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歴史文化講演会「タタラ山遺跡と花積下層式土器」を開催しました

 1月19日、日曜日、白岡市の奥野麦生先生をお招きして歴史文化講演会「タタラ山遺跡と花積下層式土器」を開催しました。奥野先生には、大変わかりやすくご講演いただきました。また多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。

タタラ山遺跡は、JR白岡駅の西方、白岡市白岡に所在します。元荒川を眼下にのぞむ大宮台地白岡支台の西側縁辺、標高13~15mの台地上に立地します。これまでに11回の発掘調査が行われ、80軒以上の竪穴建物跡が確認されており、このうち約60軒が花積下層式期の建物跡でした。

 ご講演は、縄文時代前期の花積下層式土器は、後に「花積下層式土器」と呼ばれる縄文土器が初めて見つかった春日部市の花積貝塚が元になっていることから始まりました。

タタラ山遺跡については、2次調査の内容を中心にお話しいただき、花積下層式期の竪穴建物の様子や花積下層式の全体形がわかる土器が多く出土したことで、2次調査以前はよくわからなかった花積下層式期の様子がわかるようになったことやタタラ山遺跡で花積下層式期の石製装飾品が多く出土していることなどが紹介されました。

また、タタラ山遺跡内での集落の変遷や大宮台地内での縄文時代前期の拠点集落の移動など、タタラ山遺跡が縄文時代前期の研究に欠かせない重要な存在であることをお話しいただきました。

 

参加者のアンケートからは「縄文海進の影響を受けて集落が移動することを知った」、「集落と地形の関係がよくわかった」などのご意見をいただきました。

白岡市と春日部市は隣接しており、文化財分野では普段から情報交換をしながら、日々の仕事に取り組んでいます。地域の文化財は市域にとどまらない様々な情報や研究が必要であり、今後も連携した事業を展開していきたいと思います。