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2024年10月の記事一覧

【臨時休館のお知らせ】10月26日(土)午後、27日(日)

令和6年10月27日(日)は、教育センターが衆議院議員総選挙の投票所として利用されます。そのため、準備を含め下記の日程で郷土資料館は休館となります。ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

〈臨時休館日〉

令和6年10月26日(土)午後

令和6年10月27日(日)終日

※令和6年10月28日(月)は通常の休館日となります。

桜川小学校の3年生が郷土資料館を見学しました

令和6年10月18日(金)に桜川小学校の3年生が郷土資料館を見学しました。

 

今日は楽しい社会科見学の日だそうです!市役所新庁舎、郷土資料館、豊野工業団地(バスの中から見学)、折原果樹園と1日かけて回るとのことで、大喜びの様子♪

 

郷土資料館では、常設展示室、企画展示室、鉄道高架PR展示室を紹介しました。
常設展示室では、縄文時代の竪穴建物の模型や、江戸時代の粕壁宿の模型をみながら学芸委の解説を聞きました。

常設展示室見学風景

縄文時代の人は何を食べていたのか、どういう暮らしをしていたのか、模型の中にある食材や道具などから探っていきました。
衣服がシカなどの動物の皮で作られていることなど知らないことがいっぱいでしたね!

 

企画展示室見学風景

企画展示室では、約80年くらい前の民具について解説を受けました。
現在、企画展示室では「くらしのうつりかわり」展を開催しており、多くの民具が展示されています。
今年は、「むかしのどうぐ人気投票」を行っており、児童たちにも任意で参加してもらいました。それが功を奏してか、投票のために道具の名前に注目する子もチラホラ。普段は民具の外見だけに注目する子が多いのですが、参加型になると展示の見方も変わるようです

 

鉄道高架PR展示室見学風景

鉄道高架PR展示室では、県鉄道高架建設事務所の職員の方に解説をしていただきました。
鉄道の高架化は、鉄道を高い位置に設置して暮らしを便利にする事業です。いわゆる“開かずの踏切”が春日部にも存在しており、児童たちもその存在は知っている様子。そういった身近な問題の解決から、駅周辺の活性化など児童の視点からもわかりやすく解説してもらいました。

モニター釘付けの児童

自由見学の時間には、モニターに釘付けになる児童の姿も(笑)

 

今日は雨が降ったりやんだりとはっきりしないお天気ですが、きっとどんな天気でも楽しめてしまうでしょう!
そんな風に思わせてくれる、元気いっぱいの桜川小3年生でした!
ぜひまた来てください♪

#ハルカイト 見学のススメ(2) 大型 #民具 目白押し

前回の記事に引き続き、ハルカイト(大凧文化交流センター)の見どころをご紹介。

第2弾は、地域の歴史民俗を紹介する展示室。

郷土資料館は狭く、展示スペースが限られていますので、特に歴史時代のパートでは立体的な資料が少なく、よく言えばコンパクト。悪く言えば迫力に欠ける展示です。仮に立体物を展示すると、資料1点だけで終わってしまうから、仕方なく、こじんまりとした展示をしています。反対にいえば、大型の民具があっても、展示できない、日の目を見る事がないということです。

そうした課題もあり、ハルカイトの展示では、郷土資料館では展示しづらい大型の民具をいくつも展示してみました。

その一例が、これです。

写真:タコ

 資料の名称は「タコ」。大人4人を棒をもち、地面をドスン、ドスンをたたく道具です。堤防やあぜ道、土間などの地固めで使ったものです。下吉妻地区で使用されていたものです。次の道具も同じ用途で使われたものです。

写真:ジギョウツキ

名前は「ジギョウツキ」。赤沼地区で使用されていたものです。

「ジギョウ」とは「ジンギョウ」ともいい、漢字では「地形」と書くようです。地形とは、国語辞典では地固めのことを指しますが、地元では水塚(みづか)などの地固めした土地のことを「ジンギョウ」と呼ぶようです(松伏町史資料2『民具』)。

本来は、前の「タコ」と同様に立てて使うものなので、立てて展示したかったのですが、資料の高さが314cmもあり、天井にぶつかってしまうため、残念ながら寝かせて展示です。

