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校長室のひとりごと

校長室のひとりごと「人を育てる」

 我々教員の最も本質的で大切な仕事、それは人を育てることです。人を育てるうえで多くの教員が「生徒が思ったように動いてくれない」と悩むものです。人にはそれぞれの意思があり、様々な価値観があるため簡単にはいきません。経験の少ない教員は、何とか生徒たちをコントロールしようと躍起になり、うまくいかないばかりか互いにストレスをためてしまいます。一方経験豊かな教員が同じように指示を出すと、サッと生徒たちが動いてくれます。一見同じことしかしていないようでも、実は見えないところで「種をまき」、しっかりと「水をあげている」ものです。
 教員は生徒たちに話をする機会がたくさんあります。例えば毎日の「帰りの会」では必ず最後に担任の先生が話をします。経験の少ない先生は「あれも話さなくては…」「この連絡を忘れないように…」とメモした内容を必死に伝えます。言い方を変えれば教員の都合で一方的に話してしまい時間が過ぎてしまいます。経験豊かな先生は、4月からコツコツと「こんな生徒になってほしい」など考えや願いを語り、その考えや願いを生徒と共有しようとします。これが「種まき」です。また休み時間など、他愛もない雑談から上手に生徒たちの思っていること、考えていることを聞き出します。そして会話の節々に「すごいね!」「さすがだね!」と相槌を入れたりします。これが「水やり」です。こうしたコミュニケーションの積み重ねが根を張り、信頼関係のつぼみをつけ、互いに相手のことを理解し、どうしてほしいのか、どうするべきなのかを自然に考え、自分から動こうとするため、同じ指示を同じように出しても結果は違ってくるものです。
 足掛け4年のコロナ禍では、こうした「種まき」「水やり」も行動制限があり十分にできない時期が続きました。
コロナ禍が明け1年。今は職員室という畑に種をまき、時間を見つけ若い先生方に水をあげている毎日です。

校長室のひとりごと「英語検定」

 市内大会も終わり、来月の定期テストに向け取り組みを始める時期となりました。ところで高校入試の合否の判断基準は一般的に受験当日の「入試の得点」「面接等の得点」それに、これまでの「内申点」です。受験する学校により、これらの占める割合は異なります。意外と知られていないのが「内申点」です。私立の入試での推薦基準も、この「内申点」で決まる学校がほとんどです。知っているようで、はっきりわからない内申点ですが、簡単に言えば「内申点とは通知票の各教科の数字の合計」です。各教科5段階評定の9教科ですから、オール5で「45点」、3年間なら「135点」となります。また高校によって、その他の活動実績を点数化し加算しています。例えば、生徒会(委員会)活動や部活動の実績、展覧会等での表彰、英語検定などの各種検定などが加算され「内申点」となるわけです。

 先日、文部科学省が「2023年度英語教育実施状況調査」の結果を公表しました。この調査は、中学校であれば中学卒業レベルの英語検定3級取得、または3級相当の人数を、高校であれば、高校卒業レベルの英語検定準2級取得、または準2級相当の人数を調査するものです。調査結果は、それぞれの人数を%で示し、中学、高校とも前年度を上回り、中学では英検3級以上、3級相当が50.0%、高校では準2級以上、準2級相当が50.6%だったそうで、どちらも過半数に達したそうです。
 グローバルな時代に必要な資質として挙げられる「コミュニケーション能力」「英語力」の客観的な物差しとなる「英語検定」がこれまで以上に注目を集めそうです。
 2025年度の実施は断念されたようですが、大学入学共通テストの英語を、英語検定など民間のテストのスコアを採用することが検討されていることからも、より生きた英語力を身に着けた人材を求めているということなのでしょう。
 今年度も本校を会場として3回の英語検定を予定しています。多くの生徒が受験し合格を目指してほしいと思います。

校長室のひとりごと「目的と目標」

 校長が言うのも変な話ですが、中学校というのは、やたらと「目標」とか「目的」という言葉が登場します。「学校目標」「学年目標」「学級目標」「今日の目標」「この活動の目的は」・・・
 「目標」や「目的」がたくさんあることが悪いことではありませんが、きちんと整理しておく必要があるでしょう。
 「目標」と似ている言葉に「目的」という言葉がありますが、まずはこの「目標」と「目的」の違いを明確にしましょう。登山を例にとれば「目的」は山頂、つまりゴールです。それに対して「目標」は山頂に至るまでの数々の通過点で「よし、今日は8合目まで登ろう!」というのが、今日の「目標」というわけです。また「長生きする」ことが「目的」であれば、「毎日10,000歩、歩こう」というのが「目標」であり、いつしか目標の10,000歩が15,000歩に変わっても問題ありません。
 次に順番です。「目的」と「目標」は順番が大切です。「目標」を積み重ねた先に「目的」があるのではなく、まず目指すべきゴール「目的」を決め、その「目的」にたどり着くまでの段階的なステップ、それが「目標」であり、随時設定してゆくことになります。
 「目標」は「目的」を達成するための手段ともいえるので、漠然とした「長生きする」という「目的」に対して「目標」はより具体的に「毎日」とか「10,000歩」などと明確なものが良いでしょう。
 実際に日々生活している中で「目的」「目標」を意識するにも、この二つには違いがあります。大きな「目的」を達成するために設定する「目標」は自分の置かれた様々な状況を考えて設定する必要があるのに対して、「目的」は考えるのではなく、思い出すという意識です。つまり闇雲に「10,000歩」歩くより、「長生きするために!」と思い出しながら意識することが目的達成により近づけるのではないでしょうか。
 何だか整理してきたつもりが、かえって混乱させてしまったような気もしますが、口に出す出さないは別にして、皆さん「目的」を持ちましょう。そして、そのための手段として「目標」を設定し行動に起こしてみませんか。毎日にハリが出てくると思います。

