いきいき子育て⑲ 愛嬌
愛嬌のある子に育てる
人は、いくら能力があっても、学歴があっても、人間関係がうまく行かなければ、世の中を渡っていくことはできません。人に好かれる、感じのいい人に育てることは、その子のためになると思います。感じがいいとは、愛嬌のある人と言ってもいいでしょう。愛嬌というのは、自分の欠点を認めて、さらけ出すことができる態度のことです。人間関係の中で、好感を持たれるのは、カッコ良い人よりも、愛嬌のある人です。なぜ、お笑い芸人がモテるのか考えてみて下さい。彼らは自分の欠点を丸出しにしているのです。それこそが、愛嬌の本質でしょう。「人間はいっぱい欠点があるんだよ、失敗もするんだよ」ということを親が進んで見せた方がいいと思います。大人がいいところばかりを見せようとしていると、子供は失敗を恐れてしまいます。「人間っていうのは欠点があっちゃいけないんだ」と思い込んでしまいます。そうなると今度は他人の欠点にも厳しい人間になってしまいます。失敗や欠点があってもいいんだと子供に分からせるには、失敗したときのほめ方が大切だと思います。「失敗してもくじけなかった」「失敗したけど態度が良かった」と評価してやるのです。逆に成功したときにも、態度によっては叱った方がいい時もあります。例えば何かの勝負で自分の子が勝って、敗者に対して勝ち誇ったような態度を見せたら、「敗者の気持ちを考える」ということをきちんと教えるべきでしょう。親は「成功か失敗か」だけを評価の対象とせず、感謝の気持ちをはじめ、成功や失敗をどう受けとめるかを教えるべきだと思います。(12月10日 校長)