ、国道4号線「女子高入口」交差点を春日部駅方面へ、「粕壁小」交差点南東角。
駐車場は教育センターと共用。

グーグルマップ 春日部市郷土資料館

資料館地図
郷土資料館案内図

最近の郷土資料館

年の瀬も迫ってまいりました。今回は、高齢者施設の団体見学、大学生の資料利用、常設展示の一部更新など、春日部市郷土資料館での最近の出来事を紹介します。

【その1】12月8日・15日・19日、市内の高齢者施設の皆さんが団体でお見えになりました。
写真:昔の道具の見学
展示室では、回想法ボランティア「ふれあい幸齢倶楽部」さんのご協力をえて、回想法に基づいた映像の上映をしていただきました。回想法と言うと、敷居が高く聞こえますが、簡単にいえば、高齢者の方に懐かしい物事を思い出して、話し合っていただき、活き活きとしてもらおう、という取り組みのことです。回想法の映像では、昭和30年代の県内の風景や国内で起きた主な出来事が紹介されました。
写真:回想法映像の上映
また、「くらしのうつりかわり」展で紹介している昔の道具を手に取って御覧いただきました。ご来館いただいたみなさんは、映像や懐かしい道具を御覧になり、楽しんでいただけたようです。「とても楽しかった」「この道具使っていたよ、懐かしい」などとご感想をいただきました。またのご利用をお待ちしています。

【その2】大学生の卒業研究の資料調査がありました。
日本工業大学の学生さんが、館蔵の木製の椅子・机の調査のため来館されました。
写真:資料を撮影する学生
この学生さん、小中学校で戦前に使用された木製の椅子・机をテーマに卒業研究をまとめている方で、JIS(日本工業規格)が確立される以前の椅子や机に規格があったのかを原物の資料を測量しながら調べているんだそうです。
当館には、粕壁小学校の木製椅子・机、葛飾中学校の木製椅子が収蔵されていますので、調査していただきました。わずかな点数ですが、半日がかりで写真に撮り、丁寧に実測されていました。「児童の体型や安全性などに配慮して設計・製作されていたのではないか」と考察されていました。近隣の博物館の資料とも比較するそうなので、研究の成果、楽しみにしています。ちなみ、粕壁小の木製椅子・机は展示中ですので、いつでもご覧いただけます。


【その3】またまた、常設展示を一部更新しました。
写真:常設展の一部更新
今回は、近現代の市域の歴史について展示を一新しました。新たに設置したのは、「関東大震災と春日部」「近代の交通・流通」「ベッドタウンとしての春日部」の3テーマです。「近代の交通・流通」は、江戸川の舟運や鉄道関係の資料も展示しています。
先日、近隣にお住まいの方が、「久しぶりに立ち寄ってみましたが、少しずつ変わっているんですね!」と感想をもらしてくださいました。
日々かわっていく郷土資料館の展示室をぜひともご覧ください。

平成最後のしめ縄づくり

春日部市郷土資料館のイベントも年内最後になりました。先週に引き続いて、12月15日(土)に体験講座しめ縄づくりを開催しました。
写真:しめ縄をつくった皆さん

紙垂(しで)をつくった後に縄ないをして、しめ縄をつくりました。
今回も例年参加している方が多く、初めての方も、筋がよく、あっという間に完成しました。

写真:しめ縄をよる作業

参加した小学2年生と年中さんの姉妹。お姉さんは一人で、妹さんはお母さんに手伝ってもらいながら立派なしめ縄を作り上げました。お正月にお父さん・お母さんの実家に里帰りして、両方のおじいさん・おばあさんにそれぞれプレゼントする、と話してくれました。お孫さんが作った立派なしめ縄をもらって、おじいさん、おばあさんは驚くのではないでしょうか。
写真:しめ縄をつくった姉妹

よく考えたら、「平成最後」のしめ縄づくりですね。受講者の皆さん、「平成最後」のしめ縄で、「平成最後」の新年をお迎えください。

古文書勉強会の成果(その9)

