学校長の窓

学校長からのお話を掲載しています

「3年生を送る会」あいさつ

  みなさん、こんにちは。本日の「3年生を送る会」の開催にあたっては、生徒会役員のみなさんが中心となり準備をしてくれました。本当にうれしく思います。
 さて、平成25年がスタートして、早2か月が過ぎようとしています。「光陰矢の如し」の諺どおりです。3年生のみなさんにとっては、卒業まであと2週間余りとなりました。3年生のみなさんは、学校の顔として、常にリーダーシップを発揮し、学校全体を大いに盛り上げてくれました。部活動、委員会活動、清掃活動など、すべてにわたり、下級生をリードし、益子中生徒としての誇りある姿を下級生に態度で示してくれました。本当にありがとう。1・2年生は、みなさんの姿に勇気をもらい、あこがれを抱き、感謝しながら今日まで頑張ってきたと思います。
 今日の「3年生を送る会」は、3年生のみなさんに感謝する会でもあります。本日は映画「おおかみこどもの雨と雪」を見ながら、残り少ない中学校生活の思い出を積み重ねてください。この映画のテーマは「親子」です。19歳の少女が「おおかみおとこ」と出会い、その間に生まれた「おおかみこども」の姉と弟の、成長から自立するまでの13年間を描いた作品です。
 二人の「おおかみこども」が、自然豊かな田舎町で様々な人や獣と出会い、時には楽しく元気に、時には悩み傷つきながら、「自分の世界」を見つけ出すまでを描く作品ですので、じっくりと鑑賞してください。 
 最後に『夢待列車』を紹介して終わりたいと思います。

                            『夢待列車』
                                 作詞・作曲 川村結花    歌  城 南海(きずき みなみ)

 いつかサヨナラする時が 来るとわかっていても
 出会い 笑い 信じることを 僕らは止(と)められない
 ひとつ夜を越えるごとに
 ひとつ涙の意味を知って
 夢待ち駅へ 夢叶う場所へ
 向かう列車にゆられながら
 こころに花を くちびるに歌を
 微笑みを絶やさずに

 たしかなものなんてなにも ないとわかっていても
 祈り 願い 道行くことを 僕らは止められない
 笑い合ってぶつかり合って 過ぎて来た季節は
 きっと 二度と 巡り会えない たいせつな宝物
 これからどんな明日(あす)を描き
 どんな景色が待ってるのだろう
 夢待ち駅へ 夢叶う場所へ
 向かう列車にゆられながら
 荒れ野に花を かなしみに歌を
 見つけながら灯しながら

