おすすめの本

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

『ストーブのふゆやすみ』 村上 しいこ 作 長谷川 義史 絵  

 寒い冬こそ働き時!……のはずが、まさかのストライキ宣言!?「寒いからコタツ入れて」って、お前はストーブちゃうんかい!
 今日は待ちに待った、家族みんなでのスキー旅行。 ところが、出発前の戸締まり点検で大事件発生。いつもの場所に、あるはずの「アレ」がないんです。 「家出したんや」とお父ちゃんが言うので探してみると……なんと、こたつの中がもっこり膨らんでいるではありませんか。恐る恐るこたつぶとんをめくると、そこには目と鼻と口がついたストーブが、ふてくされた顔で隠れていました。そして、あきれ返る家族に向かって、衝撃の一言を放ちます。

”きょうから ふゆやすみ なんや”

ええっ!? 一年で一番忙しいこの時期に、お休み!? しかも「自分はあっためる係」なのに「寒いからこたつに入れて」だなんて、ワガママ放題です。「留守番する」と言い張るストーブでしたが、お父ちゃんの「スキー場からは富士山が見えるぞ」というテキトーな嘘にあっさりダマされ、まさかの同行決定! 「ぼく」の古着を着せてもらい、マフラーを巻き、タクシーに乗って電車に揺られ……。その姿はまるで、ちょっと手のかかる弟そのもの。 

 ゲレンデに着いたら着いたで、「スキー滑る!」と大はしゃぎ。言うことを聞かずにリフトに飛び乗り、案の定、大転倒! 足を痛めたストーブを介抱してあげたり、一緒に雪山を作って遊んだり、いじめっ子に立ち向かったり……。 

 村上しいこさんの軽快な関西弁と、長谷川義史さんの豪快な絵が炸裂! 「なんでやねん!」とツッコミながら読み進めるうちに、手のかかるストーブがなんだか愛おしくなってくるから不思議です。 笑って笑って、最後は体も心もポカポカ温まる、冬の読み聞かせにぴったりの傑作です。

【こんな人におすすめ】

・寒い冬に、親子で盛り上がりたい人!

・「なんでやねん!」と言いたい人!

・お家でストーブを使っている人!

 

 

 

 

『みんなでつくったクリスマスツリー』 

キャロライン・ベイリー 作 こうもと さちこ 絵 うえさわ けんじ 訳

 森中に響いたカラスの声。それは、優しさの奇跡の始まりでした。

 ある日、うさぎは食べ物を探しに出かけました。ところが、人間の仕掛けた罠にかかってしまったのです。痛めた足をひきずって、穴へ帰って行きました。それは、クリスマスの少し前でした・・・。

 松の木の上に住んでいるからすが木のてっぺんからあたりを見渡すと、どの動物のところにも、クリスマス・ツリーがたっているのに、うさぎの穴にはたっていないことに気付きました。けがをしてクリスマス・ツリーがたてられないことを知ると

”カオ―、カオ―。うさぎさんはけがをしてクリスマス・ツリーがたてられないんだよう。”

と、一羽のからすが呼びかけました。その呼びかけは森中に響き渡りました。

 その呼びかけに、森の奥から、木陰から、たくさんの動物たちが次々と足早にうさぎの穴へ向かっていきます。怪我をしたうさぎさんのために、みんなで力を合わせて作る、世界で一番温かいクリスマスツリー。

 読み終わった後、誰かに優しくしたくなる、クリスマスの奇跡の物語です。「メリークリスマス!」という言葉が、もっともっと温かく感じられる一冊です。

【こんな人におすすめ】

 ・「協力すること」「助け合うこと」の温かさを感じたい人!

・「協力すること」「助け合うこと」の温かさを感じたい人!

・読んだ後に、優しい気持ちになりたい人!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『かさこじぞう』  松谷 みよ子 黒井 健 
 

【こんな人におすすめ】

  凍える雪の夜、貧しい夫婦のもとに届いたのは、心あたたまるお正月の奇跡でした。

 年の瀬も押し迫った大晦日。 貧しいけれど心優しいおじいさんとおばあさんは、お正月のお餅を買うため、雪深い中を一生懸命編んだ菅笠を持って町へ売りに行きます。しかし、笠はひとつも売れず、おじいさんはとぼとぼと家路につきます。

 その途中、雪に埋もれ、寒そうに立つ六人のお地蔵さまを見かけたおじいさんは、「これでは おさむかろう」と、売るはずだった笠を次々とかぶせてあげました。

……ここまでなら、誰もが知る優しい昔話です。

 しかし、この絵本のあとがきには、物語の見え方を一変させる、あるお年寄りの言葉が記されています。

”六人生んで六人死んだ。あと二人生んでまた二人死んだ”

 かつて、貧しさや病気のために、生んだ子を育て上げることが本当に難しかった時代がありました。 この物語の「じい」と「ばあ」もまた、そんな時代のつらい思いを抱えて生きていたのでしょう。

「寒かろう……」

 おじいさんがお地蔵さまに笠をかぶせた時、その石の姿に重ねていたのは、雪の下で眠る死んだ我が子の姿だったのかもしれません。 生きていた頃には、お腹いっぱい食べさせることも、暖かい着物を着せてやることもできなかった。だからせめて、このお地蔵さまだけには、雪がかからないように……。 自分の手ぬぐいまで差し出したおじいさんの手は、亡き子を撫でる父親の手だったのです。

そして、手ぶらで帰ったおじいさんに「それはよいことをしましたねえ」と微笑んだおばあさんもまた、同じ悲しみと慈しみを胸に抱いていたのでしょう。

 その夜、そりを引いてやってきた六人のお地蔵さま。 それは単なる「善行へのご褒美」ではなく、「お父ちゃん、お母ちゃん、ありがとう。僕たちはもう寒くないよ」という、子供たちからの魂のメッセージだったのかもしれません・・・。

 親が子を思う切ないほどの愛と、日本の美しい雪景色。 大人になった今だからこそ読んでほしい、涙なしには読めない不朽の名作です。

【こんな人におすすめ】

・「相手を思いやる心」や「無償の親切」の大切さを伝えたい人!