いずれも、市民の皆様から寄贈されながらも、長く別置された倉庫に保管されていて、なかなか日の目を見ることがなかった資料です。中川低地の県東部地域で特徴的な水塚(みづか)、あるいは堤防などを築造するのに使われた、特色ある資料といえるでしょう。

ほかにも、郷土資料館では、お目見えできない迫力ある民具が並んでいますので、ぜひ民具マニアの方も、そうでない方も、ご覧いただければ幸いです。

【 #10月15日 】 #今日は何の日? in春日部

今から70年前、昭和29年(1954)10月15日は 市の広報誌が発行された日です。 #かすかべプラスワン

今は「広報かすかべ」と呼んでる市報のはじまりの話。当時は「春日部市政だより」という名称でした。創刊号は、瓦版のような一枚摺り物。もちろんモノクロです。創刊号の紙面はこれです(広報誌縮刷版より)。

画像:春日部市政だより創刊号

(旧)春日部市が誕生が誕生したのは、昭和29年7月1日のこと。紙面の冒頭には、山口宏市長の「市政だより発刊に際して」のあいさつ。小見出しには「田園都市の建設を念願」とあります。

当時の市の人口は3万人余り。かつて宿場町だった粕壁の市街地から少し離れると農村=田園風景が広がるまちでした。それを「田園都市」と言い当てているのでしょう。合併直後は、財政・課税上の問題もあったようで、「本格的な建設に入るのは来年度」と断ったうえで、「学校を相互に結ぶ幹線道路の建設」を掲げ、「生成的な田園都市」を目指すと述べています。

現在の「広報かすかべ」は、市政・制度や諸事業の予定をお知らせする記事が大半を占めていますが、紙面は、市制施行後3か月を経た創刊号ということもあり、議会や様々な事業の報告、各種組織や委員会の構成員の報告など、市民に対して市政をフィードバックする記事が多いのが特徴です。裏面には、市章が決定したこと、東京で開催された全国地方自治綜合大会にて、大畑の「ミロク踊り」(やったり踊り)が三等に入賞したこと、ミス春日部が決まったこと、などを報じています。

丸山鼎市議会議長は、市政だよりの発刊を「その行政を市民に周知せしめ、市民の声を取り入れて、所謂民主的行政の運営を図るべく、即ち役所と市民のつながりとしての役割が極めて大なるもの」と位置付けています。春日部の市政について周知する媒体として、期待されていたことがうかがえるでしょう。

担当者が個人的に面白いと思えたのは、市政だよりの題字です。「春日部市政だより」の文字、「春」「部」「市」「政」はとても美しい草書体です。揮毫した人が誰なのかわかりませんが、非常に格式高い題字だと思います。いかに親しみをもって手に取ってもらえるか、工夫を重ねている現在の広報誌では考えられない題字といえましょう。ちなみに、草書体の題字は次号の第2号(昭和29年11月18日発行)で早くも楷書体に替わり、幻の題字となりました。昭和29年度は創刊号~4号、30年度は5号~10号、31年度は11・12号、32年度は13・14号と発行回数もまばらでしたが、昭和33年度の第15号(昭和33年4月10日発行)から「毎月1回・10日発行」となります。「春日部市政だより」は、第70号(昭和37年11月10日発行)を記念し、「広報かすかべ」に改称し、「紙面の刷新改変をはかる」ことになりました。当時の発行部数は、7500部と記されています。

広報誌(市政だより)のバックナンバーは創刊号に関わらず、広報かすかべの縮刷版でご覧いただけます。図書館や市政情報室などに配架しています。

ちなみに縮刷版は、昭和46年(1971)7月に発行されました。縮刷版の田中市長のあいさつ文には「新庁舎も完成し、進展する社会に即応して、なお一層の施策の充実を期するときにあたり、この17年間における市政のできごとの要約版ともいうべき「広報かすかべ縮刷版」を発刊することとした」とあります。当時、流行の最先端となる旧市庁舎(二代目市庁舎)の完成を記念して、市政が「躍進」するなかで、過去を顧みる試みがなされたといえるでしょう。しかし、縮刷版をみると、原本が破けているもの(第16号など)もあり、昭和46年当時、古い資料が処分されつつあり、17年間の市政をふりかえる(広報誌のバックナンバーを集める)ことが困難であったことがうかがえます。

