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2024年10月の記事一覧

#ハルカイト 見学のススメ(2) 大型 #民具 目白押し

前回の記事に引き続き、ハルカイト(大凧文化交流センター)の見どころをご紹介。

第2弾は、地域の歴史民俗を紹介する展示室。

郷土資料館は狭く、展示スペースが限られていますので、特に歴史時代のパートでは立体的な資料が少なく、よく言えばコンパクト。悪く言えば迫力に欠ける展示です。仮に立体物を展示すると、資料1点だけで終わってしまうから、仕方なく、こじんまりとした展示をしています。反対にいえば、大型の民具があっても、展示できない、日の目を見る事がないということです。

そうした課題もあり、ハルカイトの展示では、郷土資料館では展示しづらい大型の民具をいくつも展示してみました。

その一例が、これです。

写真:タコ

 資料の名称は「タコ」。大人4人を棒をもち、地面をドスン、ドスンをたたく道具です。堤防やあぜ道、土間などの地固めで使ったものです。下吉妻地区で使用されていたものです。次の道具も同じ用途で使われたものです。

写真:ジギョウツキ

名前は「ジギョウツキ」。赤沼地区で使用されていたものです。

「ジギョウ」とは「ジンギョウ」ともいい、漢字では「地形」と書くようです。地形とは、国語辞典では地固めのことを指しますが、地元では水塚(みづか)などの地固めした土地のことを「ジンギョウ」と呼ぶようです(松伏町史資料2『民具』)。

本来は、前の「タコ」と同様に立てて使うものなので、立てて展示したかったのですが、資料の高さが314cmもあり、天井にぶつかってしまうため、残念ながら寝かせて展示です。

いずれも、市民の皆様から寄贈されながらも、長く別置された倉庫に保管されていて、なかなか日の目を見ることがなかった資料です。中川低地の県東部地域で特徴的な水塚(みづか)、あるいは堤防などを築造するのに使われた、特色ある資料といえるでしょう。

ほかにも、郷土資料館では、お目見えできない迫力ある民具が並んでいますので、ぜひ民具マニアの方も、そうでない方も、ご覧いただければ幸いです。

【 #10月15日 】 #今日は何の日? in春日部

今から70年前、昭和29年(1954)10月15日は 市の広報誌が発行された日です。 #かすかべプラスワン

今は「広報かすかべ」と呼んでる市報のはじまりの話。当時は「春日部市政だより」という名称でした。創刊号は、瓦版のような一枚摺り物。もちろんモノクロです。創刊号の紙面はこれです(広報誌縮刷版より)。

画像:春日部市政だより創刊号

(旧)春日部市が誕生が誕生したのは、昭和29年7月1日のこと。紙面の冒頭には、山口宏市長の「市政だより発刊に際して」のあいさつ。小見出しには「田園都市の建設を念願」とあります。

当時の市の人口は3万人余り。かつて宿場町だった粕壁の市街地から少し離れると農村=田園風景が広がるまちでした。それを「田園都市」と言い当てているのでしょう。合併直後は、財政・課税上の問題もあったようで、「本格的な建設に入るのは来年度」と断ったうえで、「学校を相互に結ぶ幹線道路の建設」を掲げ、「生成的な田園都市」を目指すと述べています。

現在の「広報かすかべ」は、市政・制度や諸事業の予定をお知らせする記事が大半を占めていますが、紙面は、市制施行後3か月を経た創刊号ということもあり、議会や様々な事業の報告、各種組織や委員会の構成員の報告など、市民に対して市政をフィードバックする記事が多いのが特徴です。裏面には、市章が決定したこと、東京で開催された全国地方自治綜合大会にて、大畑の「ミロク踊り」(やったり踊り)が三等に入賞したこと、ミス春日部が決まったこと、などを報じています。

丸山鼎市議会議長は、市政だよりの発刊を「その行政を市民に周知せしめ、市民の声を取り入れて、所謂民主的行政の運営を図るべく、即ち役所と市民のつながりとしての役割が極めて大なるもの」と位置付けています。春日部の市政について周知する媒体として、期待されていたことがうかがえるでしょう。

