新刊本紹介

2022年6月の記事一覧

9年図書委員からのお薦めの本

「ブラック・ジャック」

手塚治虫著

神の手を持つ天才外科医、ブラック・ジャック。彼は幼い頃地雷による爆発事故に巻き込まれてしまったが、ある外科医の手により奇跡の生還を果たす。それからブラック・ジャックは医者を志し、才能を発揮する。彼の手にかかればどんな難病をも治してしまうと言われている。巨匠手塚治虫の不朽の名作。漫画文庫なので、読みやすい大きさです。絶対はまります。    

 

「女子校ルール」

女子校ルール研究会著

女子校出身たちの経験したことがわかるいろんな常識がある、あるあるや懐かしさと

ともに時代の魂蘇る女子校愛が詰まった1冊である。

例えば・笑うときは力いっぱい手をたたく。

   ・オタクに寛容。などなど・・

 女子校に行きたい人は、共感できましたか。女子校に行きたい人や、女子校世界に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。

 

令和4年度課題図書紹介

図書室・ほんのおへやより 令和4年度課題図書紹介

  今年の課題図書が図書室に入りました。面白そうだなと思う本を手に取って読んでみてくださいね。

 

 小学校低学年の部

 

●「つくしちゃんとおねえちゃん」 

いとうみく作 丹地陽子絵 福音館書店

頭がよくてなんだってできるおねえちゃんは、あたしの自慢です。おねえちゃんは歩くとき、少し右足をひきずります――。妹から見ると何でもよくできるお姉ちゃん、実は足が不自由で、がんばりやで妹思いの姉。どこにでもいる姉妹のそれぞれの思いが伝わってきます。姉妹の揺れ動く気持ちを鮮やかに描いた物語です。

 

 

●「ばあばにえがおをとどけてあげる」

コーリン・アーヴェリス文 イザベラ・フォラス絵 まつかわまゆみ訳 評論社

大好きなばあばが最近笑わなくなっちゃった。「人生から、よろこびが消えちゃったみたい」と、ママは言う。ならば「とりもどしてあげよう!」と、孫娘は町に「よろこび」を探しにでかけます。絵本の世界で遊ぶばあばと孫の姿がとても綺麗で素敵です。ばあばはえがおを取り戻せるでしょうか。

 

 

●「すうがくでせかいをみるの」

ミゲル・タンコ作 福本友美子訳 ほるぷ出版

うちのかぞくには、それぞれすきなことがある。すきなことがあるっていいな…
主人公が「これだ!」って思ったのは、すうがく! すきなことは、みんなちがうよね?「すき」を通して、世界の見方をみつけようよ!人はみんなそれぞれちがっていて、得意と不得意があってよいと思わせてくれる本です。

 

 

●「おすしやさんへいらっしゃい」

おかだだいすけ文 遠藤宏写真 岩崎書店

釣り上げた魚をさばき、寿司にするまでを見せる写真絵本。魚の特徴や部位の働きも解説。真っ赤な魚「キンメダイ」、ニョロニョロしてる「アナゴ」、腕がいっぱいの「イカ」の全3章。最後にみんなで「いただきまーす」。おいしいお寿司を食べに行きたくなるかもしれませんね。

 

小学校中学年の部

 

●「みんなのためいき図鑑」

村上しいこ作 中田いくみ絵 童心社 

生きていると、ためいきをつきたくなることがいっぱい。ともだちとケンカしてしまったり、親の期待にこたえられなかったり。でもね、「ふうっ」てためいきをついたら前をむけるかも。小学生たちが授業で「ためいき図鑑」を作り、夏休み前に披露、という設定が新鮮で読みたい気持ちになります。歩き出す勇気をもらえる物語。

 

 

●「チョコレートタッチ」

パトリック・スキーン・キャトリング作 佐藤淑子訳 伊津野果地絵 文研出版 

ジョンは、チョコレートが大好きな男の子。ある日、ひろった銀貨で買ったチョコレートを食べました。すると、口に入れた歯みがき粉や飲んだジュースがチョコレートになってしまいました。なにこれおいしい!!何がおこったの?いい子ではない主人公にとても親しみを覚えます。

 

 

●「111本の木」

リナ・シン文 マリアンヌ・フェラー絵 こだまともこ訳 光村教育図書

女児の誕生を111本の木を植えて祝う村があります。これは、女児に学ぶ機会を与え、児童婚から守るために行動した、インドのある村長を描く実話です。SDGsの目標「陸の豊かさも守ろう」「ジェンダー平等を実現しよう」を目指した村は、この活動を通して豊かな自然を取り戻しました。いったい何があったのか。ちょっと難しいけれどおうちの人と一緒に読んでみてください。

