進路について③ 「選ぶ」ということ
生きるということは、刻一刻と流れ続け、かつ、先の見えない時のなかを、何らかの決断を繰り返しながら過ごすということです。例えば、最初の就職先に定年(60歳)まで勤めるという生き方を選ぶ人もいれば、方向転換を選ぶ人もいます。年老いた両親の面倒を見るために東京の会社を辞め、故郷に帰るという人生を選ぶ人もいます。誰もが「後悔しない生き方を選べばいい」と最後には決断をするものです。
先のことを考えるということは大切なことで、将来自分はどんな人間になり、どう生きたいのか、というイメージを持っている人は、「そのためには、今自分はどうしたらよいのか」という判断がつきやすい。将来のイメージがないと、すぐ目の前の損得で判断するから、後で後悔をするかもしれない。将来のイメージがあると、「今は辛く、損をしているように感じても、将来のためなんだ」という判断がつくから、苦境や不利と思われることにも耐えることができる。簡単には絶望しない。愚痴ることもない。いま目の前にある楽しい事しか考えない者や、簡単に自分の限界を決め、苦労や努力から逃げる者は「~はしたくない」、「~の方が楽だ」となりやすく、自分の人生が広がっていかないことが多い。
また、進路を考える上で、後悔しないための決断には、心の支えがあると最高の助けとなります。それが家族だけではなく、先生、友達、先輩、後輩などに囲まれたら益々不安なしに目標に向けて全力を尽くすことができます。より良い人間関係を作り、自分の居場所を作り、互いに高め合うことを、いま学校で学んでいます。良かったことや悩んでいることをいつでも仲間や先生と話すことができ、教室に入った瞬間、ほっとするクラスをこれからも作って行きましょう。こんな力もよくいう「生きる力」の1つだと思います。(10月9日 校長)