担当者が個人的に面白いと思えたのは、市政だよりの題字です。「春日部市政だより」の文字、「春」「部」「市」「政」はとても美しい草書体です。揮毫した人が誰なのかわかりませんが、非常に格式高い題字だと思います。いかに親しみをもって手に取ってもらえるか、工夫を重ねている現在の広報誌では考えられない題字といえましょう。ちなみに、草書体の題字は次号の第2号(昭和29年11月18日発行)で早くも楷書体に替わり、幻の題字となりました。昭和29年度は創刊号~4号、30年度は5号~10号、31年度は11・12号、32年度は13・14号と発行回数もまばらでしたが、昭和33年度の第15号(昭和33年4月10日発行)から「毎月1回・10日発行」となります。「春日部市政だより」は、第70号(昭和37年11月10日発行)を記念し、「広報かすかべ」に改称し、「紙面の刷新改変をはかる」ことになりました。当時の発行部数は、7500部と記されています。

広報誌(市政だより)のバックナンバーは創刊号に関わらず、広報かすかべの縮刷版でご覧いただけます。図書館や市政情報室などに配架しています。

ちなみに縮刷版は、昭和46年(1971)7月に発行されました。縮刷版の田中市長のあいさつ文には「新庁舎も完成し、進展する社会に即応して、なお一層の施策の充実を期するときにあたり、この17年間における市政のできごとの要約版ともいうべき「広報かすかべ縮刷版」を発刊することとした」とあります。当時、流行の最先端となる旧市庁舎(二代目市庁舎)の完成を記念して、市政が「躍進」するなかで、過去を顧みる試みがなされたといえるでしょう。しかし、縮刷版をみると、原本が破けているもの(第16号など)もあり、昭和46年当時、古い資料が処分されつつあり、17年間の市政をふりかえる(広報誌のバックナンバーを集める)ことが困難であったことがうかがえます。

「温故知新」とは使い古された言葉ですが、過去を顧みて、新しい道を切り拓くことは、70年経ち、新しい庁舎での業務が始まった今にも求められている、と感じるのは私だけでしょうか。

過去の今日は何の日?in春日部シリーズ→1月1日版3月14日版3月27日版4月1日版4月28日版6月2日版6月3日版6月10日版7月31日版9月1日版9月16日版11月25日版

過去の今日は何の日?in春日部シリーズは、上のリンクからお読みいただけます。

郷土資料館【手作りおもちゃクラブ】を開催しました

令和6年10月13日(日) の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館手作りおもちゃクラブ「ペーパーローリングを作ろう!」を開催しました。

 

蓄音機上演風景

まずは蓄音機の上演から。
使用している蓄音機は100年ほど前に使われていたもので、電気を使わず、ゼンマイで動きます。

 

紙芝居の読み聞かせ

紙芝居の読み聞かせは「蛇女房」という鶴の恩返しにも似たお話です。この日作ったおもちゃも見ようによっては蛇のようにみえるかも?

 

おもちゃ作り風景

おもちゃ作りでは「ペーパーローリング」を作りました。40年くらい前には、お祭りの屋台で大ヒットしていたようです!

シュルシュルッという音も心地よく、自然に戻ってくるので何度でも遊べるのがうれしいおもちゃです♪

 

缶バッジ作り

最後はおみやげの缶バッジ作りをしておしまいです。
実はこのバッジマシン、来てくれたこどもたちに喜んでもらうべく、毎度他課から借りてきています(笑)
今日も喜んでもらえたようで何よりです!

 

次回の手作りおもちゃクラブは11月10日(日)と14日(木)に開催予定です。
詳しくは広報紙等に掲載いたします。それぞれ別のおもちゃを作る予定なので、ぜひ楽しみにしていてください!