「温故知新」とは使い古された言葉ですが、過去を顧みて、新しい道を切り拓くことは、70年経ち、新しい庁舎での業務が始まった今にも求められている、と感じるのは私だけでしょうか。

過去の今日は何の日?in春日部シリーズ→1月1日版3月14日版3月27日版4月1日版4月28日版6月2日版6月3日版6月10日版7月31日版9月1日版9月16日版11月25日版

過去の今日は何の日?in春日部シリーズは、上のリンクからお読みいただけます。

郷土資料館【手作りおもちゃクラブ】を開催しました

令和6年10月13日(日) の午前と午後各1回ずつ、郷土資料館手作りおもちゃクラブ「ペーパーローリングを作ろう!」を開催しました。

 

蓄音機上演風景

まずは蓄音機の上演から。
使用している蓄音機は100年ほど前に使われていたもので、電気を使わず、ゼンマイで動きます。

 

紙芝居の読み聞かせ

紙芝居の読み聞かせは「蛇女房」という鶴の恩返しにも似たお話です。この日作ったおもちゃも見ようによっては蛇のようにみえるかも?

 

おもちゃ作り風景

おもちゃ作りでは「ペーパーローリング」を作りました。40年くらい前には、お祭りの屋台で大ヒットしていたようです!

シュルシュルッという音も心地よく、自然に戻ってくるので何度でも遊べるのがうれしいおもちゃです♪

 

缶バッジ作り

最後はおみやげの缶バッジ作りをしておしまいです。
実はこのバッジマシン、来てくれたこどもたちに喜んでもらうべく、毎度他課から借りてきています(笑)
今日も喜んでもらえたようで何よりです!

 

次回の手作りおもちゃクラブは11月10日(日)と14日(木)に開催予定です。
詳しくは広報紙等に掲載いたします。それぞれ別のおもちゃを作る予定なので、ぜひ楽しみにしていてください!

#常設展 #プチ展示替 しました

常設展示の「水とのたたかい」のコーナーの展示資料を展示替えしました。新出資料の武里小学校の日誌です。

今回展示した日誌は、昭和22年(1947)のもの。昭和22年といえば、カスリン台風の水害が起きた年です。

水害のきっかけとなった、利根川の堤防の決壊は、9月16日の午前0時に起こりました。洪水の濁流は、日時をかけて県東部の中川低地を襲い、最終的には東京まで浸水することになったのは、以前も紹介した通りです。

 日誌から、水害発生時の学校の対応が明らかになります。

日誌の9月16日条には次のように記されています。

水害予防により全校児童、授業第一時にて打切、帰宅さす

水害が発生した当日、児童は通常通り、武里小学校に登校したようです。しかし、すでに利根川の堤防は決壊しており、濁流が押し寄せてくることはわかっていました。武里小学校では、「水害予防」、すなわち水害に備えるため、授業を一時間目で終え、児童を帰宅させたことがわかります。学校では、水害に備えるため、急遽宿直を2名体制にもしました(通常は1名)。

武里近辺では日中はさしたる被害がなかったようですが、夜になると半鐘が鳴りやまず、宿直の先生は騒がしい一夜を過ごしたそうです。

宿直の先生の記入欄には次のようにあります。

古利根川より浸水のおそれ時をかさねるに従ひ増大す。されど朝に到るも未だ浸水せず。

16日には、古利根川の洪水の恐れが危惧されながらも、17日朝になっても浸水被害はなかったと記録されています。

しかし、17日には近隣からの避難者が学校に集まり、学校は教室を開放しています。現代でも小学校の校舎は避難所に指定されていますが、戦後直後の時代でも困った方たちが集まる場所だったのですね。武里小は、古利根川の旧流路に発達した自然堤防の上に所在していますので、武里地区のなかでもひときわ標高が高い土地になっていることも、地元の方たちは知っていたのでしょう。

