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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「怒りを捨てる?」

 毎朝出勤し、新聞に目を通すことから私の一日はスタートします。先日いつものように新聞に目を通していると興味深い記事を見つけました。それは「怒り」を軽減させる方法について、日本の大学の実験チームがイギリスの科学誌に発表したという内容です。チームは「怒りを感じた際、その状況や感情を紙に書いて、その紙を捨てると怒りが抑制される」としています。さらに記事を読み進めると、チームの実験では50人の学生たちにテーマを与え作文を書いてもらい、その作文に「大学生が作成した文章とは思えません」と、わざと低い評価を与えて怒りを抱かせたそうです。次に学生に、今の感情を紙に書かせ、丸めてゴミ箱に捨てさせると学生たちの怒りが軽減されたというのです。また実験では、感情を書いた紙を捨てずに裏返すだけでは効果は認められず、シュレッダーで切り刻んだ場合は同様の効果が得られたそうです。
 今の世の中、大人だろうと子供だろうと少なからずストレスを感じながら生活しています。本校に限らず全国的に子どもたちのSNS等によるトラブルは増加傾向です。そんなSNSや友人関係のトラブルを自分たちで解決できず、その怒りを家族や教員、周囲の仲間にぶつけ、更に大きなトラブルに発展するというケースが増えたように感じます。
 今後、この実験チームは、メールやSNSなどデジタル画面による怒りの原因を、画面上から「消去」することで紙と同様の効果が得られるのか検証したい、としています。検証結果が楽しみです。

校長室のひとりごと「読書」

 皆さんは読書していますか?
 全国学校図書館協議会が2022年に実施した調査データによると、1か月に1冊も本を読まない「不読者」は、小学生6.4%、中学生18.6%、高校生51.1%、と若者の読書離れが進んでいます。
 読書は多くの知識を獲得したり、文字から得る情報だけで情景や主人公などを思い描くイマジネーションを働かせることで、読解力、想像力、思考力、表現力を高めてくれます。人生を豊かにし、より深く生きるための力を身につけるうえで読書は有効な手段の一つです。
 かつて中学校では「朝自習」という時間がありましたが、徐々に「朝読書」と言われる読書をする時間に代わり、この「朝読書」は全国的に広まりました。読書そのもはもちろんですが、朝の部活動を終えた子供たちの冷却タイム、呼吸も心も落ち着かせ授業に移行する手段という側面もありました。一日10分程度の「朝読書」でも読書の習慣が身につき、給食の配膳中など少しの隙間時間に読書をする子供たちが見られたものでした。
 しかし昨今、この「朝読書」に取り組んでいる学校は減ってきています。増え続ける学校課題、一方でスリム化・効率化の風潮などが影響しているのでしょう。また、調べ学習など図書室へ行って本から情報を得るのが常でしたが、今は「GIGAスクール構想」で配備された一人一台PCを使えば、教室にいながらネットで様々な情報を手に入れられることも図書室に行く機会が減り、結果として読書離れに拍車をかけているように感じます。
 ゲームや動画サイトなどでは直接的に映像として視覚に飛び込んできて、それはそれでリアルで必要だと思いますが、白い紙に黒インキで刷られた文字から想像することができる読書も大切です。読書の魅力を子ども達に伝えていきたいと思います。(GW初日の明日は雨予報、本でも読もうと思います)

校長室のひとりごと「セルフ」

 最近、変化についていけないことがあります。お店に行けばセルフレジで「え~っと…」って使い方に戸惑ってしまいます。回転寿司に行っても、まずは発券して座席を待ち、注文はタブレット画面から選びます。ファミレスでは、注文した料理をロボットが座席まで運び、ロボットのけなげさに、つい「ありがとう」とお礼を言ってしまいます。最近は居酒屋でも会話が弾みません。注文は自分のスマホでQRコードを読み取り、表示されるメニュー画面を操作し自分で注文するというお店が増えてきました。若い先生方と行けば「じゃあ校長先生は何飲みますか?」「はい注文しました」などと手際よくシステムを使いこなしますが、おじさん同士ではそうもいきません。みんな目を細めスマホ画面と向き合い「あれ、飲み物画面が無いぞ?」などブツブツ言いながら飲み物を注文します。数分後飲み物が届き、やっとのことで「カンパ~イ!」と喉を潤すことに成功。盛り上がったのは一瞬です。すぐにまたスマホと「にらめっこ」が再開。「あれ焼き鳥はどこだ?」とか「お勧めって何?」などと独り言ばかりで会話という会話が成立しません。店を出た時には皆「なんか疲れたな~」ってため息をついてしまいました。