#常設展 #プチ展示替 しました

常設展示の「水とのたたかい」のコーナーの展示資料を展示替えしました。新出資料の武里小学校の日誌です。

今回展示した日誌は、昭和22年(1947)のもの。昭和22年といえば、カスリン台風の水害が起きた年です。

水害のきっかけとなった、利根川の堤防の決壊は、9月16日の午前0時に起こりました。洪水の濁流は、日時をかけて県東部の中川低地を襲い、最終的には東京まで浸水することになったのは、以前も紹介した通りです。

 日誌から、水害発生時の学校の対応が明らかになります。

日誌の9月16日条には次のように記されています。

水害予防により全校児童、授業第一時にて打切、帰宅さす

水害が発生した当日、児童は通常通り、武里小学校に登校したようです。しかし、すでに利根川の堤防は決壊しており、濁流が押し寄せてくることはわかっていました。武里小学校では、「水害予防」、すなわち水害に備えるため、授業を一時間目で終え、児童を帰宅させたことがわかります。学校では、水害に備えるため、急遽宿直を2名体制にもしました(通常は1名)。

武里近辺では日中はさしたる被害がなかったようですが、夜になると半鐘が鳴りやまず、宿直の先生は騒がしい一夜を過ごしたそうです。

宿直の先生の記入欄には次のようにあります。

古利根川より浸水のおそれ時をかさねるに従ひ増大す。されど朝に到るも未だ浸水せず。

16日には、古利根川の洪水の恐れが危惧されながらも、17日朝になっても浸水被害はなかったと記録されています。

しかし、17日には近隣からの避難者が学校に集まり、学校は教室を開放しています。現代でも小学校の校舎は避難所に指定されていますが、戦後直後の時代でも困った方たちが集まる場所だったのですね。武里小は、古利根川の旧流路に発達した自然堤防の上に所在していますので、武里地区のなかでもひときわ標高が高い土地になっていることも、地元の方たちは知っていたのでしょう。

武里村では、字備後で古利根川が17日午後1時に決壊し、越水が起きています。日誌では「一ノ割方面ニ浸水」ともあり、翌17日には周辺の被害が次第に生じてきたことがわかります。その後、武里小学校はどう対応したのか。学校の再開はいつだったのか。

あまり饒舌に語ると、せっかくの展示を見に来ていただけませんので、この辺りでとどめておきます。

詳しくは展示で紹介していますので、ぜひご覧ください。

【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】松伏町役場でパネル展が開催されています

10月28日まで、松伏町役場で、「都鳥がみた古代」のパネル展が開催されています。

 

松節町役場パネル展

松伏町役場は北越谷駅から東へ約5㎞の位置にあります。展示は、松伏町役場本庁舎入ってすぐの町政情報コーナーで行われ、この場所には、普段から松伏町内の貝塚である本郷貝塚と栄光院貝塚の出土土器が常設展示されています。

このうち本郷貝塚の土器群は、縄文時代後期の優品の蓋付(ふたつき)注口土器などから構成され、埼玉県指定文化財になっています。

本郷貝塚出土縄文土器及び石器(松伏町ホームページ)

 

公共交通機関でのアクセスする場合、せんげん台駅、北越谷駅から茨急(茨城急行)バスです。北越谷駅からは、平日は約10分ごとにバスが出ていて便利です

見学できる時間は、役場の開庁時間である月曜日から金曜日の8時30分〜17時15分ですのでご注意ください。

この機会にぜひお出かけください。

開催期間 令和6年10月4日(金曜日)~10月28日(月曜日)

開催場所 松伏町役場本庁舎1階 町政情報コーナー 松伏町大字松伏2424番地

開館時間 午前8時30分~午後5時15分

休館日 土曜・日曜・祝日

お問い合わせ 048-991-1873(教育文化振興課直通)

 

リレー展示は、下記日程で開催予定です。

10月4日から10月28日 松伏町役場 パネル展示

11月2日から12月1日 羽生市立郷土資料館 パネル展示

12月14日から令和7年1月13日 越谷市立図書館展示室 パネル展示

1月25日から3月9日 八潮市立資料館 資料展示

3月15日から4月8日 白岡市立歴史資料館 資料展示

4月12日から4月29日 吉川市中央公民館 パネル展示 

5月3日から5月25日 久喜市立郷土資料館 資料展示

6月3日から7月21日 幸手市郷土資料館 資料展示

7月29日から8月24日 蓮田市文化財展示館 資料展示

9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示

10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示

令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示