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花積貝塚のイルカの頭骨『新編図録春日部の歴史』からーその3

文化財保護課では現在、庄和地域の神明貝塚の調査を進めていますが、春日部地域の著名な貝塚といえば、花積に所在する花積貝塚です。

今日は花積貝塚で出土したイルカの頭骨を紹介します。
昭和43年に行われた土取り工事に先立つ発掘調査で、今から約4,800年前の縄文時代中期の住居跡内の貝塚からほぼ完全な形のバンドウイルカの頭骨が出土しました。

約6,000年前の縄文時代前期、春日部市の低地部分は「奥東京湾」と呼ばれる海で、花積貝塚は湾内でも奥に位置する半島状の高台にあります。そのような貝塚でイルカの骨が発掘されたことは珍しい例です。
また、頭蓋骨の下部がつぶれていることから、脳髄(のうずい)を取り出したことが想定されています。

「海進・海退と貝塚」『新編図録 春日部の歴史』14ページ



イルカの頭骨