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2024年8月の記事一覧

校長ブログNo137 セミの声にぞおどろかれぬる?!

♪ ジョワーン ジョワーン ジョワーン

♪ ミーン ミーン ミーン

♪ シャワ シャワ シャワ

♪ ジジジジジ ジリ ジリ ジリ ジリ

♪ カナカナカナ

里山や森林に囲まれた公園では、いろいろなセミの鳴き声が聞こえます。「セミの大合唱」と言いますが、みんながみんな元気に鳴いていて、互いのハーモニーを考えているようには思えません。はじめは、うるさいほどにぎやかですが、だんだんと森林の世界に溶け込み、なじんでくるとセミの鳴き声も溶け込んできて心地よく聞こえてきます。 

先々週、昔、セミの羽化を見たことのある近所の公園に行ったら、すごいことになっていました!

(虫が苦手な人は、スクロールしてくださいね。)

土の中から出てきた順番に並んでいるのかな?それとも誰かがいたずらして並べたのかな? 

きれいに整列している「抜け殻」を見てびっくりしてしまいました!

別の場所でも、ほら...

長いことかけて土の中で育ってきた幼虫がいよいよ地上に出てきて...思う存分、短い夏の時間をめいっぱい楽しみ、元気いっぱいに鳴いていることを考えると「歓喜の歌(よろこびの歌)」のように聞こえてきます。森の中を長い時間散歩することが好きだった作曲家のベートーヴェンもときにはセミの鳴き声など聞いたこともあったのでしょうか(笑)なんて冗談はここまでにして...

七十二候 寒蝉鳴 (ひぐらしなく)( 8月12日~8月16日)

「カナカナカナ…」と鳴くヒグラシの声を聞く頃は、夏も終わりに近づいてきたことを感じます。

しかし、実際には夏の始めから鳴いているとか。気温が下がると日中でも鳴き声がよく聞こえるとのことです。森林は太陽がガンガン照り付ける場所と比べたら3~4℃くらい気温が低く、涼しくかんじることもあるからでしょう。どことなく哀愁ただよう感じと秋の訪れを耳で感じます。

今から約1000年も前に詠まれた和歌から(「古今和歌集」より)

秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども 風の音にぞ おどれかぬる (藤原敏行)

「立秋が過ぎ、秋が来たとはっきりと目にはみえないけれど、風の音で秋が来たんだなぁと、ハッと気づいたことだよ。」という意味です。

過去ブログでも書いたように、立秋(8月7日)の朝、玄関の扉を開けると、風が少し涼しく感じた日もありましたが、7月と比べ、セミの鳴き声もいろいろな種類を聞き分けられることが多くなったことを思うと夏も終わりが近づき、秋の気配を少しずつ感じるようになってきています。しかし、先ほどの和歌が「蝉(セミ)の声にぞおどろかれぬる」だとちょっと興ざめしてしまいますね。「風の音にぞおどろかれぬる」まではもう少し時間がかかりそうですが、ぜひ、五感で季節の移り変わりを感じる感覚を大切にしたいものです。

閑さや 岩にしみ入る 蝉の声    芭蕉