学校長の窓

学校長からのお話を掲載しています

平成26年6月  朝会講話

「覚悟」             H.26.6.4       校長講話

 1年生が宿泊学習、2年生はマイチャレンジ、3年生は修学旅行と各学年とも大きな行事がすべて終わりました。どの学年も目標をしっかりと達成したすばらしい行事ができ、本当にうれしく思います。
 5月の朝会では、「偶然のチャンスを自分のものにする」という、セレンデップ、セレンディピティについて話をしました。毎日の生活や学習をきちんと一生懸命頑張っている人には、必ずチャンスが生まれ、そのチャンスを自分のものにしましょう、という話でした。
 今日は「覚悟」について話をしたいと思います。
 皆さんのクラスには個人の目標が掲示されています。その目標を達成させるのには、どうしたらよいと思いますか。おそらく努力します、頑張りますという答えが返ってくると思います。卓球部の目標は団体で全国大会出場することです。普通の練習では、ほかの学校と同じ練習をしていたのでは、その目標はなかなか達成しないと思います。
 校長室の前の「顕彰碑・輝く聖魂」には、日本一になった個人、団体が全部で五つあります。印がないので皆さんにはわからないとは思いますが、あとで見てください。平成11年度の全国中学生通信弓道大会の名畑君、同じく平成11年度の全日本アンサンブルコンテストサクソフォーン四重奏の吹奏楽部、平成12年度の全国中学生通信弓道大会の黒子君、平成13年度の東京ガス全国小中学生陶芸コンクールの田口さん、平成19年度の全国子ども陶芸コンクールinかさまの中村さんです。当時の益子中学校の生徒会の目標は、「日本一の学校」でした。もちろん部活動だけではありませんが、何かで日本一になろうとみんな頑張りました。部活動で日本一が出ると、次は「あいさつ日本一の学校」「心の日本一の学校」を目指しました。
 当時の生徒たちも皆さんも何も変わってはいません。みんな同じ益子中学校の生徒です。むしろ当時の生徒たちよりも生活態度も学習の様子もずっと立派です。違いは生徒数が半分近くなってしまったことと、目標に対しての取り組み方です。
 「覚悟」をもって練習に取り組んでいるでしょうか。やりたいことや楽しいことを犠牲にして、部活動や学習に取り組んでいるでしょうか。日本中の中学生誰もが頑張っています。どの部活動も目標を持って取り組んでいます。後は、本気の度合いです。「覚悟」をもって取り組む」ことです。日本一になった先輩方は、好きなことややりたいことを我慢して、覚悟をして練習に取り組み「日本一」を手に入れました。自分に厳しく納得のいくまで練習したり、納得のいくまでよい作品づくりに励みました。その結果が日本一につながりました。皆さんの教室に掲示されている目標が、目標だけで終わることがないよう、時にはやりたいことや好きなことを我慢して目標達成の努力をしてほしいと思います。
 皆さんの本気の「覚悟」期待しています。

