大人になる No2
【感情は自分のもの Part.2】
感情は自分のものということは、それは自分が起こしている感情であるということも同時に意味します。私達はよく、自分の感情をまわりのせいにしてしまいがちです。電車が遅れたせいでイライラさせられている、あいつが約束を守らないので今自分はこんなに腹立たしい思いをしているなど、自分の感情を出来事や相手のせいにしがちです。しかし、その考え方では、より良い大人にはなれません。うれしくなったり、悲しくなったり、怒ったりするのは、それ相応の出来事やきっかけがあることが多いのは確かですが、その出来事やきっかけで、すべての人がまったく同じように悲しくなったり、怒ったりするわけではありませんよね。つまり、出来事やきっかけが自動的に感情を引き起こすのではなく、その間にその人のものの見方・考え方がはさまっていて、そのフィルターを通ってその人の感情が生じるのです。(専門用語でこれを認知(にんち)といいます)例えば、まわりの人から見れば、たいしたことではないと思われるようなちょっとした失敗でも、ひどく気にする人もいます。「気にし過ぎだよ」と言われても、気にしてしまう自分がいるわけです。ここで、気にし過ぎでいつも落ち込んでいる自分、そういう自分を変えたいと思っている人もいることでしょう。気にしてしまう自分も自分ですが、それを変えたいと思っている自分もまた自分なのです。まさにそこが、これからの自分づくりの出発点になります。
自分のものの見方・考え方は、今までの自分や自分の感情を支えてきたもので、大切にしてよいものだけれども、それが自分や他人を苦しめたり、きゅうくつにしていると思ったならば、その考えをもち続ける必要はなく、自分で変えていってもよいのです。そうやって皆さんが過去の自分と対話しながら、確かな未来の自分をつくっていくことを私は期待しています。いま私がはじまるとは、そういうことなのです。今日は、ちょっと難しかったかな。いつかまた、今日のブログを読み返してみてください。何かに気づき、わかることもあるかもしれません。つづく(4月19日 校長)