 店員さんと一言も交わさなくても用が足りてしまうお店が増えてきました。私は店員さんに「今日のお勧めって何?」とか「焼き鳥って一皿何本?」なんて聞いたり、「今日のお勧めは活きの良いカンパチです」「じゃあそれもらおうか」なんて会話を楽しみたいのですが、メニューの画面には、お皿に5本盛り付けられた焼き鳥の写真が出てたりして…
 少子化に伴った労働力不足が進む世の中では、こういった「セルフ」が一層増えていくんでしょうか。おじさん代表としては、どこか淋しい気持ちになってしまいます。

校長室のひとりごと「生成AI」

 まずは次の文をお読みください。
「この受賞は私だけではなく、数多くのスタッフ、そして家族など関わってくれた全ての皆様のおかげです。そのサポートと協力なしでは、受賞することはできませんでした。心から感謝しています。この受賞を励みとして、皆様に一層喜んでいただけるようこれからも精進してまいります。ありがとうございました。」
 これは「生成AI(人工知能)」による作文です。「生成AI」に「受賞・お礼・スピーチ」と三つのキーワードを入力し、作成された文章の中の一文です。もちろんこの文をそのまま使う機会もありませんが、凄くないですか? 仕事上人前で話す機会の多い校長職ですが、近い将来AIに校長の座を奪われる日が来てしまうのでは、と心配になります。

 「生成AI」とは、ネット上にある膨大な情報を学習し、無限の引き出しに保管し、使用する人のニーズに合わせて、その引き出しから取り出し、並べながら自然な形で返してくれるものとされています。最近では、文章だけではなく絵画やイラスト、イメージ画像なども思いのままに作成できるようです。
 この生成AIは教育現場での利用についてよく話題になります。夏休みの課題、読書感想文、卒業論文やレポートなどに使われたり、実際に著作権等の問題も発生しているようです。生成AIは大変便利なものですが、使用する側のマナーやモラル、スキルをしっかりと身に着けた上で上手に「AI・人工知能」と付き合っていきたいですね。

校長室のひとりごと「地域に開かれた学校を目指して」

「よし、今年はHP頑張ろう!」と「校長室のひとりごと」を始めました。HPに手を出した理由をよく聞かれますが、「多くの人に学校のことを知ってもらうため」と答えています。校長だから書けること、校長だからお願いできることを飾らずに書き続けたいと思っています。
「地域に開かれた学校」「地域の核となる学校」などという言葉がよく使われますが、実際に言葉に相応しい学校経営は簡単なことではありません。ましてコロナ禍で外部の方々をシャットアウトしてきた数年間のブランクがあったため尚更です。
 日頃から私は地域の行事や会合に率先して足を運ぶようにしています。地域の方々と直接会話を交わす度に、この地域を再発見させていただいています。時には私から図々しく一方的に学校への協力を願い出たりもします。これでは「地域に開かれた学校」とは程遠く「学校に開かれた地域(?)」の一方通行です。学校のことを知っていただくことが「地域に開かれた学校」の第一歩だと、この「校長室のひとりごと」に至ったわけです。現在、川間中学校はPTAをはじめ、学校評議員、学校支援地域本部、地域コーディネーター、図書ボランティア、部活動指導員、民生委員、児童委員、自治会連合会、社会福祉協議会、いきいきクラブなど、多くの団体多くの皆さんにご協力頂いています。
学校だからできること。校長だからできること。保護者の皆さんだからできること。地域の皆さんだからできること。皆さんに学校運営に参画していただくことで、多方面から次世代を担う子供たちを育てていけたらと願っています。