平成26年5月 朝会講話

「偶然をチャンスに」                        H.26.5.7   校長講話

 芳賀郡市春季各種大会がこの連休中に行われました。陸上大会、そして各種大会と益子中学校の活躍は、本当にすばらしいものでした。どの会場も熱戦で、次の会場に行くのがどんどん遅くなってしまい、全部見られなかったのが残念です。これから皆さんは、県春季大会、夏の中学校総合体育大会があります。それぞれの目標に向かってベストを尽くし、悔いのない部活動、思い出の多い有意義な中学生生活を送ってほしいと思います。
  ところで、皆さんは、なくし物をして、探していたものが偶然見つかった、という経験はないでしょうか。それは、セレンディップとか、セレンデピティとかいって、偶然から何かを発見したり、偶然幸せをつかんだりすることをいいます。興味のある人は、調べて見てください。
 これは、部活動の大会やコンクールでも起こりうることです。相手と対戦して実力が同じだったとしたら、どちらが勝つと思いますか。最後まであきらめなかった方が勝つ。実力を出し切った方が勝つ。もちろんそうだと思います。でも、弱くても勝つ場合もあります。予期せぬ所から偶然チャンスが生まれて、流れが変わり、勝つことがあります。それが、セレンディップです。
 ところで予期せぬ偶然は、自分で起こすことができるのでしょうか。私は、できると信じます。どんなことが起きても、自分たちは必ず勝利するという強い心を持ち続け、普段の練習のとおりにプレイを続けることができれば、予期せぬ偶然は必ず起こります。その偶然をチャンスにして、頑張り続ければ、勝利をつかむことができるはずです。
 例えば、元気なあいさつだったり、マナーのよさだったり、授業態度、清掃の態度だったり、家族や先生、友達に感謝する心だったり、その態度や気持ちが大きければ大きいほど、偶然が自分に、自分たちにすばらしいチャンスを与えてくれます。それが、勝利の神様です。勝利の神様は、必ず皆さんの心の中にいます。
 今、部活動や友達のことで何か問題を抱えていている人は、早く、できれば今日中に解決してください。遅くなればなるほど、勝利の神様は味方してくれなくなるでしょう。自分から積極的に動いて問題を解決して、最高の状態で大会やコンクールを迎えましょう。そうでないと試合する前から、偶然に起こるチャンスが、相手や相手の学校にいってしまうことになります。
 団体の種目は心を一つにして、個人の種目は集中して競技や演奏をしましょう。偶然に起きるチャンスをみんなの力でつかんで、自分のもの、益子中学校のものにしてほしいと思います。

平成25年度修了式 式辞


 この聖が丘にも、やっと「春一番」が吹き、桜便りが届きそうな季節となりました。本日、ここに平成25年度修了式を迎えることができ、大変うれしく思います。

 ただ今、第1学年代表の折原陽太さん、第2学年代表の大橋琉矢さんに修了証書を授与しました。この修了証書は、その学年で学ぶべきことを全て修了したことを証明するものです。つまり、みなさんは、4月から上級学年に進級します。進級おめでとうございます。

  さて、第2学年には、106名のみなさんが進級します。4月にはいよいよ新入生を迎え、中堅学年として大いに活躍が期待できます。また、第3学年には、134名のみなさんが進級します。最上級生としての責任と自覚をもち、まさに「学校の牽引者」として、「学校の顔」として活躍が期待できます。

 ここで、進級するにあたり、2つのことについて話をします。
 一つ目は、「新入生が憧れる先輩になってほしい」ということです。すべての星が移動しても、ポラリス(北極星)はずっと同じ場所で輝いています。みなさんが新入生のポラリスになってあげられたら、もう道に迷うことはなく、安心して中学校生活が送れるでしょう。ぜひとも、新入生が憧れる先輩になってください。

 二つ目は、「目標に向かって挑戦し、目標に向かって一生懸命努力してほしい」ということです。人は誰も、目標があるから頑張れるのです。夢があるから輝いていられるのです。ぜひとも、自分の「伸び代」を広げられる目標、取組が可能な目標を立て、4月からの学校生活を充実させてください。

 この修了式が終わると、担任の先生から一人ひとりに修了証書、つまり通知表が手渡されます。担任の先生の思いや願いが記されています。この1年間の努力の結果をしっかりと確認してください。そして、進級に向けての課題を見つけ、努力を続けてください。 いよいよ、明日から春休みに入ります。くれぐれも交通事故等にあわないよう安全な生活に心掛けてください。そして、4月8日の始業式には、元気に姿を見せてください。

平成25年度第7回朝会講話「東日本大震災から3年~被災地との絆~」

 みなさん、おはようございます。3年前の今日、午後2時46分ごろ、今までに経験したことのない、大地震が発生しました。みなさんは、あのときのことをはっきりと覚えていることでしょう。東日本大震災の発生から今日で3年になります。

