作家三上於菟吉の講演会を開催しました。関連の特別展示は開催中です。
令和7年2月1日(土)午後、大凧文化交流センター ハルカイト において、大正文学研究者である湯浅篤志先生をお迎えして、三上於菟吉顕彰会と共催で歴史文化講演会「『百万両秘聞』の中の春日部」を開催いたしました。
ご講演は春日部市西宝珠花が舞台の一つとなっている「百万両秘聞」について、三上於菟吉の作品の中での位置、作品に見られる江戸川と西宝珠花周辺、大正から昭和初期にかけての大衆文化、映画と作品との関連などをわかりやすく解説していただきました。市民の方をはじめ、市外・県外からも含めて50名近くの方が受講され、大変好評のうちに終えることができました。
作家三上於菟吉は、明治24年(1891)桜井村木崎(現春日部市木崎)に生まれ、昭和19年(1944)幸松村八丁目(現春日部市八丁目)で亡くなった、大正から昭和前期を代表する大衆作家です。代表作「雪之丞変化」は、何度も映画化され、現代でもドラマや演劇の原作となっています。昭和10年(1935)に直木賞が創設されると、初代の選考委員を務めました。
後半には、1月に『百万両秘聞』を復刻された直木賞研究者の川口則弘先生と三上於菟吉顕彰会会長を交えて、トークショーを開催し、楽しいお話を伺うことができました。
イベント開催に合わせまして、3月2日(日)まで、大凧文化交流センター ハルカイト(火曜休館 火曜が祝日の場合は翌平日休館)、庄和図書館(期間中休館日なし)、郷土資料館(月曜・祝日休館)では、三上於菟吉を特集した展示を開催し、各会場を巡るスタンプラリーを開催しております。ハルカイトでは旧制粕壁中学校時代に作品を投稿した雑誌「文章世界」を、庄和図書館では関連図書を、郷土資料館では谷崎精二へ献本した処女作『春光の下に』などを展示しております。
▲大凧文化交流センター ハルカイト の特別展示
雑誌「文章世界」 雑誌「早稲田文学」 処女作「春光の下に」 三上於菟吉全集 長谷川時雨全集
▲郷土資料館での特別展示
雑誌「しれえね」 処女作「春光の下に」(谷崎精二へ献本) 他に自筆書簡・色紙・短冊など
郷土ゆかりの作家三上於菟吉と作品につきまして、皆さまが訪ねていただける機会となりましたら、幸いです。