平成30年12月1日(土)古文書勉強会を開催しました。市民の方々が主体的に市内神間地区ゆかりの江戸時代の古文書=神間村文書(春日部市郷土資料館所蔵)を解読しています。
写真:勉強会の様子
今回は、延宝3年(1675)3月「神間村屋敷御検地御水帳写」(史料番号332)と文久2年(1862)3月「入置申一札之事」(史料番号42)を講読しました。

延宝3年「検地帳写」は、代官南條金左衛門による総検地の時に作成されたものであり、神間村にとっては、開発直後の慶安3年(1650)の検地に引き続いて2度目の検地になります。今回は、当村の屋敷地の持ち主や広さなどが記載されている屋敷分を読みました。以前、講読した慶安3年の屋敷地と比較すると、全体的に屋敷地の面積が拡大していること、高入れしていない藪地が屋敷地に付属していること、藪地は屋敷の面積を合わせると全体の4分の1程度であることが明らかになりました。おそらく藪地は屋敷林(防風林)のことと考えられます。事実上、村が成立した慶安3年から25年の間に、耕地の開発がすすみ、そこに暮らす人々が屋敷に屋敷林などを備えて、村に定着していったことがうかがえます。
また、参加者からは、他の村には「藪」があったのか、と疑問が投げかけられました。当日もお見せしましたが、神間村と同じ下総国葛飾郡庄内領の水角村の延宝3年検地帳(当館蔵)にも屋敷地に藪が付属しています。防風林をそなえた屋敷が点在する中川低地の農村の風景は、このころに形成されていったと考えられます。

ところで、みなさん、古文書を読むのに慣れてきましたが、その一方で「検地帳や人別帳は読みやすいが単調」という意見も出始めました。そこで、今回は続けて、一紙文書の文久2年(1862)3月「入置申一札之事」を読んでみました。この文書は、土地を質入れして金5両を借用したことを証明する質地証文について、その作成を十二月まで引き延ばすことを取り決めた文書です。以下、釈文です。

【史料番号42】
     入置申一札之事

一、其御組合御水帳面傳左衛門名前屋敷畑

壱反歩、私義年来所持致居候処、追々

身上向不如意ニ罷成、勝手合を以親類相談仕、

此度貴殿江立而御無心申入、質地代金五両也、

不残御聞済被下、書面之金子證人立会、

慥ニ請取申処実証ニ御座候、然ル処我等勝手

合を以質地證文取極メ候儀は、当戌十二月

迄引延、就而は貴殿方ニ而御聞済被下質地證文

対談之通り期月ニ至り候ハヽ、貴殿方ニ而被仰

付次第無違変御組合一同我等ニ而相頼、質

地證文取極メ可仕候、若其節右地面二付

横合より少も変乱申もの御坐候ハヽ、加印

之もの引請急度埒明、貴殿江少も御苦

難相掛ケ不申、質地證文書替可申候、為後日

一札入置申処如件  

   庄内領神間村

               出石地主

   文久二年         文右衛門㊞

     三月       親類

                亀蔵㊞

            源兵衛殿       

前書取極メ対談仕候上ハ、当年より

公議様御年貢諸夫銭共貴殿方ニ而

御勤可被成候、依之奥書相添一札入

置申処如件        

             出石地主 

               文右衛門㊞

             親類

               亀蔵㊞

            源兵衛殿

次回の勉強会は、年をまたいで1月12日(土)14時~を予定しています。
原本をみながら、古文書を講読できるのは、春日部でたぶんココだけです。ご興味のある方のご参加をお待ちしています。

年末恒例の体験講座

平成30年12月9日(日)春日部市郷土資料館でしめ縄づくりの講座を開催しました。リピーターも多い毎年恒例の人気講座です。
写真:しめ縄完成
この講座は、郷土に古くから伝わる風習についての理解のため、稲わらを細工して、正月飾りになるオリジナルのしめ縄をつくっていただくものです。受講者のみなさん、わらの扱いに苦労されながらも、立派なしめ縄を拵えていただけたようです。

