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【7/3までー宝珠花の歴史と大凧あげ】展示解説講座を開催しました
6月19日(日)、「宝珠花の歴史と大凧あげ」の展示解説講座を開催しました。
ご参加くださった皆さま、大変ありがとうございました。
講座では、宝珠花の歴史、大凧の歴史、大凧の作り方、大凧会館と各地の凧の順でお話をさせていただきました。ややつめ込みすぎて、「各地の凧」をご紹介することが早口になってしまいましたので、こちらで紹介させていただきます。
東日本大震災で被災し、閉館した大凧会館では、開館当初から各地の凧を収集し、そのコレクションは実に800点以上に及びました。日本各地はもちろん、海外の凧もあります。
残念ながら東日本大震災による大凧会館の被災で、失われたものもありますが、多くは現在も大凧会館の所管課であった観光振興課により保存されています。
今回の展示では、関東近県の凧を中心に、春日部に大凧を伝えた僧、浄信の地元である秋田県能代市の凧や北海道、沖縄県の凧、計13点を展示しています。写真はいずれも展示中のものを撮影しています。
能代(のしろ)凧(秋田県能代市)
春日部の地に凧を伝えたといわれる江戸時代の僧、浄信のふるさと能代の凧。右側のものは「ベラボー凧」と呼ばれ、「男ベラボー」と「女ベラボー」がある。舌を出した異様な絵が魔よけの意味をもつ。現在の能代凧の形が確立したのは明治期。
上総唐人凧(千葉県南部)
「唐人凧(とうじんたこ)」は江戸時代後期に日本に伝わる。3m前後の大きさが一般的。独特のうなり音をあげる。
伊勢原あぶ凧(神奈川県伊勢原市)
明治30年代に伊勢原市内の住職により、病気が軽く上がるようにとの願いを込めて始められた。連凧。現在は作られていない。
六郷とんび凧(東京都大田区)
江戸時代から作り始められる。多摩川でとった魚を河原に並べて干す時に、カラス除けとして使われた。
扇凧(富士見市、川越市)
幕末から明治初期に作り始められ、昭和27~28年に途絶えるものの昭和51年に復活。扇は末広がりなので縁起物とされた。
龍ヶ崎とんび凧(茨城県龍ヶ崎市)
明治末期に生み出された。独特の形状や鮮やかな絵柄が特徴。昭和62年に最後の後継者が途絶えたものの平成26年に復活。
下野のまゆ凧(栃木県宇都宮市)
蚕が繭から出たあとのような形をしていることから名付けられた。
絵馬凧(千葉県茂原市)
江戸時代から作られる。絵画性が高い凧。
相模の大凧(神奈川県相模原市・座間市)
天保年間から継承される。実際の大きさは14.5m四方。毎年5月4日、5日に大凧あげ祭りが行われる。座間市でも座間の大凧があげられる。
白根角凧(新潟県新潟市)
毎年6月上旬、7m×5m(24畳大)の凧で、川の両岸に分かれ凧合戦をする。江戸時代の中頃から始まったといわれる。殿様から拝領した凧をあげたところ対岸の家屋に落下し、これに対し対岸側も凧をあげ家屋の上に落としたことが始まりと伝えられている。
蝦夷凧(北海道函館市)
北海道の形を簡略化した変形六角形になっている。展示のものは、アイヌの文様が採用されている。
カーブヤ―(沖縄県那覇市)
「カーブヤ―」はコウモリを表す沖縄の方言。曲線の骨を使う。展示しているものはハイビスカスが描かれているが、絵柄は自由。現在も盛んに作られる。