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校長室のひとりごと「読書の秋なのに」

 先日、文化庁の国語の世論調査について書きましたが、この調査には語句だけではなく「読書」についても調査しています。例えば「1か月に何冊くらい本を読みますか」です。この「何冊」には、電子書籍は含まれ雑誌やマンガ本は含まれません。
 今回公表された2023年度調査では「1冊以上読む」が36.9%、「読まない」が62.6%という結果でした。2018年5年前に実施した前回調査では、「1冊以上読む」が52.6%と半数を超え「読まない」が47.3%でした。注目したいのは「読まない」の%で、この5年で約15%も増えた結果です。この調査の対象は16歳以上で6000人を抽出したものです。小中学生の頃に読書習慣が身につかなければ、なかなか大人になってから読書に親しむのは難しいと言われています。
 本校だけではなく、今各中学校は「時間のやりくり」に苦慮しています。一昔前には、学校ごとに工夫しながら「朝読書」など一斉に読書活動に取り組めるよう読書を多くの学校でカリキュラムに組み込んでいました。しかしコロナ禍も手伝い、部活動の朝練習がなくなり、放課後の活動の時間を確保するため少しづつ一般の下校を早めるのなど、一斉に読書の時間を確保することが難しくなってきました。
 GIGAスクール構想による一人一台端末の導入も読書、図書室の利用が少なくなった一因だと感じています。中学校では各教科の学習で「調べ学習」の機会が少なくありません。かつては図書室に行って本を参考にしていたものですが、今は教室にいながら各自がインターネットから欲しい情報を瞬時に手に入れることができるようになりました。
 読書の楽しさ、活字に触れる大切さは、今さら私が言うまでもありません。
 生徒たちには引き続き読書を推奨していこうと思います。