失敗学とは
私達は(私は)、職場でも私生活でも失敗をすることがあります。
でも何を失敗と呼び、何を成功とするか、失敗と成功を区別することは価値観にも関わるので意外と難しいかもしれません。
東京大学の畑村洋太郎先生は、その著書「失敗学のすすめ」の中で次のようなことを言われています。
「失敗学」とは、「失敗を正しく学び、生かす」ことである。失敗には負のイメージがつきまとうが、失敗を否定的に捉えるのではなく、むしろプラス面に着目して、有効利用しようとするものである。
人は、必ず失敗をする。これが「失敗学」の基本にある。失敗とは隠すものではないという文化をつくることが大切である。と畑村先生は繰り返し述べています。
本校の職員にも「失敗は成功のもと」「創造的な仕事をするためには試行錯誤の失敗も時には貴重でありその後の財産にもなる」と話しました。
失敗学の本の中から、私の印象に強く残ったベスト10のキーワードを書きます。
1 失敗は確率現象である
ヒヤリ体験の時から真剣に向き合う姿勢が大切である。ハインリッ
ヒの法則。
2 失敗は放っておくと成長する
未然の防止策を取らないと、いつか大きくなって破裂する。
3 途中変更が諸悪の根源になる
生産現場の失敗はほとんどがこれ。最終計画を常に最終として組織
全体が認識する。
特に運動会・林間学校・修学旅行・入学式・卒業式等は最終の訂正
版を配布する。
4 失敗には階層がある
個人の無知・不注意から、組織運営不良、行政や政治の怠慢、未知
への遭遇へ。
5 失敗に対する見方を変える
「見たくないもの」は「見えなくなる」
6 失敗情報は時間が経つと急激に減衰する。
過去に津波の大被害があった東北地方の石碑付近に現在では家が多
数建っていた。
7 失敗情報は歪曲化される
失敗の原因は変りたがる。世間への影響を考えて、当たり障りのな
い結論となる。
8 失敗情報はローカル化し、組織内を上下動しない
失敗情報は上には登らない。失敗を気軽に報告できない組織体制が
ある。
9リーダーの資質と失敗
トップが安全管理に意識しているか否かで、罹災率は3倍違ってく
る。
10失敗の「知識化」
現実の失敗事例を自分や他人が将来使える知識としてまとめる。
※さて、現実の諸問題と向き合う中で私達は常に多くの選択肢の中か
ら瞬時に、時にはじっくりと一つを決定することが求められます。
学校でも会社でも家庭でも同じです。
私は失敗に対しての認識が変わりました。