修学旅行5
これまで3日間の様子について、時間を追って紹介してきました。最後は、実行委員を中心に「生徒自身が修学旅行をつくる意識」で行動していた様子をお知らせします。
実行委員は10名。今回の修学旅行に向けて実行委員会が結成されました。事前に何度も話し合いを重ね、スローガンを決めたり役割分担をしたりして、準備を進めてきました。
スローガン: 「古都の伝統に触れ、友情を深める旅 ~歴史の世界へおいでやす~」
このほか、しおり編集委員も活躍しました。様々な人が関わって実現した修学旅行でした。
修学旅行当日、実行委員は出発式に向けて、早朝の片岡駅に集まってきた生徒たちへ呼び掛け、整列させるところから始まりました。
旅行中にも、実行委員が公共のマナーについて気付いたときに自主的に言葉を掛けたり、次の場面で必要なことを先に伝えられるようしおりを見て確認をしたりしていました。
はじめの頃は、実行委員からの発信が多かったのですが、それに協力し生徒一人一人が全体のことを考えて行動する様子が増えていきました。生徒の感想にも表れているので一部紹介します。
「実行委員がクラスの人に大きな声で指示をしていたのですごいなと思いました。」
「人員確認をするときに班のみんなが『全員いるよ!』などと声を出してくれたり、手を振ってくれたりしてくれたのでとてもスムーズに行うことができた。とてもありがたかった。」
「バスでも新幹線でもどの場面においてもみんな自分で考え行動し、先生への負担は少なかったと思う。」
(班別研修の会計係が、残金を分配するために計算をしている様子。実行委員以外の生徒たちも活躍していました。)
旅行中も、旅館では実行委員会議を行い、良かったことや改善点を話し合い、翌日の朝食の時に連絡をしていました。実行委員の連帯意識が高まり、日中も声を掛け合う様子が多く見られました。
最終日の朝に荷物を発送するため、1階のロビーに荷物を出す順番を考えたのも実行委員のアイディアです。3階の生徒の荷物から順番に館内放送を使ったり各階にいる実行委員が呼びかけをしたりして、6階の生徒の荷物までを、狭い階段を混乱なく短時間に行うことができたのは素晴らしかったです。この頃になると、みんなのために役に立つ行動をする楽しさを感じていた様子が見て分かりました。
(生徒たちは実行委員の方へ意識を向けている写真)
東京からのバスがいよいよ片岡中学校に到着するというとき、生徒の目に映ったのは、暗闇の中、全ての教室の電気が付いていて明るく輝く校舎からの光です。「帰ってきた」という思いを感じたことでしょう。生徒の帰りを待っていた先生方の粋な計らいです。バスを誘導する先生方も多く出てくださっていました。
バスを降り始めた生徒たちから「実行委員は全員先に降りたかな?」という発言が聞こえました。実は、実行委員が代表して出迎えてくださった先生方にお礼の挨拶をするためだったのです。
事前に生徒同士で打合せをしていたのでしょう。実行委員に協力する他の生徒の気持ちもうれしかったです。先生方ももちろんですが、生徒も粋な計らいができるのですから、感動しました。
最後に、生徒の感想をいくつか紹介します。多くのことを学んだ様子が、言葉になって表れています。御家庭の皆様の御協力あっての修学旅行でした。本当にありがとうございました。今回の学びを、今後の日々の学校生活につながるように、連続性を意識させていきたいと思います。
・修学旅行先でも感謝の言葉などのお礼やあいさつは欠かさずすることができたので続けたいです。
・3日間だけではあったけど、ここまで長い時間クラスの人と過ごしたことはなかったので、皆のことをより知ることができました。
・一人一人が公共の場でのマナーを守り、常識のある行動を心がけていた。また、挨拶も誰かから指示される前に自ら進んでできていた。
・今回の修学旅行で私は、自主性などを身につけることができました。これからは、身につけた自主性を学校生活で生かしていきたいと思います。
・修学旅行を通じて友達の大切さを改めて感じました。班別研修や旅館の生活は仲間の協力があったからこそ成り立ったのだと思います。友達と協力することを忘れずに、今後の合唱コンクールや受験でも支え合っていきたいです。
・修学旅行を通して、主体的な行動や仲間との協調性が修学旅行を楽しく過ごすための必須能力なのだとわかった。これから行われる行事などに修学旅行で学んだ主体性・協調性のスキルを生かしていきたい。
・修学旅行で学んだ「自分で考えて行動する」というのを日常生活でも頑張ってやっていきたい。色々な人の支えや協力があって行くことができたので、感謝の気持ちを忘れないようにしたい。