武里村では、字備後で古利根川が17日午後1時に決壊し、越水が起きています。日誌では「一ノ割方面ニ浸水」ともあり、翌17日には周辺の被害が次第に生じてきたことがわかります。その後、武里小学校はどう対応したのか。学校の再開はいつだったのか。

あまり饒舌に語ると、せっかくの展示を見に来ていただけませんので、この辺りでとどめておきます。

詳しくは展示で紹介していますので、ぜひご覧ください。

【東部地区文化財担当者会リレー展示_都鳥が見た古代】松伏町役場でパネル展が開催されています

10月28日まで、松伏町役場で、「都鳥がみた古代」のパネル展が開催されています。

 

松節町役場パネル展

松伏町役場は北越谷駅から東へ約5㎞の位置にあります。展示は、松伏町役場本庁舎入ってすぐの町政情報コーナーで行われ、この場所には、普段から松伏町内の貝塚である本郷貝塚と栄光院貝塚の出土土器が常設展示されています。

このうち本郷貝塚の土器群は、縄文時代後期の優品の蓋付(ふたつき)注口土器などから構成され、埼玉県指定文化財になっています。

本郷貝塚出土縄文土器及び石器(松伏町ホームページ)

 

公共交通機関でのアクセスする場合、せんげん台駅、北越谷駅から茨急(茨城急行)バスです。北越谷駅からは、平日は約10分ごとにバスが出ていて便利です

見学できる時間は、役場の開庁時間である月曜日から金曜日の8時30分〜17時15分ですのでご注意ください。

この機会にぜひお出かけください。

開催期間 令和6年10月4日(金曜日)~10月28日(月曜日)

開催場所 松伏町役場本庁舎1階 町政情報コーナー 松伏町大字松伏2424番地

開館時間 午前8時30分~午後5時15分

休館日 土曜・日曜・祝日

お問い合わせ 048-991-1873(教育文化振興課直通)

 

リレー展示は、下記日程で開催予定です。

10月4日から10月28日 松伏町役場 パネル展示

11月2日から12月1日 羽生市立郷土資料館 パネル展示

12月14日から令和7年1月13日 越谷市立図書館展示室 パネル展示

1月25日から3月9日 八潮市立資料館 資料展示

3月15日から4月8日 白岡市立歴史資料館 資料展示

4月12日から4月29日 吉川市中央公民館 パネル展示 

5月3日から5月25日 久喜市立郷土資料館 資料展示

6月3日から7月21日 幸手市郷土資料館 資料展示

7月29日から8月24日 蓮田市文化財展示館 資料展示

9月5日から9月19日 加須市パストラルかぞ パネル展示

10月24日から11月26日 三郷市わくわくライブラリ― パネル展示

令和8年1月6日から3月1日 宮代町郷土資料館 資料展示

くらしのうつりかわり展のみどころ(その2)

前に紹介した「くらしのうつりかわり」展。血も涙もない総選挙「むかしのどうぐ人気投票」も絶賛実施中です。

毎年恒例とはいいながらも、地味に展示資料やパネルを変えていますので、少し変わった点を紹介させていただきます。

写真:くらしのうつりかわり展全景

例年の「くらしのうつりかわり」展では、資料をギュウギュウに詰め込んでいました。

ところ狭しと資料を展示するのが、春日部市郷土資料館流。だって、展示室が狭いんですもの。

少し見栄えが悪くたって、背に腹は代えられません。せっかく見に来てくださっているのですから、おなか一杯になるように、資料をたらふく紹介したい。そういう、展示の技法(思想?)です。

しかし、ギュウギュウだと見栄えが悪く、ごちゃごちゃしていて見ている方も(実は並べる方も)疲れます。なので、今回は、春日部市郷土資料館らしくない、若干ゆったり目の展示としました。写真奥の「むかしの家のなかの道具」のケースは例年よりも陳列するものを若干ですが、減らしています。

