収蔵資料の紹介
資料名 | 内出町火消しの纏(うちでちょうひけしのまとい) |
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年代 | 明治~大正時代 |
法量 | 高230×直径65cm |
資料種別 | 歴史資料 |
文化財指定 | 未指定 |
収蔵番号等 | 常設展示 |
資料写真 | |
解説 |
この纏(まとい)は、粕壁地区内出町で使用されていた火消しの道具です。纏は、もともと軍団の標識として用いられていたものでしたが、江戸時代に火消たちの標具として用いられ、火事場で纏持ちが馬簾(ばれん)の中にはいり、火の粉を振り払いながら纏を振り、これを目印にして放水を行い、延焼防止のため建物を破壊しました。内出町の纏には、芥子(けしの実)に井桁をかたどっただしがあしらわれています。これは江戸の町火消のいろは組一組い組のだしと同型で、「芥子+枡」→「消します」の掛詞になっています。 道に沿って家々が立ち並ぶ宿場町であった粕壁宿では、文化2年(1805)の初午の日に、数十年ぶりに火消組による火祭が行われ、町組ごとに行列になり、纏をふり、梯子乗りをしています。江戸時代後期には町組ごとに火消が組織されていたようで、大正12年(1923)には粕壁町内に消防団が少なくとも10部(隊)ありました。この纏の履歴・伝承は伝わっていませんが、だしに「第七部」とあることから、明治~大正時代の粕壁町第七部消防団(内出町)で使用されたことが窺えます。 |
図1 | |
図2 | |
図3 | |
図4 | |
語注 | |
参考文献 |
『春日部市史通史編Ⅰ』(1994年) 戸田市立郷土資料館『戸田の消防~災害から地域を守る』(第28回特別展図録、2012年) 山本純美『江戸の火事と火消』(河出書房新社、1993年) |
その他 | (このページの製作者 平成26年度博物館実習生・石坂美萌) |
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