 みなさんも知っているように、津波や原発事故で、岩手・宮城・福島の3県が大きな被害を受け、今なお26万7000人が非難生活を強いられてます。また、避難の長期化で、体調悪化による死亡など「震災関連死」も増えています。プレハブ仮設住宅に住む多くの人たちは、まちづくりやインフラ整備も思うように進まず、原発事故の収束も見えない中で、不安や不満を募らせています。

 ここで、3月9日付け「下野新聞」に掲載された記事を紹介します。「のヒマワリ里帰り」と題して、被災者と生徒たちの心の交流が紹介されています。

 2011年3月11日、宮城県石巻市、美容室経営 阿部かつ江さんは押し寄せる津波に追い詰められ、隣家の2階に逃げ込んだ。1階が水没した隣家での避難生活3日目の朝、救助のヘリコプターが来た。栃木県の防災ヘリ「おおるり」だった。隊員のヘルメットの名前を必死で覚えた。震災2年を機に2013年春、本県消防防災航空隊へ礼状を書いた。救助の指揮に当たった小山市の消防特別救助隊長 根本真澄さんら隊員から返信が届き、阿部さんは手紙にヒマワリの種を入れて根本さんに送った。
 阪神大震災で亡くなった神戸市の女児に由来する「はるかのひまわり」と、児童と教職員計84名が死亡・行方不明となった石巻市大川小の遺族の母親が育てたヒマワリ。この母親たちの思いを綴った絵本「ひまわりのおか」も同封した。
 根本さんの呼び掛けに応え、小山第三中学校の生徒たちが育てたヒマワリは300本が開花、種を収穫できた。根本さんは昨年末までに3度石巻を訪ね、阿部さんたちに生徒手作りのパッケージ入りの種を手渡した。阿部さんは「人と人とのつながりが広がっていくことがうれしい。ヒマワリを通じて、防災のことも考えてほしい。そして、いつか被災地にきてほしい」と話している。 

 被災地の復興を加速させ、風化を防ぐためにも、3月11日を決して忘てはならないと思います。
 最後に、黙祷を捧げたいと思います。「黙祷」(1分間) ありがとうございました。