また、はじめて展示するモノも増やしました。

写真:せんばこき

題して「千歯こき、大集合!!」

職人が一つ一つ手づくりした「むかしの道具」は、同じ名前でも、一つ一つに個性があって、背景がある。

たとえば、写真の左手前の千歯こきの台木には、墨で文字が書かれていますが、他の二つにはその痕跡がありませんし、左上段の千歯こきは、他の2つに比べて歯の数が少なくなっています(歯のことを「穂」というそうです)。

団体見学で来館してくれた小学校のみなさんには、千歯こきの体験をしてもらっています。

体験につかう千歯こきは、別にもう一つありますから、つかったものと並べ、同じ道具でも、よーくみると少しずつ違いがあることに気づいてほしい。そんな思いを込めて千歯こきを招集しました。

実は、展示場所を決めたあと、まだ千歯こきが収蔵されていることに気づきました。本当の大集合はまた別の機会を用意できればと思っています。

 

事業名:くらしのうつりかわりーなつかしのくらしの道具展ー・なぞとき郷土資料館THE THIRD MISSION

会 期:令和6年10月8日(火)~令和7年3月2日(日)

費 用:無料

【手作りおもちゃクラブ】ペーパーローリングを作ろう!

10月13日(日)に“手作りおもちゃクラブ”を開催します。

 

今回作るおもちゃは「ペーパーローリング」です。

 ペーパーローリング

郷土資料館で作るおもちゃは動力に電気を使わない、身近にある材料で手作りできるものになっています。電気を使わない遊びなんて、今日では探す方が難しいかもしれませんね。
もちろん下準備や、作るうえでのコツは必要ですが、懐かしさと手作り感満載に出来上がるおもちゃが“手作りおもちゃクラブ”のウリです♪

ペーパーローリングの遊び方はコチラ


 シュルンッと伸び縮みする剣のようでカッコイイ!
勢いよく振りすぎると、ぐにゃりと折れ曲がって壊れてしまうのですが、そのギリギリを狙うのが楽しかったりします(笑)

 

手作りおもちゃクラブは申込不要、おもちゃの材料も資料館で用意しています。
当日の午前10時30分と午後2時からの計2回開催しますので、お時間までに郷土資料館にお越しください!

 

【手作りおもちゃクラブ】
日時:令和6年10月13日(日)午前10時30分~・午後2時~
場所:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15)
内容:蓄音機と紙芝居の上演
   おもちゃづくり(ペーパーローリング)
費用:無料
申込:不要(開催時間までに郷土資料館にお越しください)

 

 

考古学講座第1回目を開催しましたー慈恩寺原北遺跡の旧石器

考古学講座風景

9月28日土曜日、今年度の考古学講座が開講しました。5回連続の講座で、1日目の本日は、「考古学とは?」と「春日部のどこに遺跡があるか?」、「春日部の旧石器時代」についてお話いたしました。内容は、昨年度とほぼ同様ですので、ご興味がある方は昨年度の記事などをご参照ください。

また本日は、慈恩寺原北遺跡の石器を会場でご覧いただきました。

慈恩寺原北遺跡は、東武アーバンパークライン豊春駅の北西方向、花積(はなづみ)地区に所在します。大宮台地上に立地し、標高約17mです。

平成17年に開智学園の校舎建設に先立ち発掘調査が行われ、旧石器時代、縄文時代、古墳時代、平安時代の遺構が確認されました。

このうち旧石器時代は、関東ローム層の最下部の約3万年前の層から58点の礫、石器、剥片が出土ました。

特に興味深いのは石器に使われている石材が多様なことです。群馬県域を中心に分布するガラス質黒色安山岩(あんざんがん)、栃木県矢板市高原山(たかはらやま)産の黒曜石(こくようせき)のほか、新潟県阿賀野市笹神(ささかみ)丘陵産と推定される珪質頁岩(けいしつけつがん)、碧玉(へきぎょく)、瑪瑙(めのう)などがあり、当時の人々の活動や交流範囲の広さを示しています。

これらの石器は「慈恩寺原遺跡出土旧石器時代石器群」として、春日部市指定文化財になっています。

慈恩寺原北遺跡の旧石器

 

次回は10月26日(土曜日)、内容は「発掘調査の方法・層位学」、「春日部の縄文時代」です。本日の続きもお話ししますので、お配りしたテキストをお持ちください。