大人になる No27
【 学総を終えて 】
毎朝、自分自身の健康のためをも含め、学校区を歩き、小・中学生の通学の様子を見守っています。みなさんよくご存じの通り、学校の周りは、四方すべてが田んぼですね。また地域の所々には畑があり、自分の家の小さな庭で行っている家庭菜園の苗の様子と比較しながら楽しく歩いています。歩きながら見る街の景色と車で走りながら見る景色とは、実は全然違います。今も述べた田んぼや畑の様子が手に取るように分かりますし、季節の空気を感じます。さて、田んぼで気付いたことなのですが、ゴールデンウイーク頃に水を入れ、稲の苗を植えますよね。その後しばらくすると、いったん水を抜いてしまうのです。これはどうしてかというと、水がなくなったことで、稲が懸命に生きようとして、根を広く深く張るのだそうです。その後また水を入れることで、丈夫でおいしい米ができるのだそうです。良い環境で育つことだけが将来、強くたくましく、そして、より良く生きていけることにつながるとは限らないということを学んだ気がします。長い人生にはカッコ良く勝つことよりも、負けることの方がはるかに多いのです。一生懸命に取り組んだのなら、負けたっていいんです。その事が必ず役に立つのだから。負けた時には受け身をとり、すぐに体勢を立て直し、新たな気持ちで次の一歩を踏み出す。そんなしなやかで強い人になりたいものですね。歩きながら田んぼを見て学び、感じたことです。(6月17日 校長)