2020年12月の記事一覧
いきいき子育て⑳
波騒は世の常である
吉川英治の小説の傑作「宮本武蔵」の最後に、次のような文があります。「波騒(なみざい)は世の常である。波にまかせて、泳ぎ上手に雑魚は歌い、雑魚は踊る。されど誰が知ろう、百尺下の水の心を。水の深さを」佐々木小次郎との巌流島の決戦で終局を迎えた後に続くこの作者のメッセージは、混乱の極みにある今の時代にも通じるのではないかと思います。私が解釈するに、国や社会も、個人の人生にしても、いい時もあれば、悪い時もある。「波騒は世の常である」とはまさにこのこと。その際、多くの人は、その時々の浮き沈みに一喜一憂するが、悠然たる底の水の流れを知れば、落ち着いて行動できるはずだ、ということです。新型コロナウイルスの影響で、国がまた動きを示しました。学校教育もどうなっていくのかまったく先行き不透明です。しかし、私は困難な事態に直面した時、「すべてが人生勉強」と思うようにしています。そうしてよく考え、よく情報を収集し、勇気を持って事にあたれば、自然に打開策は見えてくると考えています。今年度様々な行事が中止となりましたが、本校教職員の知恵と汗、創意工夫で代替行事を行い、例年と同じかそれ以上の教育効果を発揮できたと考えています。3年生の進路についても、親や教師は人生の先輩として、大きく構えて指導にあたりたいものです。(12月15日 校長)