平成25年度卒業式 式辞

 弥生の風の冷たさも和らぎ、校庭の木々も芽を膨らませ春の訪れが感じられる、今日の佳き日に、益子町民生部長 福田幸利 様、 益子町議会副議長  長岡景介 様をはじめ、多数の御来賓の皆様の御臨席と、保護者の皆様の御列席を賜り、ここに平成25年度卒業式が盛大に挙行できますことは、私たち教職員にとりましても、この上ない喜びであります。御臨席賜りました皆様に、心より御礼申し上げます。
 さて、卒業生のみなさん、そして保護者の皆様、御卒業おめでとうございます。みなさんの晴れの門出を祝福します。
 ただ今、147名のみなさんに、卒業証書を授与いたしました。一人一人の引き締まった表情の中に、中学校3年間の生活をやり遂げたという、大きな満足感と、新たな人生への旅立ちの決意が感じられ、大変うれしく思います。
 振り返れば3年前、東日本大震災に見舞われ、心の傷を癒やしながら、みなさんは本校に入学しました。当たり前に生活できることの幸せや、家族の絆、家族の温かさを実感し、また、仲間との友情を深めながら、みなさんは、この3年間の中学校生活を自分らしく、大変立派に過ごしてきました。
 みなさんと共に過ごした3年間は、私にとって本当に幸せな年月でした。みなさんのすがすがしい表情や真剣な眼差しを思い浮かべるたびに、数々の感動が込み上げてきます。そして、みなさんに出会えたことが本当によかったです。特に最高学年として、また学校の顔として、大活躍したこの1年間は、みなさんのすばらしい自主的な活動に触れ、多くの感動と喜びを味わいました。
 まず、自主的な「あいさつ運動」では、部活動や委員会活動を中心に、明るく元気なあいさつを広げようと、年間を通じて実践してくれました。地域の方々からも褒められることが多く、みなさんにとって大きな励みになったと思います。また、自主的な活動として、部活動や学校行事、ボランティア活動など、すばらしい活躍があげられます。今校長室には、七本の優勝旗が飾られています。また、職員室入口近くの棚や校長室にも、優勝や団体賞のトロフィーや盾が数多く置かれています。これらはすべて、みなさんの活躍ぶりを物語っています。
 特に、卓球部男子・女子の全国大会出場、野球部・ソフトテニス部男子の関東大会出場をはじめ、多くの部が県大会や郡市大会で大活躍しました。文化活動でも多くの活躍が見られました。県吹奏楽コンテストや県アンサンブルコンテストでの活躍、下野教育美術展での県議会議長賞受賞、全国子ども陶芸展等での受賞の数々、さらには、NHK杯放送コンテスト全国大会出場など、立派な成績を収めました。これらの成果は、自分のよさを十分に発揮し、自らの「伸び代」を大いに広げた結果だと思います。
 また、学校行事では、秋季大運動会での団結力や連帯感、そして躍動感あふれる演技など、学校全体を盛り上げ、導いてくれました。そして、「聖が丘祭」では、合唱コンクールでの美しい歌声、ステージ部門での創造性あふれる演技など、さすが3年生と、誰もが感動し、会場全体を美しく染め上げてくれました。
 これらすべてのことに、共通することがあります。それは、校訓「聖心」の下、みなさんが「優れた人を目指し、日々努力し、やり遂げる」という態度です。目標を立て、その目標の実現に向け努力すれば、大抵のことはできるのだということを、これらの自主的な活動を通して示してくれました。
 いよいよみなさんは、これから自分の選んだ道へ、新たな第一歩を踏み出します。ここで、みなさんの門出に当たり、二つのことを話します。
 一つ目は、「失敗を恐れず、勇気をもって、燃える心で果敢にチャレンジしてほしい」ということです。「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」という言葉があります。努力の成果が、思うように上がらない日もあるかもしれません。辛く苦しい日もあるかもしれません。そんな日が続くときでも、毎日地道な努力を積み重ねていってください。成果は急には現れないと思いますが、必ず大きな花を咲かせることができるのです。なぜなら、大きな花を咲かせるためには、それをしっかりと支える根っこが必要だからです。最後まであきらめず、地道な努力を続けてほしいと思います。
 二つ目は、「思いやるという生き方を実践してほしい」ということです。「思いやり」という言葉の意味は、「相手の立場に立って思いを巡らすこと」です。しかし、それを行動に置き換えることの困難さは、みなさんは承知していることと思います。私たちは、一人では生きていくことはできません。必ず誰かのお世話になり、今日という日があるのだということを忘れないでほしいのです。そして、自分が受けてきた「思いやり」を、今度は人のために使い切ってほしいと思います。「生きる」とは、前に向かって進むことです。「進む」とは、人間の幸せを求めて、努力することです。他者を「思いやる」ことを忘れず、力強く生きていってください。
 ここで、保護者の皆様に申し上げます。お子様の御卒業、誠におめでとうございます。立派に成長したお子様の姿を目の当たりにし、感無量のことと思います。全てが実を結び、本日ここに立派に御卒業の日を迎えられましたことに、心よりお慶び申し上げます。また、この3年間、本校教育に対する格別の御理解と御協力を賜り、改めて御礼申し上げます。
 卒業生のみなさん、3年間よく頑張りました。褒めてあげたいです。すばらしい思い出をありがとう。多くの感動をありがとう。そして、最高の笑顔をありがとう。みなさんは私の誇りです。
 結びに、卒業生のみなさんの限りない前途を祝し、式辞といたします。