校長室のひとりごと「スポーツと爪」

 いよいよ市内大会です。この雨で野球、サッカーは開始が遅れるようですが、どの部活動も頑張ってほしいと思います。
 もともと私は体育教師で、実際に自分でも多くのスポーツをやってきました。そんなこともありスポーツに関する蘊蓄(うんちく)は、意外にあると自負しています。そんな蘊蓄(うんちく)の中から、今日は「爪」について書いてみようと思います。
 一流のアスリートでない限り、さほど意識することはないと思いますが、実は「スポーツと爪」は、競技パフォーマンスに大きく影響する間柄なのです。スポーツの基本的な動作「走る」「跳ぶ」「投げる」「掴む」を考えれば爪の重要さを想像できるのではないでしょうか。走るときに地面を蹴る足の指の圧力に耐えるのが足の爪です。野球のピッチャーが大きな力をボールに伝えるのも指先です。その指先の圧力に爪が負けると、爪が割れ、途中交代となってしまいます。また、柔道やクライミングなど掴む動作もやはり指先、爪が大切です。仮に指先より爪が長ければ、相手を掴むときに引っ掛かり、場合によっては爪がはがれてしまったり、相手を傷つけたりしてしいます。
 近年、単に爪の長さを整えるだけではなく、丈夫で割れにくい爪を保つために、爪のケアが注目されています。ハンドクリームやオイルなどで乾燥を防ぎ、割れにくくしたり、スポーツ、種目の特性によって、または指によって一本一本爪の形にこだわっている選手も少なくありません。競技の特性によって、指に沿って丸く整えたり、逆に丸めず直線的に揃えたり、利き手、利き足とそうでない手足と長さを変えたりと、爪にこだわりを持っている選手は少なくありません。
ご年配の方は、スポーツと爪と言えば、1984年のロサンゼルス、1988年のソウル五輪で活躍した陸上短距離のフローレンス・ジョイナー選手の綺麗に伸ばし飾った手の爪を思い出す方もいるのではないでしょうか。(これは別の意味のこだわりですが…)
 TV等でスポーツ観戦をする際に、少しだけ「爪」を意識してみませんか。

校長室のひとりごと「運動部の大会」

 明日、明後日と各運動部活動の野田市内大会が行われます。
 運動部活動の大会は、主に今回の市内大会、夏の葛北大会、1.2年生の秋の葛北新人大会、各競技団体の連盟や協会主催の選抜大会が種目ごとに行われます。主力となる3年生にとっては、夏の葛北大会が目標で、その前哨戦となるのが今回の市内大会で、直接上の大会にはつながりませんが、結果が夏の葛北大会のシード権に反映されたりします。日頃の練習の成果を発揮できるよう頑張ってほしいと思います。
 さて、夏の葛北大会について少し紹介します。正式には「千葉県中学校総合体育大会」の葛北支部予選を「葛北大会」と呼んでいます。葛北支部とは、野田市と流山市で構成され野田市11中学校、流山市10中学校が所属しています。この葛北大会で勝ち残れば、予選突破となり「千葉県総合体育大会」に葛北支部代表として出場することができます。いわゆる県大会出場です。その県大会でも勝ち残れば、8月に行われる関東大会や全国大会に千葉県代表として出場できるという一連の大きな大会のスタートが葛北大会というわけです。
 「中学校総合体育大会予選」は全国各県でほぼ同時期に開催され「全国中学校総合体育大会」いわゆる全国大会を頂点とした一連の大会が、中学生にとって一番規模の大きな大会となります。また、7月の葛北大会から8月下旬の全国大会までの一連の大会で、負けたら3年生は事実上部活動から退き、今度は受験生として気持ちを切り替え「進路開択」を新たな目標に生活することになります。
 市内大会の主力は主に2.3年生ですが、1年生にとっても入部し始めての公式大会となります。試合に、応援に、サポートにと一人一人目標をもって明日、明後日の大会に臨んでほしいと思います。

 *野田市中学校陸上競技大会(陸上部+選抜生徒)は5月29日に行われます。