 いつか今日をふりかえって わかちあえますように
 出会い 笑い 信じた日々を 胸に刻んでいよう
 今 歩き出す 僕らの前に
 時の花びらが降る

平成24年度立志式 式辞


  厳しい冬の寒さに、じっと耐えてきた校庭の木々も、新しい芽を膨らませ、早春の訪れを感じさせる季節になってまいりました。 本日は、公私御多用の中を、益子町副町長 法師人弘 様 、 益子町議会副議長 黒子秀夫 様をはじめ、多数の御来賓の皆様の御臨席と、保護者の皆様の御列席を賜り、ここに、平成二十四年度立志式が、挙行できますことをうれしく思います。心より厚く御礼申し上 げます。
  立志を迎えた百四十七名の立志生の皆さん、おめでとうございます。そして、保護者の皆様、誠におめでとうございます。
  さて、本日の立志式は、皆さんのこれまでの成長とこれからの未来を祝福するために行うものです。また「十五にして学に志す」と言われてきたように、数え年十五歳を迎えた皆さんが、これからの自分の生き方を学び、身に付けていくという、新しい成長の出発点となる、大事な行事でもあります。 
   皆さんは、立志を迎えるにあたり、『立志記念文集』(大志)を発行しました。その中には、一人一人の「立志の誓い」が書かれてあります。その言葉一つ一つには、重みがあります。自分を見つめ、将来の夢や目標を実現するために、努力しようとする決意が感じられます。
 「夢は口に出した瞬間から叶う」という言葉があります。ぜひとも、自分の描いた将来像に向かって、新たな一歩を力強く踏み出してほしいと思います。
  ここで、幕末から明治時代にかけて、「松下村塾」を開き、多くの歴史的人物を育てた、吉田松陰の言葉を紹介します。
    「志を持て 気力を養え 知識を磨け 行動せよ」  という言葉です。
 吉田松陰が述べている「志」とは、世の中をよくするために、自分がすべきことは何かをしっかりと見据える「志」のことです。皆さん自身にとっては、自分を高め、自分を向上させるために、自分がすべきことは何か、と置き換えることができます。そして「志」を持ったら行動し、その実現を目指さなければ意味がありません。行動するために必要なのが「気力を養うこと」と「知識を磨くこと」です。つまり、困難なことや大変なことに、自ら取り組むことが、「気力を養うこと」につながり、学校の授業で、しっかり学ぶことが「知識を磨くこと」につながります。
   今日の立志式を機会に、自分が向かう目的を見つけ将来への方向性を見定めて、自分を支える土台の基礎を築いてほしいと思います。そして、理想とする自分を思い描き、自立した益子中生を目指して、今日から行動を始めることを期待しています。
   ドイツの文学者ヘルマン=ヘッセは、小説『デミアン』の中で、「すべての人間の生活は、自分自身へと向かう道である。」と述べています。自分自身を求めて真剣に生きれば、失敗したり、挫折したりしたときには、それだけ苦しみも大きいと言えます。しかし、自分なりに全力で努力したならば、それは懸命に生きた証しであり、後悔することはないでしょう。その体験は、自分自身へと向かう人生の長い道のりの一歩であるからです。   
  これまでの十四年間、皆さんがここまでやってこられたのは、保護者や家族、地域の方々の支えがあったからです。皆さんの成長を見守り、支えてくださった、これらの方々への感謝の気持ちを忘れず、自分の夢実現に向けた努力を続けていってください。皆さんの今後の活躍を祈っています。
   結びに、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様、そして、御列席をいただきました保護者の皆様の、本校への御支援、御協力に深く感謝申し上げ、式辞といたします。

第9回朝会講話「大切なものは目に見えない」


 「大切なものはね、目には見えないんだよ。」
 「目では見えない、心で探さないと。」

 久しぶりにサン=テグジュペリの『星の王子さま』を読み返してみました。今でも、私たちに大切なことを教えてくれているように思います。大切なものは目に見えません。命・魂・空気・心・思い・愛などは、目には見えません。でも、確かに存在します。こういった目には見えないものを重視した豊かな価値観を昔は誰もが持っていました。
 
しかし、現代社会になって、私たちは目に見えるものを確実なものとして受け入れてしまっています。そして、目に見えないものを重視した豊かな価値観を忘れてしまっているように思います。
 
例えば、人を見るときには、見た目、格好よさ、服装、学歴などにとらわれてしまいます。その人の本質は二の次です。また、作物も見た目が良いものを作るために、農薬を使い、ただ速く効率的に育てます。これでは、作物は幸せに育ちません。幸せに育った作物の命を食べ、私たちは幸せになるのです。私たちは今、もう一度目に見えないものを重視した価値観を思い出す必要があります。幸せに豊かに生きるのにも、目に見えないものを心で感じる力が必要です。
 
人が美しいのは、その人がたくさんの苦しい・うれしい・悲しい経験を積んできたからです。自然が美しいのは、すべてのものが命をもって調和して生きているからです。手作りが美しいのは、作った人の思い・愛情がこもっているからです。ふるさとが美しいのは、昔のなつかしい思い出が詰まってからです。
 
 さて、皆さんにとって、大切なものとは何でしょう。それは、友情でしょうか。それは、家族愛でしょうか。それは、人を好きになるという純粋な心でしょうか。大切なものは目に見えません。終わります。

