ブログ

明治43年の水害『新編図録春日部の歴史』からのご紹介ーその57

今年は猛暑、豪雨と異常気象が続いていますが、明治43年(1910)8月は長雨に見舞われました。
明治43年8月5日ごろから関東地方では梅雨前線による降雨、さらに11日、14日と二つの台風が、関東地方から東北地方に上陸・接近しました。これらの雨により各地で大水害が発生し、埼玉県内では特に北部から東部、南部にわたる低地が浸水し、死者、行方不明者あわせて347人にのぼりました。春日部市域でも、8月12日に新町橋が流されるなど大きな被害を受けました。

ご紹介する写真の時田家文書には、当時の炊き出し記録と浸水程度調査表が含まれています。銚子口地区の多くの家が床上まで浸水したことや浸水後の8月17日から被災者に白米・味噌が配布されたことが記録されており、当時の被害状況や生活の混乱をうかがい知ることができます。

「明治四十三年の水害と水塚」『新編図録 春日部の歴史』176ページ

明治四十三年埼玉県洪水氾濫記念図
明治四十三年埼玉県洪水氾濫記念図(『埼玉県水害誌』 埼玉県 1912)

豊野村の炊き出し記録
豊野村の炊き出し記録(時田家文書)

浸水程度調査表
浸水程度調査表(時田家文書)