8/15ミュージアムトークを開催しました
8月15日(木)、企画展示「都鳥が見た古代」のミュージアムトークを開催しました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
名にしおはば いざこと問はむ都鳥 わが思ふ人はありやなしやと
この歌は、平安時代に書かれた伊勢物語の東下りの章で、在原業平が武蔵国と下総国をへだてる隅田川をわたる船で詠んだ歌です。川面に見慣れない鳥が見えたので船頭にたずねたところ、都鳥(みやこどり)と答えたのを聞き、都に残した恋人のことを思った歌です。
春日部市内を流れる古隅田川は、かつて武蔵国と下総国の国境であり、都鳥の歌の舞台であるという考えは江戸時代からみられました。粕壁宿の名主であった関根孝煕(せきねこうき)は、業平の故事にちなみ、「都鳥の碑」を春日部八幡神社内に建てました。
都鳥は、学名をユリカモメといい、春日部市の市の鳥に指定されています。赤黒いクチバシと足、耳のあたりの黒いブチが目印です。愛くるしい表情から、関東から九州にかけて8つの自治体で市の鳥などに指定されています。
ユリカモメは夏の間はロシアやアラスカにいて、10~11月ごろから冬を越すために日本やインドなどに渡ってきます。北に戻る前の2~3月ごろ夏羽となり、頭部の毛が黒くなります。
群れで生活し、春日部周辺で見られるユリカモメは、昼間は川の周囲で過ごし、雑食で何でも食べます。夜は川に沿って東京湾に戻ります。
ミュージアムトークでは、都鳥=ユリカモメは正しいのか?という話題や、春日部の古隅田川と東京都の葛飾区、足立区境を流れる古隅田川、墨田区の隅田川の関係について、みなさんと意見を交換しました。あらためて「都鳥」や「隅田川」を考え直す機会になりました。
ミュージアムトークは、残り1回、8月25日(日)に開催予定です。ミュージアムトークは申し込み不要です。お時間までに企画展示室にお越しください。
また9月1日開催のリレー講演会は残席がわずかとなっています。お早めにお申し込みください。
●春日部市郷土資料館 第70回企画展示
東部地区文化財担当者会40周年記念リレー展示「都鳥が見た古代ー埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代」
会期:令和6年7月20日(土)から9月1日(日)
開館時間:午前9時から午後4時45分
休館日:毎週月曜日・祝日
会場:春日部市郷土資料館(春日部市粕壁東3-2-15・048-763-2455)
共催:東部地区文化財担当者会
(関連イベント)
(残席わずかですーお早めにお申し込みください)
●東部地区文化財担当者会40周年記念リレー講演会「考古学から埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代を考える」
埼玉県東部地区の奈良時代・平安時代の遺跡や資料について、東部地区文化財担当者会考古部会のメンバーが報告します。
講師:鬼塚知典(春日部市)、守谷健吾(杉戸町)、篠田泰輔(行田市)、杉山和徳(白岡市)、関絵美(八潮市)、油布憲昭(幸手市)
日時:9月1日(日)13:30から17:00
場所:教育センター視聴覚ホール
定員:100人(申込順)
費用:無料
申し込み:7月10日(水)から電話(048-763-2455)、直接、電子申請
●ミュージアムトーク
企画展示会場で郷土資料館学芸員が展示解説を行います。
日時:8月25日(日)各日10:30~、15:00~(30分程度)
場所:郷土資料館企画展示室
費用:無料
申し込み:不要