校長室のひとりごと「新入生歓迎会」

 金曜日「新入生歓迎会」を行いました。最近は行事の精選で実施しなくなった学校もあるようですが、新入生はもちろん、2.3年生にとっても大切な生徒会行事だと考え実施しました。この新入生歓迎会は、慣れない新入生に早く中学校生活に慣れてもらおうと2.3年生が企画し、生徒会活動や各部活動、年間行事などを紹介し、迫力ある全校応援や合同の合唱で新入生を歓迎する会です。この1週間、時間を取って練習してきましたが、練習や本番の発表を通して、2年生は先輩になったという自覚、3年生は最上級生になったという自覚や責任を持つきっかけとなる行事です。歓迎される新入生は、中学校生活への決意を込めて、3年生に教えてもらい覚えた校歌を元気よく披露しました。2.3年生の迫力ある発表を見たことで「先輩たちのように」と目指す方向が定まり、改めて中学生になったという実感を持つことができ、全校生徒それぞれに意味のある新入生歓迎会でした。
 会の中で私から新入生に対して次のような「充実した中学校生活を送るためにpart2」を話しました(part1は入学式の式辞です)。
 「四つ目として常に先を意識することです。もちろん一日一日を頑張ることは大切ですが、今頑張りながらも、頭のどこかには明日の自分、来週の自分、来月の自分、来年の自分、中学卒業後の自分、将来の自分、そんな姿を思い描いておくことが大切です。そうすれば、今の頑張り方がかわってくるものです。常に先を意識することです…」 という話です。
        一つ目「簡単にあきらめないこと」
        二つ目「何事にも挑戦すること」
        三つ目「多くの人とかかわること」
     そして四つ目「常に先を意識すること」

 新入生という呼び名から1年生になった生徒たちの活躍が楽しみです。

校長室のひとりごと「睡眠障害・寝不足」

 一般的な話になりますが、子どもの「睡眠障害」について気になっています。ゲームやSNSの子どもたちへの普及、習慣化が影響してか、現代の子どもの3~4人に一人の割合で「睡眠障害」や「睡眠習慣による問題(寝不足)」を抱えているといわれています。発育過程の子どもの睡眠不足は、ケガ、肥満、高血圧につながるという報告もあり、脳や身体的発達にも影響を及ぼしかねないため、我々大人以上に睡眠習慣の改善を図る必要があります。
 機会があれば「昨日何時に寝た?」と生徒たちに質問しています。「10時くらい(10時前)」と答える生徒は少なく、「11時、12時くらい」と答える生徒が一番多く、日付が変わる時間を答えた生徒も少なくないことに驚かされます。11時以降と答えた生徒に「何やってたの?」とすかさず切り返したところ「習い事や塾」という生徒もいれば「スマホをいじっていた」という生徒が多かったことに驚かされました。(正式な調査ではありませんが)
 一般的に成人は7時間以上、中高生は8時間以上、小学生は9時間以上の睡眠時間が推奨されています。翌朝遅くとも7時には起きることから、夜11時には就寝してほしいものです。心身ともにリフレッシュした状態で登校してくることが理想です。
 心身の発達期である中学生、やはり「早寝・早起き、そして朝ごはん」、規則正しい生活リズムを身につけさせたいと思います。

