校長先生の本棚から
平成31年2月28日(木)
「アンパンマンの遺書」
本校、図書室にある本です。この本は作者やなせたかし94歳の時の自伝です。
今や、アンパンマンを知らない子供はいないと思いますが、作者については詳しく知られていないのではないでしょうか。漫画の神様と言われた手塚治虫と同じ時代に生きた作者は、無名の時代が長かったのです。
54歳でアンパンマンの絵本が出来て、アニメ化されたのは69歳でした。
子供がいない作者は全財産をアンパンマンに捧げると言っていたそうです。
アンパンマン登場のきっかけになった雑誌がサンリオから創刊された「詩とメルヘン」です。
お腹が空いた人に自分の顔をあげてしまう自己犠牲で他者を救う発想は今までのヒーローにありませんでした。
作者は戦争を経験しており、弟が戦死した体験などの中で、自分が無傷でいるヒーローに疑問を抱き、正義とは何かを考え抜いた末にアンパンマンが誕生します。アンパンマンを読み、また聞かせる時、ぜひこの本を思い出して読みたい、そういう一冊です。ぜひ、読んでみて下さい。