校長室から

校長室から

令和5年7月3日 1学期末保護者会 全体会 校長の話

 本日は、学期末保護者会への出席、ありがとうございます。

 また、日頃より本校教育活動へのご理解・ご協力に感謝いたします。

 早いもので、1学期もあと2週間あまりになりました。3年生にとって部活動の集大成である大会やコンクール、発表会、作品展などが迫っています。ぜひ、日頃の活動の成果を十分に発揮することを期待しています。

 

 学習面では、6月に行われた到達度テストを振り返り、夏休みに復習を行って2学期に備えて欲しいという話がこの後の学級懇談会であると思います。また、昨年度まで理科の自由研究を夏休みの課題としていましたが、今年度から理科だけでなく全教科に拡大します。自分で教科を選び、課題を決め、検証して、まとめる。9月当初には各学級で発表会を行います。これは「探求学習」と言われるもので、1学期の間に授業の発展や調べてみたいことを探しながら計画を立ててきました。教科もテーマも伝え方も自己決定、「自律」の力を育てたいと考えます。もちろん、教員も助言しますし、友達にアドバイスをもらう等、「協働」の力を発揮して欲しいと思います。

 

 さて、3年間続いた感染症への対応が変わり、通常の教育活動ができるようになってきました。5月には2年生の「自然体験学習」、6月には3年生の「古都体験学習」が2泊3日で実施されました。どちらも天候に恵まれて計画通りに進み、大きなけがや病気等が無かったことは、本当に喜ばしいことでした。1年生の郊外学習でも一緒に歩き、私が一番感じたのは、やはり我孫中生の優しさです。これは、本校の宝です。優しい気持ちが根底にあることで、学習も友達関係も部活動もお互いに協力したり、励まし合ったりすることができます。それを十分に生かして、子供達が持つ資質・能力を伸ばすことができるかどうかは、私たち教師の指導力にかかっています。そのために、我々教師は、常に授業改善と生徒理解に努め、研修することが義務付けられています。

 しかし、ここで大きな課題があります。中学校教師の長時間労働問題です。これは、教師の心身の健康だけでなく、子供たちにも大きな影響を与えます。疲れた顔の先生、イライラした先生に教わっても楽しくありません。教材研究する時間的余裕がなければ、授業を改善しようがありません。そこで、学校の働き方改革については着実に実行して参ります。部活動についても、6月に我孫子市のガイドラインが改定され、活動時間が短くなりました。これで運動部が弱くなってしまう、ではなく、工夫するチャンスと捉え、生徒達が自治活動としてより主体的に取組む等、多くの学びを得る機会としていきたいと考えます。教師に余裕ができた時間は、授業改善等、教育の質を向上すること、生徒の表情に気づく心の余裕等、生徒指導を充実させていきたいと考えますので、保護者の皆様のご理解をお願いします。

 

 もう一つ話します。

 学校でのいじめや差別は絶対にゆるされません。しかし、毎日の学校生活を送る中で、友達とぶつかったり、嫌な思いをしたりすることはあるでしょう。他人と生活するのですから当然とも言えます。また、教師との関係が上手くいかなることもあるでしょう。その時は、「嫌だ」という気持ちをその場で伝えたり、すぐに教師等に相談するようにしていくこと、その後は対話により解決の道を探ることが重要だと考えています。生徒間の問題は生徒同士で、学校内のことは学校で、その問題の大小に応じて教師が関わっていくことが大切です。

 もちろん、子供達がお家の人に相談したり、不満や愚痴を言ったりすること、そのような親子関係があることはとても良いことです。もし、「私の方もこんなことをしたのが悪いんだけど」という子がいたら、自分を客観的に見ることができるたいへん立派な子です。お家の方は、まずは共感しつつ、「じゃあ、担任の先生にこう聞いてみたら」、「顧問の先生はこう言いたかったんじゃないの」、「お友達は何て言ってるの?」等、アドバイスをしてもらえると助かります。学校で起きたことは、当事者同士が対話しなければ解決には至りません。それでも、学校の対応や教師の指導、発言の意図がわからない場合は、直接学校に連絡をお願いします。そんな連絡をすると、「うちの子が特別に見られて不利になる」と心配される保護者の方がいますが、全くそんなことはありません。そこは、学校を、教師を信じてください。  

 「直接、学級担任や顧問に」が難しければ、学年主任や教務主任、生徒指導主任、養護教諭、心の相談員、スクールカウンセラー、教頭、校長でも結構です。もし、学校側に落ち度がある場合、私共は誠意を込めて謝ります。生徒にも、自分が悪いなら謝るように指導しているので当然のことです。教師も成長過程の人間です。判断を間違えることや至らないこと、配慮が足りないこともあるでしょう。しかし、反省し、次に生かし、教師としての成長につなげることはお約束します。

 今後とも、ご理解・ご協力をお願いします。