講座では、はじめに、しめ縄に垂らす「紙垂」(しで)をつくり、その後、しめ縄をしばる縄をつくるため縄ないをしました。
写真:縄ない

そして、しめ縄づくり。郷土資料館でつくるのは「ゴボウジメ」と呼ばれる、わらを3つ編み状にしたしめ縄です。単純に3つ編みにするのではなく、3つ編みにするのと反対方向にわらをよりながら編み込んでいきます。
リピーターで毎年参加されている熟練の方は、一人で作ってしまいますが、皆さんには二人一組で協力してつくっていただきました。下の写真は、ご家族総出での製作の模様です。
写真:しめ縄をつくる
家族で作ったオリジナルのしめ縄で、よいお年をお迎えいただけますよう、お祈り申し上げます。
郷土資料館のしめ縄づくり体験講座は、今週末12月15日(土)にも開催いたします。定員はわずかです。ご興味のある方はお早めにお申し込みください。

古文書勉強会の成果(その8)

更新がだいぶご無沙汰になってしまいましたが、春日部市郷土資料館の市民による古文書勉強会の成果を紹介します。9月、10月、11月と数回にわたり、神間村文書のうち検地帳・宗門人別帳を講読しました。
写真:講読の風景
まず、慶安3年(1650)「神間村新田屋敷御検地御水帳写」(史料番号334)は、神間が開発され、はじめて検地の時に作成されたもので、元文4年(1739)に書写されて、今日に伝わったものです。今回は五冊のうち、住民の屋敷を書き上げた一冊を読みました。参加された方が内容を表にまとめてくださいました。
画像:検地帳の集計表
住民に屋敷の大小があること、「〇〇分」の記載から、いわゆる分付主という存在がいたこと、検地の案内人には除地が与えられていることなどを読み解きました。また、史料の写し間違えがあり、屋敷地の合計が計算上合っていないことも明らかになりました。

次に、享保21年(1736)「下総国庄内領神間村宗旨人別帳」(史料番号339)を講読しました。
写真:享保21年人別帳
こちらも内容を表にまとめていただきました。
表:享保21年人別帳の分析
家族構成や年齢、旦那寺、本百姓でない「地守」「水呑」という肩書の農民の存在など、当時の神間村の住民構造を読み解きました。神間村には寺院がなかったため、各家は他村の寺院を旦那寺としており、とくに西宝珠花村の宝蔵寺を旦那寺とする家が多いことから、近世前期の新田開発にあたって、台地上の宝珠花から入植があったことがうかがえます。また、この宗門人別帳には「本家立三間、横弐間半」というような記述がみえます。「本家」の厳密な意味はわかりませんが、おそらく各家の母屋の面積を示したものと推察されます。
ある参加者の方は、この面積の数値と家族人数を合わせて、分析してくださいました。
画像:参加者の分析図
検地帳、宗門人別帳を講読して、当時の神間村の人々のくらしがイメージできましたでしょうか。
また、前回の11月17日(土)には、講読後に新規受け入れ資料の加藤楸邨・水原秋櫻子の短冊を熟覧していただきました。楸邨・秋櫻子は春日部ゆかりの俳人ですが、近世の古文書とはまた違った草書を読んで、昭和の俳句の世界に思いをはせていただきました。
写真:加藤楸邨等の短冊の熟覧
次回の勉強会は、12月1日(土)14時~、次々回は1月12日(土)14時~です。一緒に古文書を読んでみたいという方も大歓迎です。

高齢者施設の皆さんにご来館いただきました

11月20日(火)、市内の高齢者施設の皆さんが団体見学で春日部市郷土資料館にいらっしゃいました。
写真:こての使い方を説明される方
「くらしのうつりかわり」展では、昔のおもちゃや道具に触っていただきました。こての使い方やベイゴマの回し方を教えていただきました。
個人的に驚いたのは、アルマイトの弁当箱のこと。梅干しをのせた日の丸弁当を毎日食べていると、梅干し酸によって、弁当箱のフタの真ん中に穴が開いてしまうんだそうです。「ただでさえモノがない時代だったのに困った」と昔を思い出されていました。

写真:回想法ボランティアの活動
映像コーナーでは、回想法ボランティア「ふれあい幸齢倶楽部」にご協力いただき、回想法の映像を上映しました。昭和33年の皇太子殿下のご成婚の映像や昭和30年代の県内の映像をご覧いただき、クイズや会話を通して、昔のことを回想していただけたようです。

