過去ブログ(平成25年度~平成26年度)

その3 カウンセラーの眼「愛着、愛情ホルモンが今、注目」


<カウンセラーの眼「愛着、愛情ホルモン「オキシトシン」が今、注目されています」> これまで数回にわたり、親子の愛着やスキンシップの重要性について掲載してきましたが、今日は愛着、スキンシップから分泌されるホルモン「オキシトシン」についてお話します。

1 「オキシトシン」という愛情ホルモンが1906年に発見され、NHKなどでもその効果を「特番」で放映しています。

2 今までは「オキシトシン」は出産前後の陣痛促進や母乳分泌促進に働くホルモンとして知られていました。それが、新たな研究により、母性だけではなく父と子、男女、恋人同士、教師と教え子との関係の中でも「オキシトシン」ホルモンが、脳(視床下部)から体内に分泌されることが分かってきました。

つまり、男女の区別なく、しかも年齢を問わず分泌される愛情ホルモンです。ただし、女子には多く分泌され、男子は受容体が少ないために女子に比べて出にくく分泌量も少ないことも分かってきました(男子には、女子より3倍、4倍の愛情とスキンシップが必要だと考えられています)。

3 親子、夫婦、男女、家族、教師と子などが、温かな愛着行動やスキンシップにより、素晴らしい効果を及ぼすホルモンが「オキシトシン」です。

愛着行動やスキンシップの例としては、温かな接触、抱擁、ハグ、ほほえみ、ふざけ合い、見つめ合い、愛情を込めた言葉かけや会話などが、脳を刺激し「オキシトシン」を分泌させます。

4 「オキシトシン」の増加により、他人にやさしく、より寛容でポシティブになります。

しかも、親子の関係を深めたり、他人への思いやりが増したり、気持ちも安定します。

「ストレス耐性」がついてきて、ストレスに強い体(心)になっていきます。

「オキシトシン」の影響で、「セロトニン」(脳内伝達物質)が活性して、記憶力が増し学習効果も高まります。

「オキシトシン」の分泌により、身体や頭、心の面でも、よりよい影響を与えることが分かってきました。

5 「オキシトシン」の効果を利用しないと「もったいない」と思いませんか!

このホルモン「オキシトシン」は、相手とのふれ合いや語らい、ふざけ合いなどの愛着行動をしてから10分から15分で分泌量が最大となり、その後1時間は高いモチベーションが維持されるホルモンです。

一日に、短時間でもいいので、「オキシトシン」の恩恵を受けられるように、お子さんと(夫婦の中でも)、言葉かけをしたり会話をしたり、遊んだりなど、ふれあえるような時間を作っていってはどうでしょうか。

***今日で、カウンセラーの眼での「愛着」の話題の話は終了します。明日からはまた話題をかえて掲載します。

*参考文献 山岡祥子(臨床心理士)「講演」資料H27,1,9より