収蔵資料の紹介
資料名 | 千種有功卿自画賛 三幅(ちぐさありこときょうじがさんさんぷく) |
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年代 | 江戸時代後期 |
法量 | 98×28センチメートル(本紙) |
資料種別 | 歴史資料 |
文化財指定 | 未指定 |
収蔵番号等 | 157-14〜16 |
資料写真 | |
千種有功卿自我賛三幅(拡大).jpg | |
解説 |
この資料は粕壁宿の商家、山口万蔵家の分家に伝来した和学者千種有功の画賛です。 右幅には、日輪の画が描かれ、「しきしまの やまとの そらにいつる日の いるてふ国をかけて てらしつ 有功画賛(落款)」とあります。中幅には、尊松の画が描かれ、「花たにもときは なにせハめかれまし あく世しられぬ まつの色かな 有功画賛(落款)」とあります。左幅には、月輪の画が描かれ、「もろこしの 山のあなたハ しらねとも 雲こそなけれ あきのよの月 有功画賛」とあります。「千種有功卿自画賛 三幅」と箱書のある桐箱に収められ、本紙の落款は「源有功章」で有功のものです。 千種有功は、春日部八幡神社境内にある嘉永6年(1853)建立「都鳥の碑」の撰文を依頼された人物です。また、新方袋の名主の家には並鶴の有功画讃が伝来しています。 これらのことから、この画賛は、千種有功が粕壁宿・近隣農村の名主や宿場の商人などと交流があったことを裏付けるものと考えられます。 |
図1 | |
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語注 |
千種有功(ちぐさありこと):寛政9年(1797)生〜嘉永7年(安政元年・1854)没。京都で生まれ、生活した貴族で、左近権中将(文政10年・1827)、正三位(天保3年・1832)に任じられる。歌人として知られ、和学を学び、書・画をよくした。刀剣の愛好者としても知られている。 都鳥の碑(みやこどりのひ): 当地の古隅田川と武総国境・在原業平伝承との関係を記した石碑。粕壁宿名主の関根氏が尽力して建立したもの。市内春日部八幡神社の参道脇にある。 |
参考文献 |
その他 |
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