皆さん、笑顔でお帰りいただきました。またのご来館をお待ちしております。

テレビ局の取材と帰ってきた埴輪

春日部市郷土資料館、昨日月曜日は休館日でしたが、動きのある一日でした。お知らせもかねて、話題をニつ紹介します。

一つ目。
テレビ埼玉の番組「魅力まるごと いまドキッ!埼玉」の取材があり、リポーターとして活躍されている小堺翔太さんにご来館いただきました。
写真:模型をみる小堺翔太さん
小堺さんと一緒に春日部大通りを歩いて、日光道中粕壁宿の昔の町並みをご案内しました。一見気づかない昔の面影をご覧いただき、喜ばれていました。写真は、当館の宿場町の模型をご覧になる小堺さん。ちゃっかりサインもいただいちゃいました(資料として保管します)。
写真:小堺さんのサイン
この模様は、11月24日(土)8時30分~9時にテレビ埼玉(地デジ3チャンネル)で放送されます。宿場の町並みだけでなく、市内の伝統手工芸品やスイーツなども紹介されるそうです。お楽しみに。

話題の2つ目。埴輪(はにわ)が帰ってきました。
県立さきたま史跡の博物館の企画展示に出展するため、行田市に旅立っていた人物埴輪が、常設展示に無事に帰ってきました。春日部唯一の人型の埴輪です。ところで、この埴輪がかたどった人物は男性?女性?どちらでしょうか?答えは収蔵資料紹介のページをご覧ください。
写真:人物埴輪

郷土資料館体験ワークショップを開催しました

平成30年11月18日(日)、郷土資料館で「体験ワークショップ」が開催されました。
蓄音機による音楽鑑賞が行われ、やわらかく温かみのある音に皆さん聞きいっていました。

蓄音機

電気を使わず再生することや、レコード1枚で約5分間しか聞けないということに驚かれ、郷土資料館で、少し昔にタイムスリップを体験してもらいました。

蓄音機演奏

次回は、平成31年1月20日(日)を予定しております。
事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。ご参加をお待ちしています。

萬葉集・東国の世界に想いをはせるひと時となりました

平成30年11月17日(土)歴史文化講演会「萬葉集東国の歌 東歌、高橋虫麻呂、山部赤人など」を開催しました。
写真:講演会の様子
この講演会は、春日部市郷土資料館の歴史文化講演会で、郷土春日部にに親しんでいただくため、専門家をお招きして市や県東部ゆかりの歴史・文化についてお話しいただくものです。
今回は、県立高校の国語科の先生として長く教鞭をふるい、また市内で萬葉集を学ぶサークルを主宰されている堀越令子先生をお招きして、埼玉ゆかりの文学、特に萬葉集の武蔵国や下総国ゆかりの東国の歌について、解説していただきました。

写真:堀越先生
堀越先生には、一首一首、歌人の想いや当時の風景を丁寧にお話していただき、東国の万葉の世界の情景に思いをはせるひと時となりました。
個人的には、「小埼の沼の鴨」(行田市周辺)の話が、水鳥が飛来する現代の県東部地区の環境にも通じているようで、大変興味深く拝聴しました。

受講者の方々からは、「萬葉集を独学したいが、おすすめの本を教えてほしい」「今回限りでは残念。また次回も開催してほしい」「埼玉の文学についてもっと知りたい」などのご感想をいただき、有意義な講演会となりました。

次回の歴史文化講演会は、年度内3月末に幕末明治維新の歴史をテーマとして先生をお招きして開催する予定です。追ってお知らせしますので、後報をお待ちください。

かすかべ弁、追加しました

「ぱあーす」「なっこ」「つのんでろ」「あめんぼおー」「さんげし」…これらは何のことだかわかりますか?
写真:かすかべ弁展示
郷土資料館の常設展示室の一番奥の壁展示に、「かすかべ弁」のコーナーがあります。
来館者の方々に割と好評のようなので、このたびパネルを補充しました。

また、くらしのうつりかわり展でも、昔のおもちゃを「かすかべ弁」で紹介しています。
写真:かすかべ弁の紹介

言葉の意味はパネルをめくってみるとわかります。答えを知りたい方は、ぜひ郷土資料館にお越しください。

中学生に学芸員を体験してもらいました

11月7日~9日の3日間、春日部中学校1年生が郷土資料館のお仕事を体験しました。今回は、学芸員っぽい仕事(展示解説)の補助をメインとし、一般の団体見学のお客様には縄文土器や石器の説明、小学校の社会科見学では、昔の小学生の日記を解説してもらいました。
写真:縄文土器の模様付け
縄目の模様づけの実演(練習風景)