第8回朝会講話「美しい日本語から美しい心が生まれる」

 みなさん、おはようございます。
 インフルエンザが流行していますので、くれぐれも健康に留意してください。決して油断せず、手洗い、うがいの励行、毎日の規則正しい生活、バランスのとれた食事、マスクの着用をお願いします。
 今日は、「美しい日本語から美しい心が生まれる」というお話をします。みなさんは、日常の生活の中で、日本人の美しい礼儀作法や言葉かけなどを自然に行っています。「ありがとうございます」「すみません」などの言葉が、自然にできることは素晴らしいことです。
   さて、みなさんはどんな言葉を美しい日本語だと思いますか。日本語のことを深く研究している人たちやいつも言葉を大切にしている詩人たちが、選んだ美しい日本語のベスト10は、次のようになりました。
  第1位 ありがとう      第6位 さわやか
  第2位  さようなら           第7位  いらしゃいませ
  第3位 はい                 第8位 おやすみなさい
  第4位 すみません           第9位 どうぞ
  第5位  おはようございます   第10位 いいえ    
 どの言葉も、やさしい言葉ばかりです。当たり前の言葉で、普段使っている言葉ばかりです。第1位から第10位までの言葉を、改めて声に出して言ってみると、とてもよい響きをもった美しい日本語です。美しい日本語から美しい心が生まれます。これからは、やさしくて美しいこのような言葉に自分の心をこめて話しましょう。
 最後に、美しい日本語の「日常の五心」を紹介します。
 ☆「はい」という素直な心
 ☆「すみません」という反省の心
  ☆「おかげさま」という謙虚な心
  ☆「私がします」という奉仕の心
  ☆「ありがとう」という感謝の心
  言葉は心です。言葉は人を表します。美しい日本語から美しい心が生まれるのです。
 終わります。

平成24年度 第3学期始業式 式辞

 みなさん、明けましておめでとうございます。
 13日間の冬休みは、みなさんとっていかがでしたでしょうか。3年生は私立高校の受験などに備え、健康に留意しながら、充実した日々を過ごしたことでしょう。1・2年生のみなさんも、健康に気を付けながら、勉強・部活動・お手伝いにと頑張っていたことでしょう。また、お正月ということで、来客への挨拶や家族の一員としての役割も果たせたのではないでしょうか。
 さて、この冬休み中、みなさんのきちんとした行動・態度に大変うれしかったことがあります。2つのことをお話しします。
 その一つは、交通事故や事件などに遭うこともなく、安全に生活できたことです。生活や交通のきまりを守り、健康安全に生活することは、人間にとって大切なことです。一生心掛けていかなければなりません。
 二つ目は、みなさんの挨拶のすばらしさです。みなさんは学校以外のどこであっても、自分から挨拶をしてくれます。挨拶は社会で生きていく上での基本です。笑顔を添えたみなさんの挨拶は、温かい気持ちをプレゼントしてもらうようなうれしさが伝わってきます。
 いよいよ今日から3学期です。この3学期は、みなさんにとって学年・学級の総まとめの学期でもあります。学力づくり・心づくり・体力づくりの総まとめであること、そして、自分の伸び代をどれだけ広げられたかを確認する学期でもあることは、言うまでもありません。
 でも、それだけではありません。大好きな先生や大切な仲間と共に過ごし、信頼・友情・感謝の心を育ててくれたクラスの総まとめであることを忘れないでください。この3学期は、みなさんの「心のポケット」が更に膨らむよう、思い出をたくさん作ってほしいと思います。
 今年は巳年(へび年)です。「巳(み)」には新たに出発するという意味があります。すなわち、昨年までに準備し蓄えた力を発揮する重要な一年となるといえるでしょう。再生の象徴といわれるヘビにあやかって、今年は、みなさんが大きな一歩を踏み出せる年であってほしいと願っています。先生たちや保護者・地域の方々は、常にみなさんを応援しています。この3学期も、自分の伸び代を広げていきましょう。終わります。