2017年7月の記事一覧
浜川戸遺跡出土の板碑 『新編図録春日部の歴史』からのご紹介15
昭和62年に浜川戸遺跡で行われた発掘調査では、浜川戸砂丘の頂上部分に中世墓が確認され、3体分の焼かれた人骨、土器類とともに板碑(いたび)が発見されました。
板碑に刻まれた年号は、古いものから弘安6年(1283年)、徳治3年(1308年)、正和元年(1312年)、嘉暦2年(1327年)、応安2年(1369年)となります。これはこの墓地が、1283年から1369年まで86年間使用されたことを示すとともに、砂丘の頂上部分で発見されていることから、古い年代の1283年や1308年頃には、既に砂丘の形成が終了していたことを示す根拠ともなります。
これらの板碑は「浜川戸遺跡出土板石塔婆」として春日部市有形文化財に指定されて、春日部市郷土資料館に展示しています。さらに平成28年3月には、春日部八幡神社や八幡公園一帯に広がる砂丘が「中川低地の河畔砂丘群 浜川戸砂丘」として埼玉県天然記念物にも指定されました。
「館跡とくらし」『新編図録春日部の歴史』62ページ
『浜川戸遺跡8 10次 花積台耕地遺跡6次 慈恩寺原南遺跡 塚内18号墳』春日部市埋蔵文化財調査報告書第12集 2002
砂丘上の墓地
発見された板碑
板碑に刻まれた年号は、古いものから弘安6年(1283年)、徳治3年(1308年)、正和元年(1312年)、嘉暦2年(1327年)、応安2年(1369年)となります。これはこの墓地が、1283年から1369年まで86年間使用されたことを示すとともに、砂丘の頂上部分で発見されていることから、古い年代の1283年や1308年頃には、既に砂丘の形成が終了していたことを示す根拠ともなります。
これらの板碑は「浜川戸遺跡出土板石塔婆」として春日部市有形文化財に指定されて、春日部市郷土資料館に展示しています。さらに平成28年3月には、春日部八幡神社や八幡公園一帯に広がる砂丘が「中川低地の河畔砂丘群 浜川戸砂丘」として埼玉県天然記念物にも指定されました。
「館跡とくらし」『新編図録春日部の歴史』62ページ
『浜川戸遺跡8 10次 花積台耕地遺跡6次 慈恩寺原南遺跡 塚内18号墳』春日部市埋蔵文化財調査報告書第12集 2002
砂丘上の墓地
発見された板碑
市民の方から資料の寄贈をうけました。
市内在住の方から、昭和12年(1937)5月~昭和18年(1943)10月「南桜井村報」を寄贈していただきました。
「南桜井村報」は、北葛飾郡南桜井村の村民向けに発行された村の広報誌です。
これまで、「南桜井村報」の存在は知られており、当館では昭和13年4月~昭和16年6月の一部を所蔵していましたが、欠号が多く全容がわかっていませんでした。
今回、ご寄贈をいただいたものは、「南桜井村報」の第一巻第一号から、第九巻第四十四号までほぼ欠号がなく綴りこまれています。
第一号の巻頭の辞によれば、「紙上を通じて村の皆様に、村の希望、注意指導等を、お伝へする」ために毎月一回発行したことがわかります。また「読者欄」が設けられ、村民「体験、抱負、希望等」を発表する場を兼ねていたようです。
実際に、発行初期には「小学校で今度養鶏をやつて居る様ですが、種卵は譲って戴けるのでしょうか」などの農産業に関するQ&Aや、「南桜井村和楽音頭」(作詞:石原江風)という郷土の歌が掲載されるなど、地域の産業・文化の情報発信・伝達の場として機能していました。
しかし、日中戦争が深刻化すると、出征者からの報告の手紙を紹介する「戦場便り」や、出征者が戦没すると追悼や村葬儀の案内等、「銃後奉公」や戦地に関する情報が、村報の紙面を占めるようになっていくことがわかります。
戦前・戦時期の南桜井村、県東部の農村の状況を示す大変貴重な資料といえます。
今後、調査研究して、活用させていただきたいと存じます。
改めて、寄贈いただいた方にはお礼を申し上げます。
「南桜井村報」は、北葛飾郡南桜井村の村民向けに発行された村の広報誌です。
これまで、「南桜井村報」の存在は知られており、当館では昭和13年4月~昭和16年6月の一部を所蔵していましたが、欠号が多く全容がわかっていませんでした。
今回、ご寄贈をいただいたものは、「南桜井村報」の第一巻第一号から、第九巻第四十四号までほぼ欠号がなく綴りこまれています。
第一号の巻頭の辞によれば、「紙上を通じて村の皆様に、村の希望、注意指導等を、お伝へする」ために毎月一回発行したことがわかります。また「読者欄」が設けられ、村民「体験、抱負、希望等」を発表する場を兼ねていたようです。
実際に、発行初期には「小学校で今度養鶏をやつて居る様ですが、種卵は譲って戴けるのでしょうか」などの農産業に関するQ&Aや、「南桜井村和楽音頭」(作詞:石原江風)という郷土の歌が掲載されるなど、地域の産業・文化の情報発信・伝達の場として機能していました。
しかし、日中戦争が深刻化すると、出征者からの報告の手紙を紹介する「戦場便り」や、出征者が戦没すると追悼や村葬儀の案内等、「銃後奉公」や戦地に関する情報が、村報の紙面を占めるようになっていくことがわかります。
戦前・戦時期の南桜井村、県東部の農村の状況を示す大変貴重な資料といえます。
今後、調査研究して、活用させていただきたいと存じます。
改めて、寄贈いただいた方にはお礼を申し上げます。
郷土資料館体験ワークショップを開催しました
平成29年7月1日(土)、郷土資料館展示室で「体験ワークショップ ぶんぶん駒を作ろう!」が開催されました。
春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「ぶんぶん駒」を一生懸命に作り、”ぶーん・ぶーん”と音を鳴らしながら遊んでいました。
ワークショップは、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。
次回ワークショップは、平成29年8月5日(土)に「からくり屏風」を作ります。ご参加をお待ちしています。
春日部の伝説をもとにした紙芝居や、蓄音機によるレコード鑑賞を楽しんだあと、昔のおもちゃ「ぶんぶん駒」を一生懸命に作り、”ぶーん・ぶーん”と音を鳴らしながら遊んでいました。
ワークショップは、昔の遊びを気軽に体験できるイベントです。事前申込み不要、当日の飛び込みも大歓迎です。
次回ワークショップは、平成29年8月5日(土)に「からくり屏風」を作ります。ご参加をお待ちしています。