・寒い冬に、心がじーんと温まる物語を読みたい人!

・「かさこじぞう」を単なる恩返しの昔話だと思っていた人!

 この背景を知ってから読むと、おじいさんの優しさに涙が止まらなくなります!

 

 

 


 

『フランダースの犬』 ウィーダ 作 那須田 淳 編訳

  誰もが涙する、少年と犬の美しい絆。クリスマスの夜に起きた、悲しくも清らかな奇跡。

 ベルギーのフランダース地方。絵を描くことが大好きな少年ネロは、おじいさん、そして愛犬のパトラッシュと、貧しいながらも幸せに暮らしていました。 ネロの夢は、いつか立派な画家になること。そして、憧れの画家・ルーベンスの絵が飾られている大聖堂へ行くことでした。

 しかし、優しいネロを次々と悲しい運命が襲います。 大好きなおじいさんの死、身に覚えのない放火の疑い、そして最後の希望だった絵のコンクールの落選……。 家も、お金も、すべてを失ってしまったネロ。凍える雪の夜、たった一人で向かったのは、憧れの大聖堂でした。

でも、ネロは一人ではありませんでした。 「ぼくたちは、いつまでも一緒だよ」 どんな時もネロに寄り添い続けたパトラッシュが、最後の瞬間まで彼を追いかけてきたのです。

世界中で愛され続ける、少年と犬の究極の友情物語。悲しいけれど、決して不幸ではない二人の最期に、温かい涙が止まりません。

”ぼくたち、またイエス様に会えるよ。天国でね。イエス様は、決して、ぼくたちを引きはなしたりしないさ。いつまでもいっしょにいようね”

【こんな人におすすめ】

・動物と人間の、言葉を超えた強い絆に感想したい人!

・思いっきり泣いて、心のデトックスをしたい人!

・「本当の幸せとは何か」を深く考えたい人! 

 

 

 

『クリスマスのりんご-クリスマスをめぐる九つのお話-』 

ルース・ツーヤー、アリソン・アトリー ほか 文 上條 由美子 編・訳 たかお ゆうこ 絵

 読み聞かせにぴったりな、心に明かりを灯す、9つのクリスマスの宝箱。

 クリスマスに読みたい絵本はたくさんあるけれど、子どもたちに「読んで聞かせる」ためのちょうどいいお話の本がほしい……。そんなお母さんや先生たちの声から、この素敵な短編集が生まれました。

 収録されているのは、日本ではまだ知られていない9つの物語。 動物園の納屋で暮らすネズミの家族のお話、貧しいけれど美しい心を持った時計づくりの男のお話、そしてドールハウスの小さな人形たちのお話……。

 登場人物たちはみんな、ささやかで優しい心を持っています。そんな「みんなのやさしいこころ」が、クリスマスの夜に小さな奇跡を起こします。

 たかおゆうこさんの美しい挿絵が、物語の世界をより一層輝かせます。アドベントカレンダーのように、クリスマスの夜まで一日一話ずつ読むのもおすすめ。 今年の冬は、親子でゆっくりと言葉の贈り物を受け取ってみませんか?

【こんな人におすすめ】

 ・クリスマスまでの毎日を、アドベントカレンダーのように楽しみたい人!

・師走の忙しさの中で、ホッと一息ついて心を温めたい人!

・プレゼントやご馳走だけではない、クリスマスの「優しい奇跡」に触れたい人!

 

 

 


 

『しあわせって、なに?』 オスカー・ブル二フィエ 文 西宮 かおり 訳 カトリーヌ・ムリス 絵

 お金? 目的? それとも…? 6つの扉を開けて、「きみだけの答え」を探す思考の旅へ!
「しあわせ」って、一体なんだろう? 簡単なようで、とても難しいこの問いに、この本は6つの大きな問題(切り口)から迫ります。

気付き:しあわせって、どうしてわかる?

方 法:しあわせになるのは、かんたんなこと?

目 的:なにがなんでも、しあわせになりたい?

お 金:お金があれば、しあわせ?

関 係:しあわせになるには、みんながひつよう?

不 幸:どうして、ときどき、不幸になるの?

 ドイツの作家が描く、シンプルで奥深い物語。 忙しい日々の中で見失いがちな「大切なこと」を、この絵本が優しく教えてくれます。

 いろんな考えをあれこれ組み合わせたり、ふだんは見えていないところをのぞきこんだり……。ページをめくるたび、当たり前だと思っていた世界が少し違って見えてくるかもしれません。

 正解は一つではありません。さあ、ほかのだれにもたどりつけない、きみだけの答えをさがしてみよう!

”しあわせって、なに?”

【こんな人におすすめ】

 ・「しあわせ」について、もっと深く考えてみたい人!

・物事をいろんな角度から見る「哲学」的な考え方に触れたい人!

・親子で「正解のない問い」について話し合ってみたい人!

                            貸出期間:2025/11/1~2025/11/30(学年指定なし)     

アクセスカウンター
0 0 0 0 9 3