郷土資料館の収蔵資料

収蔵資料の紹介

資料名 須釜遺跡1号再葬墓出土土器(すがまいせき1ごうさいそうぼしゅつどどき)
年代 弥生時代中期中葉
法量 口径9.1×器高34.6cm
資料種別 考古資料
文化財指定 県指定有形文化財
収蔵番号等 常設展示
資料写真
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解説 この資料は、須釜遺跡1号再葬墓から発見された弥生土器です。
 須釜遺跡は中川左岸の水田地帯で周りよりも1~2mほど高い自然堤防と呼ばれる微高地に立地しています。発掘調査により、11基の再葬墓と考えられる遺構と、それらの中から多数の弥生土器、石器などの遺物が出土しました。出土した弥生土器は東北地方や北関東、あるいは南関東の特徴的な器形や文様がとりいれられており、実にバラエティーに富んでいます。底部に孔(あな)が穿(うが)たれたものや、稲籾の圧痕(あっこん)をもつものなども含まれます。
 資料は、平成13年2月に畑で長いもの収穫作業を行なっていた農家の方が農具にあたる鈍い音を聞き、掘り出した土器で、須釜遺跡発見のきっかけとなったものです。土器表面にみえるキズはその時のものです。
図1
図2
図3
図4
語注 須釜遺跡(すがまいせき):春日部市倉常に所在する遺跡。再葬墓出土遺物は一括されて埼玉県指定有形文化財となっている。
再葬墓(さいそうぼ): 関東地方北部から東北地方南部にかけて、弥生時代前期から中期を中心にみられる墓の一種。死者の遺体を骨だけにするために一次葬を行い、骨だけになった遺体を解体・選別し、骨を土器などにつめ再埋葬する二次葬をおこなう埋葬法によるもので、須釜遺跡の再葬墓は二次葬の跡と思われる。
参考文献 『庄和町文化財調査報告第9集 須釜遺跡』(2003年) /『須釜遺跡』(春日部市郷土資料館展示図録、2006年)
その他