大人になる No57
【 選挙を通じて民主主義を学ぼう 】
先日の春日部市長選挙、衆議院議員選挙に続き、今日から本校の生徒会本部役員改選選挙の運動が始まりました。朝の正門付近は、「〇〇です、よろしくお願いします」と大きな声で投票をお願いする立候補者と応援の生徒たちであふれかえっています。
さて、詳しくは3年生の社会科の公民分野で学習しますが、政治を行う仕組みで、話し合いを通じて決定するやり方を民主主義といいます。この「話し合いを通じて政治を行う」やり方にも、大きく2つの方法があります。2つの方法があるということは、どちらかが絶対的に正しかったり、優れていたりというわけではなく、どちらのやり方にも長所と短所があります。その2つとは、間接民主制と直接民主制です。
間接民主制とは、選挙で選ばれた代表者が、議会で話し合って政治を決める仕組みです。別名、議会制民主主義とも呼ばれます。例えば、日本では国民(県民、市民)が選挙で国会議員(県議会議員、市議会議員)を選び、議員が国会(議会)で話し合いをして、法律や予算など様々な事を決めますよね。これこそまさに間接民主制といえます。つまり、みんなが選んだ代表者がみんなのためを考えて政治を行うことを間接民主制といいます。間接民主制の特徴をあげると、多数決で選ばれた代表者が、多数決で物事を決めるため、どうしても採用されない意見が出てきてしまいます。少数派の意見が軽視されてしまう危険性がありますので、そういうことがないように注意をする必要があります。
次に、直接民主制とは、国民が直接政治に参加する仕組みです。国民全員が議論に参加するので、国民の意思が直接反映されることになります。ただ、現代社会はたくさんの人口がいますよね。国民全員が集まって議論をするのは大変ですし、結論が出るまでにどれだけ時間がかかるかもわかりません。よって国に限らず、大きな組織では、間接民主制が採用されていることが多いのです。これは日本に限った話ではなく、世界の多くの国で間接民主制が主流になっています。国や県、市の政治に限ったことだけではありません。みなさんの所属する、学校も生徒会という自治組織(自分たちで運営する組織)があり、会長以下、その役員は選挙によって決まります。みなさんの声を聞いたり、活動報告をしたりするために、毎年1学期に生徒総会を行っていますね。みなさんの学校生活を楽しく充実したものにするために、みなさんの代表を決める生徒会選挙を真剣に向き合い、考えていきましょう。(11月4日 校長)