写真:黒曜石の解説
黒曜石の解説(練習風景)

特に、時間をかけたのは、富多・宝珠花小学校の社会科見学のために準備した、昔の小学生の日記の紹介です。
見学の前におよそ1日かけて、郷土資料館所蔵の大正14年(1925)の宝珠花尋常小学校2年生のノートから、日記の記事を解読して、解説をつけてもらいました(実は人前でしゃべることよりも、この作業が学芸員!)。
写真:日記の解読風景
カタカナや旧仮名遣いに苦戦しながら、文字や意味を読み取ってもらいました。ちなみに、本文はこんな感じです。読んだなかでは、割ときれいなほうです。中学生は、昔の小学2年生の悪筆に苦戦していました…
写真:日記の文面
さて、今や大凧揚げが有名な西宝珠花ですが、大正14年(1925)の小学生たちは日常の遊びとして凧揚げをしていたことが日記から読み取れます。さらに、「オレノタコヲアゲベ」といった当時の言葉遣いや、「センゲンサマノウラ」(浅間様=宝珠花神社)で凧揚げをしたこと、凧の糸を「カマトク」(釜徳)で買ったことなど、戦後の江戸川改修によって移転する以前の西宝珠花の町並みが子どもの目線で記されており、大変貴重な日記といえます。内容については大変興味深いので、またの機会に紹介したいと思います。

そして、本番当日。小学生と引率の先生方の前で解読した日記を読み上げて、90年前の地元の小学生のくらしについて紹介しました。
写真:小学生に説明
富多小・宝珠花小のみなさん、中学生の解説を真剣に聞いてくれました。日記の面白さが伝わりましたでしょうか。
中学生の皆さんは、いろいろ盛りだくさんで大変でしたでしょうが、郷土資料館の業務の体験を通じ、郷土春日部を再認識してもらえれば、うれしいです。
中学生の皆さんが解読した成果は、すべて紹介できたわけではありませんので、これから解読の成果を活用していきたいと思います。
春日部中学校のみなさん、3日間お疲れさまでした。

富多小学校と宝珠花小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年11月19日に富多小学校と宝珠花小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。
春日部の移り変わりの展示品や、少し前のおもちゃや学用品・家庭で使われていた道具・農具を見ながら、生活の変化を理解していました。

見学の様子

社会体験事業で郷土資料館のお仕事をお手伝いしてくれていた中学生が、小学生の質問などに答えたり、千歯こきによる脱穀体験では補助をしてくれました。

見学の様子

駕籠の乗り心地はどうかな?
児童も先生も一緒に体験をしてくれました。


見学の様子

桜川小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました

平成30年10月26日に桜川小学校第3学年が、郷土資料館を見学しました。

見学の様子
常設展示室と、企画展示室の「くらしのうつりかわり」展の説明を受けた後は・・
自由に展示室内を見学!

見学の様子
「あら?私達の方が、60年前の同年代の平均よ背が高い」と、言ってるのでしょうか?

小学校見学
兜をかぶり、先生に記念撮影を取ってもらったりして、色々な体験をしていました。

小学校見学の様子
なんと、千歯こき体験のあとは、お掃除もしてくれました。どうもありがとう♪

【常設展展示替】地区の信仰を伝える

春日部市郷土資料館の常設展で「町のなかの信仰」と題した展示替えをしました。今回は、粕壁地区に所在した陣屋稲荷ゆかりの資料を出品しています。
写真:狐像の写真
市内各地の神社には、地域の信仰にゆかりのある資料が伝来しているほか、特色のある民俗芸能や祭礼行事も伝承されています。しかし、近年の少子高齢化に伴い、町内会や地域での神社経営や祭礼行事の存続が危ぶまれているものもあります。
陣屋稲荷は、今年の8月、町内会の解散にともない遷座の儀式を行い、解体された稲荷社です。郷土資料館では、博物館実習生に協力してもらいながら、陣屋稲荷を調査し、ゆかりの資料の寄贈を受けました。資料の受け入れや整理については、前に実習生が本ブログで紹介してくれています(調査について整理について)。

