学校長の窓

1. 平成24年度立志式 式辞

投稿日時: 2013/02/04 益子中学校

  厳しい冬の寒さに、じっと耐えてきた校庭の木々も、新しい芽を膨らませ、早春の訪れを感じさせる季節になってまいりました。 本日は、公私御多用の中を、益子町副町長 法師人弘 様 、 益子町議会副議長 黒子秀夫 様をはじめ、多数の御来賓の皆様の御臨席と、保護者の皆様の御列席を賜り、ここに、平成二十四年度立志式が、挙行できますことをうれしく思います。心より厚く御礼申し上 げます。
  立志を迎えた百四十七名の立志生の皆さん、おめでとうございます。そして、保護者の皆様、誠におめでとうございます。
  さて、本日の立志式は、皆さんのこれまでの成長とこれからの未来を祝福するために行うものです。また「十五にして学に志す」と言われてきたように、数え年十五歳を迎えた皆さんが、これからの自分の生き方を学び、身に付けていくという、新しい成長の出発点となる、大事な行事でもあります。 
   皆さんは、立志を迎えるにあたり、『立志記念文集』(大志)を発行しました。その中には、一人一人の「立志の誓い」が書かれてあります。その言葉一つ一つには、重みがあります。自分を見つめ、将来の夢や目標を実現するために、努力しようとする決意が感じられます。
 「夢は口に出した瞬間から叶う」という言葉があります。ぜひとも、自分の描いた将来像に向かって、新たな一歩を力強く踏み出してほしいと思います。
  ここで、幕末から明治時代にかけて、「松下村塾」を開き、多くの歴史的人物を育てた、吉田松陰の言葉を紹介します。
    「志を持て 気力を養え 知識を磨け 行動せよ」  という言葉です。
 吉田松陰が述べている「志」とは、世の中をよくするために、自分がすべきことは何かをしっかりと見据える「志」のことです。皆さん自身にとっては、自分を高め、自分を向上させるために、自分がすべきことは何か、と置き換えることができます。そして「志」を持ったら行動し、その実現を目指さなければ意味がありません。行動するために必要なのが「気力を養うこと」と「知識を磨くこと」です。つまり、困難なことや大変なことに、自ら取り組むことが、「気力を養うこと」につながり、学校の授業で、しっかり学ぶことが「知識を磨くこと」につながります。
   今日の立志式を機会に、自分が向かう目的を見つけ将来への方向性を見定めて、自分を支える土台の基礎を築いてほしいと思います。そして、理想とする自分を思い描き、自立した益子中生を目指して、今日から行動を始めることを期待しています。
   ドイツの文学者ヘルマン=ヘッセは、小説『デミアン』の中で、「すべての人間の生活は、自分自身へと向かう道である。」と述べています。自分自身を求めて真剣に生きれば、失敗したり、挫折したりしたときには、それだけ苦しみも大きいと言えます。しかし、自分なりに全力で努力したならば、それは懸命に生きた証しであり、後悔することはないでしょう。その体験は、自分自身へと向かう人生の長い道のりの一歩であるからです。   
  これまでの十四年間、皆さんがここまでやってこられたのは、保護者や家族、地域の方々の支えがあったからです。皆さんの成長を見守り、支えてくださった、これらの方々への感謝の気持ちを忘れず、自分の夢実現に向けた努力を続けていってください。皆さんの今後の活躍を祈っています。
   結びに、本日御臨席を賜りました御来賓の皆様、そして、御列席をいただきました保護者の皆様の、本校への御支援、御協力に深く感謝申し上げ、式辞といたします。