大人になる No84
北風の冷たい日が続いていますね。この時期になると必ず思い出す話があります。イソップ物語の中に、「北風と太陽」という話があります。ある日、北風と太陽が力比べをすることになりました。そこへたまたまコートを着た1人の旅人が通りかかりました。北風と太陽は、「あの旅人のコートを脱がせた方が勝ち」ということに決め、力比べをはじめました。最初に北風が、冷たい風を激しく旅人に吹きかけました。しかし、旅人はコートのえりを立て、しっかりとコートの前を合わせて、吹き飛ばされまいとします。北風が懸命になって力を入れれば入れるほど、旅人はコートをしっかりとおさえ、離しません。とうとう北風は力尽き、太陽と交代しました。
太陽は、暖かい日差しを優しく旅人にあてます。どんな強風にもコートを離さないでいた旅人でしたが、ポカポカと暖かい太陽の光を浴びて、身も心も温まり、ついにコートを脱ぎました。
この北風と太陽の話はたとえ話ですね。北風は冷たく厳しい態度を表し、太陽の光は、温かい思いやりの心を表しています。
私たちは毎日の生活の中で、たくさんの人と接します。この時、北風のようにピューピュー吹いて人にあたっても人の心は動かせません。また逆に、暑くてもコートを脱がないような柔軟でない人も、人との関係をより良いものに築くことはできません。人間関係をより温かく素敵なものにするには、意見を受ける側は素直に意見を受け入れて反省すべきだし、意見する側は、思いやりのある、相手を尊重した態度で接するようにしましょうね。(2月2日 校長)