校長室のひとりごと「全国学力学習状況調査」

 本日「全国学力学習状況調査」を実施しています。毎年小学6年生と中学3年生を対象に行われる全国調査です。3年に1度「理科」や「英語」を実施しますが、基本は今年度実施する「国語」と「数学」です。この調査の目的は「義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から全国的な学力や学習状況を把握・分析し国や各自治体の教育施策、各学校の成果と課題を検証し、その改善を図る」とされています。ですから学校の成績には関係ありません。
 例年8月にこの調査結果のうち各都道府県の順位が報道されたりしますが、調査の趣旨から競い合うためのものではないため各市町村や各学校の結果は一般には公表されません。本校でも結果をもとに生徒の実態を分析し9月以降の授業の進め方等の改善につなげます。
 この調査で私が注視しているのが「質問調査」です。国語、数学以外に、生活習慣や学習状況などをアンケート形式で調査(今回からオンライン)するものです。中でも「自分には良いところがあると思いますか」という質問に注目しています。この「自分には…」では、例年全国や県に比べ野田市は低い結果となっています。自己肯定感を持つ生徒が少ないのです。何事にも自信を持って主体的に取り組むためには、この自己肯定感が大きく関係します。学校経営の重点項目に「自己肯定感を持たせる工夫」「ほめる場の工夫と設定」と掲げているのもこのためです。
 国語・数学の調査結果はもちろんですが、昨年度一年間「自己肯定感」を高めるための取り組みが結果にどう表れるのか楽しみです。

校長室のひとりごと「避難訓練」

 熊本地震から8年となった昨日「避難訓練」を行いました。年度始めなので「避難経路を覚える」ことが主な目的です。今回は自分の教室で、尚且つ学級担任がいる状況での避難のため混乱もなく避難することができました。
 実際の災害は授業中とは限らず、休み時間や部活動、登下校中に起こるかもしれません。能登半島地震は元日の夕方に発生したことは記憶に新しいところです。
 年3回実施する学校の避難訓練では、今回のように実際に避難するという手段はもちろんですが、生徒一人一人の「防災に対する意識」を醸成してゆくことが大切だと考えます。いつ何時起きるかわからない災害時に「自分の命を守る」「近くの人と共に助かる」「避難所運営など協力し助け合う」という「自助・共助・公助」の精神を養うこと、それが命を守ることはもちろん、地域の一員としての自覚や責任につながると考えています。
 能登半島地震、熊本地震、東日本大震災、阪神淡路大震災では実際に避難所となった中学校の生徒たちが、率先して避難所運営に携わる姿、また中学生が小さな子供やお年寄りの手を引き、また背負って避難する様子が報じられていました。「川間中生にできるだろうか…」他人事ではなく自分事として捉える力が身についてほしいと願っています。
 いつやってくるかわからない災害、自分はどう備えたら良いのか、自分には何ができるだろうか、自分は何をしなければならないのか… 
 そんな防災に対する意識を日頃から育んでいきたいと思います。

校長室のひとりごと「アップデート」

今回より「タイトル」の書き方を変更してみます。 

「アップデート」という言葉を聞いたことはありますか。皆さんも色々なところで「アップデート」していることと思います。直訳すれば「更新」です。スマートフォンを例にあげれば、アプリやソフトウェアを最新の状態にしたり、不具合を修正したり、セキュリティを向上させることでユーザーが安全に使いしやすくするものです。
 実は昨年4月の着任以来、川間中学校のアップデートに取り組んでいます。学校のアップデートなんてわかりにくいかもしれませんが、スマートフォンを「学校の敷地や校舎」に置き換え、アプリやソフトウェアを「教育課程や約束事」に、ユーザーを「生徒」という言葉に置き換えればわかりやすいかもしれませんね。
 野球やサッカーなどスポーツ界ではチームのトップである監督が代わればフォーメーションなど様々な変化が現れます。会社であれば社長が代われば会社自体が変わるでしょう。  学校はといえば、校長が代われば学校の雰囲気は変わっても、根本的には変わりません。公立の義務教育「教育の機会均等」という大前提にプラスし、一般的に校長は2.3年で入れ替わります。2.3年ではあえて変えようとしなければ変えられるものではありません。その長年の積み重ねが、学校には令和の時代に昭和や平成の時代からの物品や風習を残してしまっているのです。時代や社会の変化に伴い学校は新たな課題が増える一方で、煩雑になってしまいがちです。そこで「ここいらで整理整頓しわかりやすくしましょう」と川間中学校のアップデートに取り組んでいるわけです。
 「教育課程や約束事などを最新の状態にしたり、不具合を修正したり、セキュリティ(安心安全)を向上させることで生徒たちが活動しやすくなる」ことを目指しています。

※ アップデートによる変更点は随時お知らせいたします。