学校長からのお話を掲載しています
第7回 全校集会「ぶれない心の座標軸をもとう」
みなさん、こんにちは。昨日、第53回県郡市町対抗「夢ふるとちぎ路駅伝」が宇都宮ー栃木往復60.02キロのコースで行われました。天候にも恵まれ、選手のみなさんもしっかりと走ることができたと思います。沿道に立ち、小旗を振りながら、声援を送る姿に、「故郷を思う28の絆が、夢を与える光になる瞬間」を見たような気がしました。
さて、応援に駆けつけてくれた本校の生徒のみなさん、そして先生方、本当にありがとうございました。本校からは1年の髙松美咲さんと2年の谷島碧さんが出場しました。2人とも芳賀郡代表の選考会で選ばれた実力者です。髙松さんは芳賀Aの代表として1区2.7キロを走り(総合7位)、また、谷島さんは芳賀Bの代表として4区3.0キロを走り(総合13位)大活躍しました。
二人の活躍には、きちんとした裏付けがあります。毎朝7時ごろ登校し、決められた練習を一日も休まず、黙々と走り続けてきました。この駅伝は、学校の部活ではありません。学校からお願いして練習をさせたわけでもありません。断ることができました。しかし、髙松さんとや谷島さんは、断らず、最後の代表選考まで残り、見事選手に選ばれました。そいて、この大会で、自分の責任を果たしたのです。本当に立派です。二人の走る姿は、多くの人の心をとらえ、感動を与えたと思います。
スペインにオルテガという有名な哲学者がいました。かれは、このように言っています。
「断れば、断ることができる責務をあえて引き受ける。自分自身に困難を 積み重ねる人間こそ、真のエリートである。」
人間は、誰でも困難なこと、大変なことは、やりたくありません。しかも、「頼まれても絶対引き受けたくない。」「誰かがやってくれるから、自分は引き受けなくてもいいんだ。」「断れることなら断りたい。」という、逃げ道を用意します。でも、この逃げ道というは、決して自分のためにはならないということです。それは、自分の可能性を閉ざすことになります。また、自分の伸び代を狭めることにもなります。
自分の体力、気力、そして熱意が続く限り、真のエリートを求め続けてほしいと思います。困難なこと、大変なことをすぐに避けようとするのではなく、あえて引き受けてみようとする「心の座標軸」をもってほしいと願っています。
平成23年度 第3学期始業式
みなさん、明けましておめでとうございます。
18日間の冬休み、みなさんはどのように過ごしましたか。3年生はお正月気分ではなかったかもしれません。私立高校の受験があり、自分を奮い立たせ、勉強一直線だったことでしょう。1・2年生のみなさんは、部活動と勉強をバランスよく行っていたことでしょう。また、お正月ということで、お手伝いを頑張った人、お客さんにしっかり挨拶ができた人など、みなさん一人一人が家族の一員としての役割を果たすことができたことと思います。
さて、この冬休み中、みなさんの立派な行為、すばらしい生活態度に大変感心したことがあります。
その一つは、吹奏楽部や弓道部などが中心となり、校庭南の側溝に詰まった落ち葉を取り除く作業をしてくれたことです。かなりの重労働でしたが、みなさんが一致協力して取り組んでくれたお陰で大変きれいになりました。
ありがとうございました。
二つ目は、交通事故や事件などに巻き込まれることなく、規則正しい生活を送ったことです。生活のきまりを守ること、これは自分の身を守ることでもあります。事故も怪我もなく、本当によかったです。
三つ目は、みなさんはどこで会っても、親しく挨拶をしてくれることです。
益子に限らず、真岡や宇都宮などのお店で会うと、自分だけでなく家族まで紹介して、挨拶をしてくれます。あいさつはしても、されてもうれしいものです。とても気持ちが温かくなります。
いよいよ今日から3学期です。3学期は、みなさんにとって学年・学級の集大成の学期でもあります。集大成は学業だけではありません。大切な仲間と築き上げてきたクラスも集大成をさせなければなりません。そのためには、自分のクラスは自分に何をしてくれたかではなく、自分はクラスのために何をしなければならないかを真剣に考え、行動に移してほしいと思います。
今年は辰年です。「竜の雲を得る如し」という諺があります。竜が雲を得て天に昇るように、みなさんが様々な機会を得て大活躍する1年であってほしいと願っています。先生方はみなさんのよき応援者であることを忘れず、この3学期も、自分の伸び代を広げていきましょう。
平成23年度 第2学期終業式
みなさん、こんにちは。みなさんと元気に第2学期の終業式を迎えられたことを大変うれしく思います。この2学期は、76日学校に来る日がありました。みなさんの出席日数は、何日でしょうか。1日も休まず登校出来た人は、とてもすばらしいです。
さて、この2学期は、みなさんをどのように成長させてくれたでしょうか。
2学期は、運動会や聖が丘祭などの学校行事、新人各種大会や駅伝競走大会、
音楽祭合奏や合唱、そして美術展や陶芸展などの部活動での活躍。みなさんが様々な場面において活躍し、自らの伸び代を広げられたことは、本当に喜ばしいことです。
でも、みなさんを成長させたものは、それだけではありません。「正しいと誰もが思うことを、恥ずかしがらずに堂々と行おうとする心」です。それは、具体的にどんな心でしょうか。
