校長室

すべては子どもたちのために

すべては子どもたちのために

校長 金子 博之

 少なくとも私が教師になった30数年前までは、学校は安全で安心できるところだと、教職員はもちろんのこと、保護者の方々も地域の方々も社会全体が信じて疑いませんでした。事実そのように安全でした。

 しかし残念なことに、日本社会の急激な規範意識の希薄化、日常生活のルールやモラルの欠如、知恵を絞って人をだましたりごまかしたりなど不正をなりわいとする人々の出現、子どもをターゲットにしてまさに食い物にする大人達の出現は、結果として子どもたちにとって危険な社会を生み出してしまいました。社会の浄化、大人のモラルの回復を叫ぶだけでは、子どもの安全は確保できません。日本人と日本に住む人の規範意識とモラルには、信頼するよりも、不信感を持って対処しなければならない事実が多すぎるように思われます。「知らない人と挨拶はしないようにしよう。」といった指導は、その典型です。

 社会がだめになった、日本人がだめになった、地域環境が悪化した、他を責めているだけでは子ども達の安全な生活は保障できません。

 学校・家庭・地域社会・警察などが連携し危機管理を徹底していくことが喫緊の課題です。その意味で、今回学校だよりと同時に発行された「地域安全懇談会通信」にある通り、高野山小学校PTAが中心となり、各種団体が一つにまとまっていくことの意義は、大変大きいと考えています。これをお読みになっていらっしゃる全ての人のお力をお貸しくださいますよう、改めてお願いいたします。ご理解とご協力をどうぞ、よろしくお願いいたします。