 

 

●「この世界からサイがいなくなってしまう:アフリカでサイを守る人たち」

味田村太郎文 学研プラス 

サイの角がねらわれている――いったいなぜ? アフリカで、子どものサイの保護や、傷ついたサイの治療をNHKの記者が取材。いま、地球上で本当に起きていることを知る1冊です。サイの生態や現地の写真も豊富に掲載。絶滅の危機に瀕しているサイの実情と、関わる人々の奮闘する様子に、未来への希望が持てるようになります。

 

小学校高学年の部

 

●「りんごの木を植えて」

大谷美和子作 白石ゆか絵 ポプラ社 

「大好きなおじいちゃん。病気と向き合いながら、毎日を豊かに過ごしている。自分らしく生きるおじいちゃんってかっこいい。」みずほは小学五年生。大好きな祖父にがんの再発がわかったが、祖父は「積極的な治療」は行わないという。それって、どういうこと? 「人間が生きること」そして「死ぬということ」を考える、心あたたまる家族の物語です。

 

 

●「風の神送れよ」

熊谷千世子作 くまおり純絵 小峰書店 

コロナ退散の祈りもこめて、僕らはコトの神を谷へ送る。疫病神を祓い、地区境まで送り出すまでのすべてが子どもたちの手にまかされるコト八日行事。はじめは行事を面倒に感じていた主人公が、行事に関わる人々の思いに触れることで変わっていきます。大凧揚げという地域の行事をもつみなさんも共感できるのではないでしょうか。

 

 

●「ぼくの弱虫をなおすには」

K・L・ゴーイング作 久保陽子訳 早川世詩男絵 徳間書店

1976年のアメリカ・ジョージア州。5年生になるのがこわいというゲイブリエルのために、親友のフリータは、強くなるための作戦を思いつく。ところが、二人で取り組むうちに、もっと大きな問題が立ちはだかり…。ゲイブリエルの弱虫はなおるのでしょうか?子どもの友情と成長を描く、心にひびく物語。

 

 

●「捨てないパン屋の挑戦 しあわせのレシピ」

井出留美著 あかね書房 

自然に囲まれて育ち、環境保護に命をかける田村さん。親から引き継いだパン屋で、大量の廃棄・食品ロスに悩みます。世界を旅してついに見つけた「一個も捨てない方法」は、みんなが幸せになるレシピでした

日本中で食べられるのに捨てられている食料品の問題に取り組んだ田村さんが、食品ロスの問題を新しい視点で見せてくれます。

 

 

中学校の部

 

●「セカイを科学せよ!」

安田夏菜著 講談社 

すべてが規格外の転校生は「蟲」が大・大・大好き!!

日露にルーツを持つミハイルは、日米にルーツを持つ転校生・葉奈と科学部で一緒になり……。ミックスルーツの中学生たちが繰り広げるバイオロジカルコメディ!外国人への偏見の描き方が紋切り型でなく、科学部を舞台とした活動は科学の視点からも興味深く、さまざまな視点から感想文が書ける。登場する男女それぞれのキャラクターが言いたいことを言い合う様子は痛快でもあります。

 

 

●「海を見た日」

M・G・ヘネシー作 杉田七重訳 鈴木出版 

同じ家で暮らしていても、心が通わない養母と里子4人。ある日の冒険をきっかけに、「本当の家族」になっていく。清々しい感動作。里親制度に深く関わってきた作者は、制度の現状や、里子が直面する現実を明るみに出そうと考え、この物語を書きました。登場する子どもたちの、何があっても折れない精神に、きっと心をゆさぶられることでしょう。里親制度についてあまり考えたことがないという人も手に取ってみてください。

 

 

●「江戸のジャーナリスト葛飾北斎」

千野境子著 国土社 

今も世界で人気の江戸の絵師・葛飾北斎。作品はパスポートに、2024年には千円札にと大活躍です。印象派の画家を魅了した『北斎漫画』はアニメの元祖のよう。きっと皆さんも見たことのある「神奈川沖浪裏」はそのダイナミックな構図に世界がうなりました。浮世絵師・葛飾北斎とは、どんな人物だったのか。情報に鋭敏で謎多き天才の破天荒な生涯に独自の光を当て描きます。

                                                                                                                    司書教諭より