さて、地元の方によれば、初午の祭礼の日には、子どもたちは太鼓を打ち鳴らし、「アンドンヤブリ」(「チョウチンヤブリ」とも)という遊びをするなど、大変にぎわったそうです。

昭和7年(1932)の粕壁尋常高等小学校編『郷土の研究』によれば、三月十日の初午について次のように記述されています(以下原文・句読点は補った)。

三月十日 初午(陸軍記念日)
赤飯、すみつかれ、甘酒、豆腐、油あげを稲荷様へ供へる。組合の人は酒宴をひらく。年に依り火祭りをなす。掛行灯へ俳句を書いて出す。子供は部内の稲荷様へこもり太鼓をたゝく。こもつて太鼓をたゝいてゐる子供、又遊びに来た子供には稲荷様上つて居るものを御馳走する。他の部内に行つて、そこに供へてあるもの(油あげ菓子豆腐)を取り、又掛行灯を破つて来る。沢山破つた方が勝。破られた方が負。

この記録からは、町全体が初午でにぎわっていた様子がうかがえます。陣屋稲荷の資料は、陣屋地区のみならず粕壁の町内の往時のにぎわいを伝える資料といえます。

地元の方と共に歩んできたお社は、さまざまな事情により、残念ながらなくなってしまいました。しかし、地域の信仰の記憶は、郷土資料館に引き継がれました。後世に伝えられるように、しっかりと保存していきたいと思います。
皆さまには、展示をご覧いただき、地域の記憶・歴史の行く末について、思いを巡らせていただければ幸いです。

写真:展示風景

郷土資料館所蔵の古写真の活用例(回想法)

平成30年10月28日(日)まで、教育センター1階のミニギャラリーにて、市内の古写真が展示されています。この催事は、市内の回想法ボランティア団体「ふれあい幸齢倶楽部」さんによる取り組みで、春日部市郷土資料館所蔵の古写真をご活用いただいています。蔵出しの古写真をご覧いただき、昭和の春日部に思いをはせてみてください。なお、10月27日(土)の遊学1日体験教室では「ふれあい幸齢倶楽部」の熊谷さんによる「回想法講座」も開催されるそうです。
写真:展示の風景

「回想法」とは…の説明は熊谷さんの講座に譲りますが、実はこの「回想法」、日本の博物館業界でも、郷土資料を福祉分野に活用する取り組みとして徐々に広がりつつあります(たとえば、愛知県北名古屋市富山県氷見市など)。春日部でもこの先進的な取り組みが広がるといいですね。

さて、現在開催中の「くらしのうつりかわり」展でも、古写真のみならず、懐かしいおもちゃや道具を展示しています。「回想法」には至りませんが、展示室でも、むかし懐かしい昭和の春日部を思い出し、そしてお楽しみいただければ幸いです。
写真:くらしのうつりかわりの写真展示
写真:くらしのうつりかわりのおもちゃ展示
ちなみに、郷土資料館所蔵の古写真の一部は「かすかべデジタル写真館」で公開していますし、展示で使用した写真パネルの貸し出しも行っております。多方面からのご利用をいただけるとうれしいです。
…結局、郷土資料館の宣伝になってしまいました(反省)

郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」を開催しました

平成30年10月20日(土)、郷土資料館体験講座「ミニぞうりを作ろう」が開催されました。
長さ3mの江戸打ち紐を3本使い、10cmほどのミニぞうりを作りました。ぞうり本体は、江戸打ち紐を互い違いに編んで作り、最後に鼻緒を、かぎ針を使い本体に編み込んで完成させます。

体験講座

好きな色のミニぞうりを作ってもらうため、江戸打ち紐は、皆さんご自身で色を選んでご用意していただいたものです。

ミニぞうり作り

参加者達は、「自宅で、もっと小さな物を作ってお財布の飾りにしよう」「すごく楽しかった」と喜んでいました。
 次回体験講座「しめ縄を作ろう」は、12月9日(日)・12月15日(土)です。ご参加をお待ちしています(事前の申込が必要です)。