郷土資料館の収蔵資料

収蔵資料の紹介

資料名 木崎六之助商店の取引先名簿(きさきろくのすけしょうてんのとりひきさきめいぼ)
年代 大正時代初め
法量 27×21センチメートル
資料種別 歴史資料
文化財指定 未指定
収蔵番号等 381-17
資料写真
解説 この冊子は、大正3年(1914)に創業した「木崎六之助商店」の簿冊です。中には、約350件の取引先の住所・電話番号・店印(たなじるし)などが、短冊状のカードに貼り並べ、記録されています。最終頁には請求書控、運送店送券、メモ書きの3枚が挟まれています。
木崎六之助商店は、明治期に豊野地区銚子口出身の六之助が、粕壁の町で桐タンス製造を始めたことがきっかけでできた店です。桐タンスや桐箱は、現在、春日部の特産品であり伝統工芸品として知られています。木崎六之助商店は、箪笥店でありながら小箱類各種の製造や漆器類の卸売業なども営んでいました。現在の粕壁東2丁目あたりに位置し、戦後まもなくまでは全国各地を商圏としていました。
この資料に書かれている取引先は、「東京府」68件、「関東」39件、「東海道」19件、「関西」39件、「東北」73件という形で分類されています。加えて、どこにも分類されていない住所が100件以上あります。各地の取引先の業種に着目すると、箪笥店が最も多いのは関西で、次いで東京府でした。漆器店は東北が圧倒的に多いことがわかります。また、材木店は関東や関西に多くあったことから、これらの地域で木材を調達していたと予想されます。
図1
図2
図3
図4
語注 工匠(こうしょう):たくみ。手先の技術や道具を用いて、工作物や建物を作り出すことを業とする人。大工や細工師をいう。
参考文献 合資會社商工社『日本全国商工人名録』(1914年)
『春日部市史 第六巻 通史編1』(1994年)
『埼玉県民俗工芸調査報告書 第5集 埼玉の桐細工』(埼玉県立民俗文化センター、1987年)
春日部市郷土資料館「収蔵品展6 かすかべの宝物6」(2007年)
その他 (このページの製作者 令和2年度博物館実習生・諸岡幸恵)