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カテゴリ:郷土資料館

#春日部市 郷土資料館 #体験講座 「桐の貯金箱づくり」を実施しました

11月16日、体験講座「桐の貯金箱づくり」を実施しました。

この講座は、春日部桐箱工業協同組合の皆さんのご協力のもと、令和3年から継続して実施しています。今年は、定員を超過する申込みもあり、資料館の体験講座のなかでも不動の人気を誇る講座です。

今回は、普段は市内で桐箱製造などに取り組まれている5名の職人さんにご指導いただき、オリジナルの桐の貯金箱づくりを体験していただきました。

写真:講座の模様

講座用にご用意いただいた、製作キットの中身を確認して、まずは、箱を組んでいきます。

「のり」は、水性の木工用ボンドです。桐材の木っ端をヘラにして、糊付けしていきます。

写真:のりづけ

参加者の皆さん、はじめは、手に付かないよう恐る恐る糊付けをしていましたが、職人さんの指導をうけ、最後は指で塗っている方もいました。また、二枚あわせて糊を塗るコツも伝授されていました。繁忙期にはとても忙しい春日部の桐箱製造。大量生産のために作業効率を上げることも「技術」の一つです。

糊を付けた後、枠組みにします。

写真:わくづけ

糊を付け、枠組みにして、この後、圧着させるために輪ゴムをかけるのですが、小さいお子さんは、少し難しかった模様。ご家族に助けてもらいながら、集中して作業をしていました。

段々、箱型になってきたら、次は「オリジナル」の部分。

写真:下絵を描く

箱の背板にあたる部分にオリジナルの図柄・デザインを描きます。この後、職人さんに切り抜いていただくので、下絵を描いています。皆さん、どんな貯金箱にしたいか、事前に考えてきてくれていました。今年も、ポケモン、にゃんこ大戦争、推しの子などアニメやゲームのキャラクター。絵本のパンどろぼう、オリジナルのデザインを描いていた子もいました。

下絵が描けたら、職人さんに電鋸で切り抜いていただきます。

写真:電鋸

一般の方、ましてやお子さんでは、柔らかい桐材(板)といえども、細かい細工で切り抜くことはできません。普段から木工をされている、職人さんに、普段はあまりみない電鋸をつかって、オリジナルのデザインに切り抜いていただける。ここがこの講座のポイントです。

今年は二台編制で進めていただきましたので、待ち時間も長くなく、スムーズに進行しました。

自分で描いたデザインの形に切り抜いていただける、子どもたちは職人さんを羨望のまなざしでみていました。子どもたちだけではありません。

写真:電鋸を撮影

大人の参加者の方も、スマホで切り抜きを動画撮影。

こうした実演を目の当たりにすることで、何気なく消費しているモノの有難みや、「ものづくり」の素晴らしさを実感することができたのではないでしょうか。電鋸の切り抜きの時間は、「ものづくり」を担う職人の皆さんが、最も輝いている時間でした。

切り抜きの後、背板と表の板を糊付けします。

ズレないように、また背板はお金を取り出せるフタの細工があるので、慎重に糊付けをします。

写真:職人さんに指導

職人さんにやさしく、丁寧に教えてもらいながら作ります。

写真:表板のはり付け

お子さんだけでなく、ご年配の参加者の方も。

この男性は「春日部市のためにマスクを取ろう!」といって撮影に応じていただきました。「広報誌に載せてくれ」とご要望いただきましたが、「ほごログ」でご勘弁ください。

そして、完成。

写真:完成1

姉妹で参加してくれた二人は、仲良く丁寧に造っていました。

色付けはご自宅で。水性やアクリル絵の具などでできるようです。

こちらも姉妹で参加。

写真:完成2

イラストをプリントした紙を貼りつけて完成。紙やシールをはれば、色を塗る手間も省け、クオリティーの高い仕上がりになります。これもオリジナルです。

アンケートでは、「職人さんが丁寧に教えてくれて子どもでも作ることができた。また開催してほしい」「ただの板がだんだん箱になっていくのが楽しかった」「板に溝をつけるところを見てみたい」など、皆さん、満足のいく貯金箱がつくれたようです。春日部の伝統の桐箱づくりを肌で感じていただけたようです。

貯金箱完成後も、展示用の多種多様な桐箱に親しむ子どもたちがみられました。

写真:桐箱に親しむ

貯金箱をつくったり、見本や製品に接して、春日部の伝統産業に触れる機会になったのではないかと思います。

参加者の皆さま、春日部桐箱工業協同組合の皆さま、どうもありがとうございました。