あたたかい心の貯金
校長 金子 博之
高野山小学校の児童は、優しい子ばかりですが、今月は「ちくちく言葉」と「ふわふわ言葉」のお話をしたいと思います。
「ちくちく言葉」は、傷つく、悲しい、いやな言葉です。逆に「ふわふわ言葉」は、うれしい、優しい言葉です。「ふわふわ言葉」には、子どもたちが互いにつながり、楽しく安心して学校生活が送れるよう、相手のことを思いやる「言葉」を大切にして欲しいという願いが込められています。
人の心の中には生まれながらにして「あたたかい心の貯金」があると言われています。人からほめられたとき、話をしっかり聞いてもらったとき、「ありがとう」「いいよ」「いっしょにやろう」「がんばったね」「あなたのせいじゃないよ」と、思いやりが伝わる「ふわふわ言葉」を言われた時などにあたたかい心の貯金が貯まっていきます。あたたかい心の貯金とは、心の余裕です。心に余裕が生まれると、自然に家族や友だちに優しくなり、周りとのコミュニケーションが上手にとれるようになります。あたたかい心の貯金の残高が多ければ多いほど自分を大切だと思える自己肯定感、やる気、自信が増えてきます。
反対にあたたかい心の貯金が貯まっていない子は、周囲に対して心がささくれ立ち、反抗的な態度をとったり、家族や友だちとうまく接することが難しくなってしまうことがあります。また、自分はだめな子だと自己評価を低くし、自信が持てなくなり、周囲とのコミュニケーションがうまくとれなくなってしまう場合も出てきます。
子ども同士だけでなく、大人と子どもの関係も同じです。ほめれば貯金が増え、けなせば貯金が減っていきます。子ども一人一人の個性を受け止め、温かく見守り、プラスの声かけをしていくことは、私たち子どもの周りにいる大人の大切な役割の一つであり、常日頃から気をつけなければいけないと感じています。
「ふわふわ言葉」があふれる学校・家庭でありたいものです。
今月もどうぞ、よろしくお願いいたします。