2019年10月の記事一覧
古文書勉強会の成果(その13)
今回は、寛政7年2月「御鹿かりニ付御廻状写」を講読しました。
この史料は前に講読した「御鹿狩ニ付御触書之写」にも含まれる記事でしたが、若干記述が異なり、復習もかねて、史料の解釈を深めることができました。釈文は以下の通りです。
●神間村文書№353
(表紙)
「
御鹿かりニ付御廻状写
」
追而東西葛西領・渕江領・小金領村々より出人足ハ勢
子相済候上、御獲松戸河岸迄持送相勤事ニ付、
御狩相済候ハヽ一纏ニ集り残可申、尤御扶持方ハ
弐人分被下之候
当卯三月五日小金原 御鹿狩勢子人足割
村限出人足書面之通候条、別紙書付之趣
相心得、村毎宰領付添、三月二日朝四時迄別紙帳
面ニ記置候揃所江罷出、勢子差引役人之差図を
請、猪鹿追立ハ勿論立切とも可勤、右之外
村限有人別不残罷出、村内追立可申、老人子
供病人等差出候歟、又ハ遅参不参於致
は急度相咎条、得其意触書村下ニ令請
印飛脚之ものへ可相渡もの也
三河口太忠
竹垣三右衛門
卯二月三日 役所印
右村々
名主
年寄
百姓代
下総国葛飾郡中ノ台村地内字浅間下詰人足
下総国葛飾郡
一六人 花嶌村
一六人 細野村
一弐十三人 槙野地村
寺領共
一拾弐人 下木津内村
一拾三人 上木津内村
一六人 目沼村
一十弐人 屏風[ ]
一廿三人 宮前[ ]
一三十五人 鷲巣村
一廿五人 西宝珠花村
一拾四人 木ノ川村
一五拾三人 深輪村
一七拾三人 榎村
一四拾八人 芦橋村
一三拾三人 木崎村
一弐拾六人 西宝珠花村
一五拾壱人 上吉妻村
一三拾八人 下吉妻村
一九拾弐人 神間村
人足出方心得書付
一壱村限人足何拾何人何村と認候幟壱本
才料之もの持出人数右幟江引合可申候事
但シ才料之もの高張烑灯壱張宛持出可申候
一村限出人足ニ応し弁当并呑水等用意
可有事
但雨天御延引日送り被仰出候節之
ため二日分余慶ニ可持出事
一猪鹿追立用い候長七八尺之竹棒之内
壱人ニ付壱本宛并長三尺位之縄壱筋ツヽ
竹貝・細(ママ)貝之内壱ツ宛持出可申候事
但ㇱ本文之外鳴物勝手次第持出可申候
一右幟右挑灯弁当持人足は高割人数之外可出候事
右之通り心得無差支様可致候、以上
卯二月
次回の日程は、10月20日(日)14時~、次々回は11月2日(土)14時~を予定しています。
モダンな双六(新収蔵品)を展示しています
この双六は、昭和初めに印刷されたもので、双六のマスが粕壁町の商店の広告になっているものです。以前にご寄贈いただいた「粕壁町商売繁栄双六」とは別のタイプのもので、描かれている商店も異なります。双六については、お子さん向けの講座などで遊んだり、大いに活用させていただいています。まだまだ別系統の異本がある可能性もあります。
今回展示した双六に記載されている商店名は、以下の通りです。
油宗呉服店、島村忠太郎商店、伊勢三箪笥店、木崎六之助商店、大竹青松堂、丸清、泉屋商店、中村屋(洋品)、山幸商店、魚六、中野屋(食堂?)、幸松屋時計店、外島医院、岡田(そば屋)、後藤書店、永井商店、橋本薬局、正木洋品店、鍋屋(新聞?)、吉田屋(学用品)、文化堂、越沼自動車、興文堂、春日屋支店、正木洋服店、入舟、オータヤ靴店、丸八酒店、中井洋品店、中屋、岡村時計店、千歳、美ツ和食堂、産婆関根、松本洋服洋品店、鳥松商店、永島茶舗、アヅマ写真館
今回の展示では、これらの商店と以前いただいた双六の商店を、昭和48年(1973)の住宅地図(春日部市内では最古です)で所在地を示してみました。
昭和48年にの地図では見つからないお店、現在も続く老舗のお店など、粕壁の町並みの移り変わりがよくわかります。
いろいろ調べても、所在地や詳しい業種がわからない商店もありました。ぜひごらんいただき、わかることがあれば教えていただければ幸いです。