大人になる No11
【 大人になる上での疑問 ② どうして勉強しなくちゃいけないの? 】
昨日と同じで、結論から先にいうと、人生を楽しむために勉強するのです。楽しくより良い人生を送りたくはありませんか。たくさんのことを勉強した人とそうでない人とが同じ本を読んだり、同じ映画を観たときには、感じることがまるで違います。また、生活の中で同じ場面に向き合ったときにも、たくさん勉強をした人は、知識や人脈を使い、より良い選択、より間違いのない選択をすることができます。中学校での勉強とは、ものごとを多面的に見る力をつけるためのものなのです。学校で学ぶ国語や数学などは、その教科の学習を通して、様々なものの見方や考え方を学ぶためにあるとも言えます。授業が苦痛だと思うときもあるでしょう。退屈な授業をする先生方にも問題があるかもしれませんが、そこに意味を見出せないのは、自分のレベルがまだ低いという見方もできます。
私は以前、埼玉県立総合教育センターというところで、1年間学校を離れて勉強をさせていただく機会に恵まれました。そこにはその分野の経験豊富な先生方や、退職された校長先生、臨床心理士の資格を持つカウンセラー、精神科のお医者さんもいました。私はそこで、自分なりに勉強することの意義を知りました。まず、そこにいた人達は、さすがにその分野で第一線の方々でしたので、本当に人間的にも魅力的な方達ばかりでした。私はその方々の持っている魅力にひかれ、「この方達の言っていることが分かるようになりたい、対等に会話をしたい」と思いました。たくさんの本を読み、研修会に参加していくうちに、自然と世界が広がり、部屋にいた方達の会話の意味が分かるようになってきました。私は、勉強するということは、自分の世界が広がり、たくさんの人と交流が持てることにつながるのだと身を持って実感したのです。本校の生徒諸君は、これから未来に、そして世界に出て活躍する人になってもらいたい。そのためには、たくさんのことを学ぶ必要があるのです。(5月11日 校長)