1つ目は、大きな声で自分から進んで行う「あいさつ」の心です。
2つ目は、しばらく休んでいた友達を、毎日顔を合わせているかのように仲よくできる「フレンドリーシップ」です。
3つ目は、霜がおり、吐く息も白く寒い朝、一人でも黙々と掃除をする奉仕の心です。
4つ目は、友達の活躍を妬むことなく、自分のことのように声を出して喜べる温かい心です。
5つ目は、他人に左右されず、失敗を恐れず、自分の意志で手上げ、しっかり答えようとする前向きな心です。
これらの5つの心が、みなさんを一回りも、二回りも成長させてくれたものと思います。
さて、あと10日後には、いよいよ2012年を迎えます。辰年です。
3年生とっては、新年早々、私立高校の受験が始まります。これまでの努力を十分発揮できるよう頑張ってほしいです。また、2年生、1年生は、「1年の設計図を思い描く絶好の機会」ですので、1年の目標とそれを達成するまでの方法をじっくりと考えてほしいと思います。
冬休みは1月9日までの18日間です。年末は大掃除やお正月の準備など、忙しくなりますので、みなさんも家族の一員として、ぜひ手伝いをしてください。
それでは、健康に気を付け、事件・事故にあわないよう、有意義な冬休みにしましょう。1月10日には、406名のみなさんと、元気に、笑顔で会えることを楽しみにしています。どうぞ良いお年をお迎えてください。終わります。
第6回 全校集会 校長講話
みなさん、こんにちは。みなさんは、すでにテレビや新聞の報道で、タイの大洪水(チャオプラヤ川の大洪水)のことを知っていると思います。世界遺産として知られるタイ有数の観光地で、同国製造業の一大中心地でもあるアユタヤを飲み込んだ大洪水です。
タイには、大小合わせて7,000社近い日系企業が進出しています。特に、洪水被害の激しいアユタヤには、ホンダ、キヤノン、ニコン、ソニーなどの大企業が拠点を構え、部品から完成品までをつくりあげています。
この大洪水のために、企業は生産ができなくなってしまいました。
実は、今年の4月から本校の古谷和子先生が、タイのバンコク日本人学校に勤務しています。古谷先生からタイの様子をメールで送っていただいていますが、この洪水から避難するため、一時帰国する日本人も多くなったそうです。古谷先生の勤務するバンコク日本人学校も臨時休校となりました。
臨時休校から約1か月経過し、やっと11月21日に学校は再開となり、約900人が登校しました。全校の児童・生徒は約2,600人ですから、3分の1の登校となります。生徒たちは友人や担任との再会を喜び、笑顔がもどってきました。古谷先生も、生徒たちと久しぶりに再会し、感激のあまり涙があふれ出たそうです。通常授業は11月22日から再開し、休校で不足した授業時数は土曜日を使って補うということです。
さて、ここでみなさんに考えてほしいことがあります。これは古谷先生からの宿題でもあります。どうしてこのような大洪水が起こったのか。その原因を考えてほしいということです。原因は一つであるとは限りませんが、みなさんが考える最大の原因を教えてください。友達と相談したり、新聞を読んだり、あるいは、インターネットで調べたりするなど、いろいろな方法で自分なりの考えをまとめてみてください。お願いします。
終わります。
第4回 全校集会 校長講話「よき友よき友情について」
みなさんの笑顔があふれる瞬間、私はとてもうれしくなります。笑顔の人のそばにいるだけで、楽しく幸せな気持ちになります。笑顔は人の心を和ませてくれます。その笑顔の人が、友達であったり、好きな人であったりしたら、みなさんはどんな気持ちになりますか。ずっとそばにいたいでしょう。
ある中学校の「学級だより」にこんな記事がありました。
まず、友達ができたきっかけベスト5が紹介されていました。
1 いつも笑顔で、一緒にいると楽しいから。
2 部活動が一緒だから。
3 性格がなんとなく合うから。
4 趣味や関心事が同じだから。
5 話題が豊富でおもしろいから。
どれもみな、「なるほど」と思いますか。このベスト5から、友達の存在を再確認するのもよいと思います。
次に、友達関係がうまくいかないときベスト5が紹介されていました。
1 相手に劣等感を抱くようになったとき。
2 約束事を守らないとき。
3 秘密にしていることを他人に話されたとき。
4 真剣に相談相手になってくれないとき。
5 嘘をつくとき。
これはどうでしょう。納得しますか。確かに、友達からこれらのことをされたら、いやな気持ちになるでしょう。これまでの友情が冷めてしまうこともあるでしょう。
さて、みなさんにとって、友情とはどのようなものでしょう。親友と呼べる友達はいますか。今日はみなさんに「よき友よき友情」について考えるのに、とてもよい本を紹介します。太宰治の作品『走れメロス』です。もうすでに読んだ人もいるでしょう。ぜひ、もう一度読んでみてください。
村の牧人メロスと竹馬の友、石工のセリヌンティウスとの友情が描かれています。国語の教科書にもあります。その作品を通して、「友情とは何か」を考えてみてください。私は、友情とは「相手を信じることだ」と思います。みなさんはどうでしょう。終わります。