林間学校を終えて

 9月20日~22日の2泊3日で林間学校が行われました。

 いつもより少し早起きでしたが、遅刻者もなく5年生は集合し、予定通りにバスが学校を出発しました。バスの中では、レク係を中心にビンゴゲーム、風船ガムテープ剥がし、カタカナーシ、品物の値段あてゲームで楽しく過ごしました。道路は千葉市付近でやや込んでいましたが、館山道に入ると空いていて、ほぼ予定通りに、最初の目的地安房郡鋸南町と富津市との境に位置する標高329.5メートルの鋸山(乾坤山)に到着しました。

 この日の天候は晴れで暑さがやや厳しかったですが、山の木陰に入ると思っていた以上にヒンヤリしていて、張り切って登山がスタートしました。標高はそれほどでもないですが、斜面のきつい箇所がいくつか点在し、元気だった児童も次第に無口になってきました。しかし、途中の休憩した場所から広がる景色や「房州石」の切り出された跡地、跡地に作られた「百尺観音」、頂上の「地獄のぞき」からの絶景に登山の疲れも忘れる景観が楽しめました。下山後、石で作られた大仏としては日本一の大きさを誇る日本寺大仏のある広場で昼食をグループごとにとりました。最後まで全員が自分の足で完登した後の昼食は格別で、どの児童も最高の笑顔でご飯を食べていました。

 昼食後は、再びバスに乗り、宿泊地の大房岬自然の家を目指しました。

 鋸山から近いこともあって、あっという間に自然の家に到着し、入所式を済ませ荷物の整理をしたところで敷地内を散策しました。敷地内にある海辺、タイマイ浜では、濡れてもよい靴に履き替えたこともあって、波打ち際で絶え間なく続く波と楽しく磯遊びができました。そして、夕食を美味しく食べ、この日の最後の活動、キャンプファイヤーに臨みました。最初に厳かな雰囲気の中、「健康」、「協力」、「平和」をみんなで誓い、ファイヤーに点火し、キャンプファイヤーが始まりました。闇の中を明るく照らすファイヤーを囲み、学校で練習してきたフォークダンスやレクで大いに盛り上がり、充実した1日目が終わりました。

 2日目は朝寝坊する児童もなく6:30に起床。

 この日は、まず野外炊飯にチャレンジしました。役割分担に従って、米を研いだり、かまどに火を起こしたり、カレーの具材を洗って切ったりと役割毎に作業を進めました。かまど係は、薪割の仕方を所員の方に教わり、薪割からマッチを使って火起こしすることができました。そして、12:00頃にはどの班も美味しいカレーライスが出来上がりました。かまどの煙、ちょっぴり焦げたご飯、…、普段食べなれたカレーなのに、格別の昼食をみんなで日差しのもと美味しくいただきました。

 昼食後は、自然の家の敷地を使ってオリエンテーリングを行いました。大房岬自然の家は、南房総国定公園大房岬内にあり、青い海と緑の木々に囲まれた豊かな自然環境に囲まれています。広大な敷地を児童たちは地図を片手にグループの仲間とポイントを探して元気よく走り回っていました。

 2日目の夕食後は児童たちが楽しみにしていたナイトハイク。街灯が殆どない自然の家の山林を懐中電灯だけで歩くコースは、月明かりも殆ど届かない漆黒の闇になっていました。スタート地点の広場から2人ずつ、等間隔で出発していきました。あまりの怖さにリタイヤする児童もいましたが、自然の家に戻ってからみんなで花火をするなど、去り行く夏の楽しい思い出の一つになったようです。

 3日目は、房州うちわとフォトフレームの制作に取り組みました。房州うちわは、日本の三大うちわのひとつで、南房総で受け継がれてきた千葉県を代表する伝統的工芸品です。竹の丸みをそのままいかした「丸柄」が特徴で、1本の竹を48~64等分に割いた骨を糸で編んで作られる半円で格子模様の美しい「窓」が魅力のうちわです。職人さんの説明を受けた後、早速作成に入りました。うちわの骨を均等にして、のり付けし、各自で選んだデザインの紙を貼り付け、型紙に沿って余分をハサミで切っていき、最後に細長く切った帯状の和紙をヘリに貼って完成です。完成したうちわにしばしみとれる児童もいました。また、フォトフレームの方は、完成された木製のフォトフレームに好きな貝殻をボンドで貼っていくものです。用意された貝殻をかき混ぜながらお気に入りの貝殻を見つけ、自由に貼り付け飾っていきました。大小さまざまなで色とりどりの貝殻をたっぷり使ったので、どの作品もたいへんオリジナリティーの高い、素晴らしいフォトフレームに仕上がりました。

 この日は朝からあいにくの雨でしたが、作成中に雨も上がり、時折晴れ間も顔を覗かせる天候になったので、最後の昼食も、予定通り野外で食べ、予定した活動が終わりました。

 今回は出発するまでは天気予報が雨模様で雨対策も考えていましたが、天候にも恵まれ、すべての活動が予定通りに行うことができました。また、どの活動でも5年生の協力と団結の元に、数々の問題をクリアすることができ、大きな成長と充実を感じる林間学校となりました。そして子どもたちの林間学校のテーマである「思いやり」や「絆」がいっそう深まり、思い出深い林間学校にすることができました。

 最後になりましたが、朝早くからお見送り、そして到着時にはお出迎えとお骨折りいただいた保護者の皆様、ご協力ありがとうございました。

 ▼鋸山登山
    
    

▼1日目自然の家で
    
    

▼2日目飯盒炊飯
    
    

▼オリエンテーリング、ナイトハイク、花火
    
    

▼房州うちわ、フォトフレーム