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校長室のひとりごと「推し活」

 「推し活(おしかつ)」という言葉が社会的に広がり認知度も上がっています。「推し活」とはアイドルやアニメのキャラクターなどを応援する活動のことですが、ある調査によると小学生の53%が何らかの「推し活」をしているそうです。一昔前は「オタク」的なイメージがあった「推し活」ですが、仕事や学校の傍ら「推し活」に勤しむ人がかなりの割合でいるようです。

 「推し活」してますか?

 この推し活は心理学的にみても自然のことで、誰しも見たもの聞いたことなど受け取った情報の中から自分なりの価値感でシンボル的で特別な存在を見出します。そうして受け取ったことを、今度は外側に発するようになります。

 例えば友達がキーホルダーを持っており、自分には特に意味もなくどうでもないことでも、その友達にしてみれば、推しのアイドルのキーホルダーだとすれば自己表現の一つで、特別な意味を持つことになります。このような推し活には三つのメリットがあるそうです。

 一つ目は「自分の世界が広がる」ことです。推しのことを調べたり、もっと知ろうとすることで、今まで知らなかった世界を知ることができます。

 二つ目は「自分の資源を分け与える喜びを感じられる」ことです。人間は他の人に親切にする、何かを分け与えることで幸せを感じる本能があります。

 三つ目は「第3の居場所を作ることができる」です。第1の居場所は家、第2の居場所は職場や学校、多くの時間をその往復で時間は過ぎていきますが、同じ趣味の人とコミュニケーションをとるなど第3の居場所を作ることができます。

 これは、大人になる準備段階の小学生の発達という面では、社会性が身につき良い効果が期待できると心理学の専門家は話しています。

 ただし、過度に自分の資源を分け与えようとすると金銭面のトラブルなどの懸念があるのも事実です。何かに価値を見出し、自分でその世界に入り新たな居場所、コミュニティーを作り出せる「推し活」、皆さんも新たに「推し活」に挑戦してみませんか。